お花見などに“モチ”寄りたい!大福餅と韓国餅|特集「桜とお餅」

お花見などに“モチ”寄りたい!大福餅と韓国餅|特集「桜とお餅」

なんとなく桜といえば「餅」でしょ!と盛り上がった編集部。調べてみると美味しそうな餅の数々がトロントでも見つかりました。
今回はスイーツにフォーカスして、日本人も大好きな「大福餅」と「韓国餅」を紹介。桜の季節に餅をテイクアウトして花見を楽しんでみてはいかがでしょうか。

Daifuku Mochi
大福餅

最近とくに人気を集めている日本のデザートといえば、大福だ。Daifuku Mochiとして多くのカナディアンにも知られ、日本食レストランのコース料理でも最後のデザートに振る舞われることもある。

ひとつ一つを手作り!甘さ控えめ、天然の食材の風味を活かした日本の味
Natural Japaneats

天然の食材と風味を活かした美しい大福の数々

シグニチャーのオンタリオ州産のイチゴを使った大福のほか、地元の食材を使った季節限定のさまざまな種類の大福をファーマーズマーケットや日系文化会館のイベントなどで販売している。
オーナーのちひろさんは、14年前からファーマーズマーケットに出店をしており、始めた当初は小さな子供がいても少しでも社会と関わっていたいという思いと地元の食材を使ったヘルシーな日本食を多くの人へ提供したいという思いだったという。

大福作りのきっかけは、「おあばちゃんが昔作ってくれた大福が食べたい」というお客さんからのリクエスト。今では、毎週地元の人たちが「mochi」と朝早くから買いに並び、10個ほどの販売から始まったものが、今では1000個近くを作る日もあるという。地産地消とヘルシーな日本食というモットーは変わらず、出来るだけ甘さは控え、天然の食材の風味を活かした調理法でひとつひとつ手作りをしている。

ラズベリー大福
ブラックベリーの大福
【出店情報】
毎週土曜日 Wychwoodファーマーズマーケット
3月3日 日系文化会館・春祭り
4月13日 日系文化会館・ジブリエクスポ

韓国餅でも有名だが、もっちりとした大福餅は日本人の口にもよく合う
Jellybean Cake & Dessert

韓国餅のコーナーでも紹介しているこのお店は、シェフは韓国の中村調理製菓専門学校を卒業し、これまでもスイーツ本を2冊出版している。
韓国餅を元にした多数のスイーツがあるが、フレッシュなイチゴやマンゴーを白あん、抹茶あん、チョコあんこで包んだ、もっちりとした大福餅もおすすめ。
いちご大福餅のほか、抹茶、小豆チョコ、マンゴー、ゆず餡などがある。予約制でテイクアウト専門店となっているので注文はオンラインをチェック。

フレッシュな素材が詰まったいちご大福餅

お母さんと娘さんで一つずつ手で包む生のフルーツ大福は見た目可愛くやさしい味
Chubbi Rice

マーカム在住のトレイシーさんがお母さんと二人で営むホームベーカリー。日本の大福餅、ハワイのバター餅、中国のくるみクッキーが人気だ。大福は伝統的な味に加え、アジアの食材から地元の人気食材まで、ワクワクする風味とユニークな噛みごたえのあるものまで生み出している。

ミカンがギッシリと詰まったミカン大福
見た目も可愛いパンプキンパイ味

ほうじ茶いちご大福餅やハワイアンバター餅などの定番メニューから季節の果物を使った限定大福まであり、新しいフレーバーはすぐに売り切れてしまうほど人気だ。
注文は事前にオンラインで注文してピックアップする仕組みだ。

定番のいちご大福も人気
ちょっと変わったWatermelon Basil大福

J-Town内にある人気Mochi shop。見た目も鮮やかでフレッシュな味わい
Sasaki Fine Pastry

J-Townにある日本人経営のスイーツショップ。今回食べてみたのは、イチゴと抹茶、チョコ、マンゴーだ。それぞれフレーバーと甘さがしっかりしており、大福のおいしさを素直に感じることができる。

