【数字で見る】トロントの治安が 悪くなっている?!増える犯罪何が、どうして?|特集「トロント調査隊がいく!」

【数字で見る】トロントの治安が 悪くなっている?!増える犯罪何が、どうして?|特集「トロント調査隊がいく!」

7. 件数は減っても死者数は一定の銃殺人

出典:Toronto Police Service

銃規制が厳しいはずのカナダでも、銃を使った犯罪件数は比較的多く発生している。トロント警察のデータによれば、2018年~2022年の5年間で2019年の492件をピークに銃関連犯罪件数は減少傾向が続いている。2022年には400件を下回り、治安が良くなったかのように見えるが実はそうではない。銃による死者とケガ人の数を見てみると、2022年は死者44人、けが人が122人。死者数はここ5年間では2番目に多い数字だ(けが人数は5年間で最少)。また、トロントで起きた殺人事件のうち最も多い死因は銃によるものであることもわかっている。毎年平均して全体の約55%が銃による殺人だが、2022年はそれが62.9%と高い割合を見せた。つまり銃関連犯罪は減っているものの、その中身が凶悪化していると言えるだろう。

8. 大麻や飲酒しての運転に注意 2015→2019で1185%上昇

出典:Statistics Canada「Impaired Driving in Canada」、
Public Safety「Annual National Data Report to Inform Trends and Patterns in Drug-Impaired Driving 2021」

2018年10月から合法化された大麻(マリファナ)の所持や使用。当初から大麻を吸ってハイになった状態での運転が増えるのではないかとかなり危惧されていたようだが、実際“悪質な運転(大麻だけではなく薬物やアルコールによる飲酒運転含む)”が大幅に増えていることがわかった。まず合法化されてから1年後の2019年、カナダ全体で前年比43%も“悪質な運転”が増えたとStatistics Canadaは発表している。またオンタリオ州に特化して見てみると、“悪質な運転”(起訴)は2015年の439件から2019年には6334件と大幅に増加していることがわかった(Public Safety Canadaのデータより)。実に1185%の上昇率を見せたことになる。2020年以降のデータがなく比較できないが、起訴された数自体は減ってきていると言われている。しかし免許取消しや免許停止などの行政処分が増えているからであり、決して“悪質な運転”の犯罪件数自体が減ったというわけではない。

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