躍進する上場企業『Eコマース・クラウド・オンラインシフト・デジタル化・キャッシュレス』|特集「キラリと光る北米デジタルトランスフォーメーション」

 新型コロナウイルスは私たちの日常やライフスタイルを大きく変えた。ニューノーマル時代と言われる今、日常の様々なシーンで頭角をあらわした上場企業がある。巣篭もり需要を筆頭に多くのことがデジタル化されたポストコロナ時代に飛躍する上場企業を米国市場・カナダ市場からピックアップして紹介する。

カナダ発

食材とレシピを提供するライフスタイルのニューモデル
Goodfood Market

 新型コロナが感染拡大する中で注目を集めたのが、ケベック州モントリオールに拠点を置くオンライン食料品「Goodfood Market」だ。

 ロックダウンによって人々の行動が制限され、フィジカルディスタンスを図らなければならない中で日常の食料品などの買い物は多くの人にとって課題だった。

 「Goodfood Market」はFarm to Kitchen(農場から食卓まで)、地産地消をコンセプトとし、日々の食材と食事のレシピを提供し、新しいライフスタイルを構築している顧客を中心に人気を博している。

Amazonキラーの最有力候補、
カナダ発のECサイト構築プラットフォーム
Shopify

 「Shopify」はオタワに拠点を置き、スモールビジネスや中小企業を中心とした小売店舗向けにECストアを開くために必要なあらゆるリソースを提供するプラットフォームビジネスだ。

 新型コロナの影響で自粛や規制が続く中、企業やリアル店舗がECの立ち上げや強化を推進した影響を受け、顧客数・売り上げが急拡大し、株価も急上昇した。

 同社のプラットフォームは、マーケティングや在庫管理などバックサポート体制を全て「Shopify」で完結できるほか、クレジットカードや独自の決済サービス「Shopify Pay」などあらゆる決済方法との連携を図っていることも評判が良い。

カナダ全土にわたる包括的な遠隔医療プログラムを推進
WELL Health Technologies

写真: WellHealth HPより
写真: WellHealth HPより

 「WELL Health Technologies」は、医療関連サービスを提供するPrimary Hclinicsを所有・運営し、診療所のデジタル化をサポートする電子カルテ事業にも従事している。

 また、カナダ全土にわたる包括的な遠隔医療プログラム「VirtualClinic+」を推進しており、ビデオや電話を通じて患者と医者をつなぐ遠隔医療プラットフォームを構築している。

 コロナ禍において病院に行くリスクが高いことから独自のネットワークとカナダ全土の医師の参加により、長時間にわたる待合室での待機の回避や旅行や移動が制限されている人が簡易にオンラインで診療できるデジタルヘルスの最新トレンドとなっている。

SaaS・リモートワーク

ウィズ・コロナの代名詞。ユーザー数が1千万人から3億人に増加!
有料ライブイベント開催支援とアプリ統合機能の新機能をローンチし新たなステージへ
Zoom

 世界中がロックダウンとなりリモートワーク、オンライン授業、オンライン飲み会といった自粛生活を余儀なくされた環境の中でニューノーマールの代表的ツールとなったのがビデオ会議サービスのZoomだ。

 その人気の秘密はユーザーフレンドリーで、テクノロジーに慣れていない人でも、リンクをクリックするだけで誰でも通話に参加ができるシンプルさにあるといわれる。

 利用者は2019年末に1日約1000万人だったのが、2020年4月末には約3億人になった。一度に1000人まで接続できるZoomは教育の現場やイベント、企業のデジタルトランスフォーメーションにおいても価値を見いだすことがあるといわれる。

 また有料ライブイベント開催支援の「OnZoom」とアプリ統合機能「Zapps」という新機能を発表した。「OnZoom」 はZoom上で100〜1000人までの参加者にコンサートやヨガクラスなどを有料でイベントを開催できる。Zoomユーザーが好みのイベントを検索できたり、コメントもできる機能も備える。「Zapps」 は他社アプリをZoomプラットフォームに統合できる仕組みだ。

 今後は字幕や通訳の機能も実装される見通しで、地域間や物理的距離を問わずポストコロナ時代の必須アイテムになるだろう。

ポストコロナ時代のキーワードDX
(デジタルトランスフォーメーション)
Slack

 パンデミック以前から多く企業などで活用されていたビジネス向けの職場チャット・コミュニケーションツール「Slack」だが、新型コロナの感染拡大により在宅で仕事をすることがノーマルとなり、リモートワークに役立つプロダクトとして需要が増加した。

 ニューノーマル時代の働き方という追い風を受けて前四半期に獲得した有料ユーザーはなんと5000件。リモートワークが推進される今後の働き方においても「Slack」によって可能となるコミュニケーションの可能性は多様であり、継続性あるツールの存在感はより一層増すだろう。

企業のリモートワークやコスト削減によって急成長を続けるSaaS企業
Zoominfo

写真: Zooninfo HPより
写真: Zooninfo HPより

 COVID-19パンデミックによって企業は感染拡大防止のためにリモートワークを推進し、様々なコスト削減を一気に進めている。そんな経営環境の強い味方として多くの企業が導入を進めたSaaS。

 SaaSは必要な機能を必要な分だけ利用できるようにしたソフトウェアや提供システムで、「Zooninfo」は営業支援のためのSaaSサービスを提供する米国のIT企業だ。

 6月に米株式市場に上場。初日に62%高と話題をさらった今注目の営業促進サービス。

 企業の特徴は、CRM(顧客管理のためのITシステム)が常に自動で最新状態に更新され、最適な優良顧客を自動で分析してくれるというものだ。

 今後さらにオンラインだけで営業やそのほかの業務を行う企業が増える中、それらを支援できるサービスが伸びていくのは間違いなく、「Zoominfo」はポストコロナ時代のセールスマンにとって強い味方となるサービスと言えるだろう。

在宅ワークの急増に伴い署名・契約もデジタルの時代へ
DocuSign

写真: DocuSign Facebookページより
写真: DocuSign Facebookページより

 「CloudFlare」は、コンテンツデリバリーネットワークやインターネットセキュリティサービス、分散型ドメイン名サーバシステムを提供する米国のソフトウェア企業だ。ポスト・コロナ時代における企業のネットワークインフラを支えるとして注目されている。

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