抹茶大福
チョコレート大福
イチゴ大福
マンゴー大福

特にチョコの大福は、チョコレートムースと生クリームのコンビネーションが絶妙だ。また抹茶は餡子とのバランスがよく、日本を感じる。大福のほかに、どら焼きもあるので、ちょっとしたお土産にも喜ばれそう。

matcha
Chocolate
Strawberry
MANGO

人気の餅バブルはボリューミーで食べ応えバッチリ!
Savorology Artisan Bakery

Taro Salted Egg Yolk
Taro Salted Egg Yolk中身
Oreo Chocolate
Oreo Chocolate中身

ハイウェイ7×ワーデンのヒルトンホテル横にあるショッピングモールにはスイーツから雑貨などアジア系の様々な個店が立ち並び面白い。その中にある「Savorology」は日本風のお餅とミルクレープケーキを中心としたデザートショップ。
人気の餅バブルは、自家製の甘い米生地の中に、アイスクリームの代わりにシフォンケーキとペストリークリームを重ねていて見た目も食感もモッチリ。今回食べてみたのは、タロとオレオ。どちらも中身がボリューミーで餅が薄く包みこむ感じ。それぞれ素材の味がストレートに口の中で広がるので好き嫌いが分かれるかも。

平成マート(J-Town)、Taro’s Fishで見つけた豆乳クリーム大福がけっこう美味しい!

左から抹茶・苺・胡麻

市販の大福も侮れない!ついついハマってしまったこちらの市販品の豆乳クリーム大福は、J-Townにある平成マートや、Taro’s Fish Woodbine店で購入できる。いくつか種類がある中で、おすすめは抹茶、ゴマ、苺だ。豆乳クリームがベースになっているのでクリーミー。それでいて甘すぎない。どこか洋風の味でお店を訪れるとついつい一個買ってしまう魅惑の大福。

豆乳クリーム大福
買い物のついでに気軽に買えてしまう魅惑の大福

番外編!飲めるお餅!
Tiger Sugar

飲めるお餅!Strawberry Mochi Milk

台湾の有名バブルティーチェーン、Tiger Sugarの「JAPANESE MOCHI SERIES」では、抹茶やグリーンティーラテなどにお餅が入ったドリンクが楽しめる。今回は日本の「いちご大福」にインスパイアされたという「Strawberry Mochi Milk」をチョイス。

柔らかいお餅がいちごミルクと絡まり、ストローから口に流れ込んでくる、餅好きにはたまらないドリンク。あずきをトッピングすることも可能。まさに飲むお餅!ただ、勢いよく飲みすぎて、喉に詰まらせないように注意。

2391 Yonge St 他
https://www.tigersugar.ca/

Korean Mochi
注目!韓国餅

辛い食べ物で有名な韓国だが、実は「餅大国」でもあることはあまり知られていない。作り方や材料が多様で、餅の種類は数えきれないほど多い。韓国語で「トック」と呼ばれる餅。花見に合うような手頃で食べやすく、見た目も可愛い韓国トックを紹介しよう。

LUNA BAKERY

韓国で餅を意味する「トック」(LUNAの店内にて)

韓国餅を使ったデザートや、米をパウダー状にして生地に練り込んだオリジナルスイーツを多数取り扱うカフェ。

ペクソルギ

シグニチャーとして店に並んでいるのは、米粉を蒸して作ったペクソルギという餅だ。2000年前から食べられていたという歴史ある伝統的な餅として知られている。
真っ白な生地にカフェの名前でもある「月」のデザインが入っていて可愛らしい。見た目も食感も蒸しパンに近いが、わずかに弾力があるのは餅だからこそ。
シンプルな味付けながら後味は甘く、食べ進めると中から黒糖が姿を現し甘さを加える。イチゴ味や黒ゴマ味、かぼちゃ味などさまざまな種類を楽しむことができる。

インジョルミ

きな粉インジョルミ/黒ゴマインジョルミ/かぼちゃチャプサルトック

基本的にはきな粉味の切り餅である「インジョルミ」。もち米を蒸して作られた餅を引っ張って長くするなどして適当な大きさに切り、1つ1つ形が異なる伝統的な食べ物だ。黒ゴマインジョルミは真っ黒なゴマをそのまま味わうことができるので、噛むたびにゴマの風味が感じられる。オーソドックスなきな粉風味は甘すぎず、1つ食べ終わるたびに後味に満足感が残る。歯ごたえもちょうど良いため、何個でも口に運びたくなる味だ。

かぼちゃチャプサルトック

かぼちゃ味チャプサルトック。中にかぼちゃの実が入っている

まるで韓国式の大福だと言えるのが「チャプサルトック」だ。チャプサルはもち米を意味する。
歯ごたえがしっかりした他の韓国餅に比べるとモチモチとした食感があり、日本の餅にかなり似た種類だと言える。
中にはふんだんに粒あんが入っていて、とても甘くておいしい。
基本的な白いチャプサルトックとは別にかぼちゃ味も試すことができ、粒あんの中にさらにかぼちゃの実や種のようなものが混ぜられていて、食べ進めながらかぼちゃのほのかな味を楽しむことができるのは嬉しい。

5376 Yonge St, Toronto
https://www.lunabakerytoronto.com/

Jellybean Cake & Dessert

予約制でテイクアウト専門店であるこちらのカフェでは、カップケーキなど一般的なデザートに加えて韓国餅を元にした多数のスイーツを用意している。

ついつい沢山買ってしまいそうな可愛いビジュアル
お餅以外にもうっとり見惚れるスイーツがいっぱい!

ソンピョン

秋の収穫祭に食べられる韓国の伝統的な食べ物の一つだが、こちらでは年中予約注文できる。ソンピョンの中にはゴマ餡が入った食べるのが勿体無いほど可愛いお餅。

ケソンジュアク(揚げ餅)

まさかのマッコリが練り込まれたお餅

見た目は小さな揚げ餅、揚げドーナッツというのがケソンジュアクだ。見た目が可愛くSNS映えするということもあり、伝統菓子ながらここ最近韓国で流行中だという人気デザート。

もち米粉にまさかの韓国酒「マッコリ」を練り込んでいるのが特徴的で、それを丸めて油で揚げ、最後にはちみつ入りの蜜につけて完成。手に取ってみると餅は蜜でコーティングされたような硬さで、溶け出したネバっとした蜜が手に付くのがたまらない。

食べてみると、外の硬さに反して中はもっちり。マッコリが中のモチモチ感を演出する重要な役割を担っているとか。揚げていても油っぽくはなく、甘さが口の中に広がる。
柚子を乗せたものは柚子のさっぱりした味が絶妙に合い、ブルーベリーは酸味が揚げ餅の甘さとむしろ合う。
金柑を乗せたものは金柑の甘酸っぱさと餅、さらにクリームチーズの濃厚な味のアンサンブルが最高の一品だ。

パラムトック

「風餅」を意味する餅で、中に空気をいっぱい入れてぷっくり膨らませたような形で作ったことに由来する。
伝統的には半円型だが、カフェによると最近はデザインを可愛らしくしたものが人気ということで、こちらのカフェでは雲とハートの形をしたパラムトックを販売する。
1つ手に取って匂いを嗅いでみると、もち米と最後の仕上げに塗られたゴマ油の香りが食欲をそそる。一口食べると、中にたっぷり入れられた白あんが顔を出す。かなり甘く、他の餅デザートよりも甘さは強さだと言える。餅自体はもち米を蒸して作っているためほんのりモチモチで、食感は気持ち良い。

2nd floor, 3336 Yonge St, Toronto
https://jellybeancake.com/

韓国系スーパーGalleria

韓国式団子「キョンダン」

餅が大好きで頻繁に食べる韓国人のため、韓国系スーパーでは常に数種類~数十種類の餅が売られている。

キョンダン

左からしっかりとした黒ゴマ味/カステラの粉をまぶしたキョンダン/甘さ控えめの優しいきな粉味

花見にはお団子が合う!ということで、韓国式団子である「キョンダン」を紹介しよう。
韓国では1歳の誕生日に食べられる習慣があった餅の一つだという。黒ゴマ、カステラの粉をまぶしたもの、そして韓国式きな粉餅の3種類が一般的な組み合わせとのこと。もち米を一口大に丸めて作った餅は、日本の団子より若干弾力があるようだが程よい硬さがクセになる食感だ。
すりゴマは「THEゴマ」というしっかりした味付けがされ、きな粉餅は甘さ控えめ。カステラ味は一口食べただけではカステラだとわからない味だが、甘い香りと味が口に広がりおもしろい。まさに「花より団子」に最適な餅といえよう。

お葬式で食べるお餅!?ジョルピョン

ジョルピョン

形が四角で、まっすぐな線が模様として入っているのは「ジョルピョン」という非常にシンプルな餅だ。一般的に葬式で食べることが多いというが、餅が大好きな韓国人は普段から食べることもあるという。
ほとんど味のしない白と、よもぎで作った緑の2種類が一般的。味もにおいもほぼないが、ゴマ油と醤油を混ぜた韓国特製ソースで食べるとおいしい。
日本の餅のように伸びもしないし柔らかさもないが、韓国有名料理トッポッキと同じ種類の餅(カレトック)なので程よい硬さがあるのが人々に好まれる理由でもある。味がないのを逆手に取り、辛くて有名なブルタックソースや甘いハチミツなどお好みでいろいろなソースを付けて食べてみると味変になってさらに楽しい。

ヤクシク

ヤクシク

漢字で「薬食」と書く「ヤクシク」は、見た目が全く餅らしくない。米粒の形がそのまま残っていて、米の色が茶色なのはゴマ油と醤油風味、さらには黒砂糖(場合によってはちみつ)が加えられているから。
無病息災と豊作を願う日である旧暦の1月15日に食べる伝統があり、デザートというよりももはや体に良い“甘いご飯”と表現して良いかもしれない。かなり甘いが味はそこまで濃くなく、ご飯なのにもちもちっとした食感が不思議で食べる手が止まらないこと間違いなし。

Café Login

韓国式かき氷きな粉餅ピンス

韓国餅を使ったカフェデザートといえば、韓国式かき氷だ。きな粉餅ピンス(韓国語でかき氷の意味)は、韓国で最も一般的なピンスの種類なのだそう。大きな器にふんだんにきな粉が振り掛けられ小さくカットされた餅が器の形に沿うように並べられている。
2人前ほどとはいえかなりの量だが、一口食べれば一気に食べ終わってしまうかのようなスピードで食べ続けてしまうおいしさを体験できる。

牛乳からできたピンスの氷

氷は日本のかき氷のように比較的大粒ではなく、かなり細かくシャキシャキ感の中に柔らかさがあるような食感がする。また、水ではなく牛乳を凍らせて氷にしているため、氷だけでもほのかに甘い。きな粉と牛乳の組み合わせと考えれば言わずもがな最高だ。
冷たい氷を口にほおばると頭がキーンと痛くなってしまうが、きな粉餅と一緒に食べれば冷たさが緩和されてパクパク食べることができる。
きな粉餅はトロントの餅専門店から卸していて、店員いわく割と高級なものらしい。切り餅のような餅はモチモチというより程よい硬さが食べるのにちょうど良い。

寒くても食べたい!きな粉餅かき氷

The Cups

きな粉餅かき氷に入っている餅

きな粉餅かき氷は韓国ピンスの代表格かつ伝統メニューなので、基本的にはどのお店のも同じ材料、同じ見た目のピンスを提供する。
このカフェではサイズを3つから選べるのがありがたい。実はきな粉餅ピンス、下の方まで食べ進めると練乳まで入っている。最初はきな粉餅と牛乳の氷の組み合わせを楽しみ、最後はそこに練乳を加えた新しいコンビネーションを味わうことができる。

アーモンドがいいアクセントに!

きな粉のような粉末を口に入れようとすると少しむせてしまうこともあるが、ピンスでは氷と粉末が溶け合ってきな粉シャーベットのようになるからこそ食べやすく、今までに味わったことのない食感と味と出会うことができるのが魅力だ。
また、トッピングとしてアーモンドが添えられていて、ちょっとした味のアクセントにもなる。

5647 Yonge St #2FL, North York
https://cupscanada.ca/