躍進する上場企業『Eコマース・クラウド・オンラインシフト・デジタル化・キャッシュレス』|特集「キラリと光る北米デジタルトランスフォーメーション」

クラウド・プラットフォーム

オンラインシフトした今、ウェブサイトやオンラインサービスがインターネット上で円滑に運営されるためのクラウド・プラットフォームを提供
Cloudflare

 コロナ禍における外出自粛や在宅ワークが当たり前となった企業が扱う文書のデジタル化が急速に発達した。「DocuSign」はクラウド上でデジタル署名を行う仕組みを提供する電子署名・電子契約サービスのプラットフォームだ。

 全世界で50万社以上が採用、数億人が利用しており、パンデミック中は収益が約40%増加した。書類への署名や郵送などの今まで紙ベースだった過程をデジタルに置き換え、インターネット上で完結できるサービスは、コロナが終息した後でも紙によるアナログベースに戻る可能性は少なく、将来的にも有望なツールとなるだろう。

Eコマース

Facebook・Instagramという
強力なSNSを武器にShopifyとBigCommerceと連携。
Eコマース市場と中小企業のシェア獲得に最適ビジネスモデルで攻める
Facebook

 パンデミックにより多くのビジネスが苦境に立たされる中、「Facebook」は5月に中小企業向けの無料オンラインマーケットプレイス「Facebook Shop」を立ち上げ、世界中のスモールビジネスの支援に乗り出した。「Facebook Shops」は数多くのスモールビジネスがECに取り組む機会となった。

 また、「Facebook」「Facebookメッセンジャー」「Instagram」のサービスを横断的に管理できる新サービス「Facebook Business Suite」を導入した。これは企業が「Facebookページ」と「Instagram」の同時投稿を可能にしたり、メッセージやインサイトなどを一元管理できるようにし、SNSの連携と効率化を提供しようとしている。

 さらに、7月には「Instagram」でもマーケットプレイスを活用できるようにするとともに、「Checkout」というサービスを発表。これまで他の外部ショップリンクに飛ばなければいけなかったものが、「Instagram」内で完結できるようになった。同時に、ライブコマースを導入し、ライブ動画を見ながらその場で商品の購入が可能になるライブショッピングを実現した。

 Eコマース市場は競争が激化しているものの、コロナも重なりまだまだ伸びしろのある成長市場であることが間違いない。世界中に何億人という莫大なユーザーを持つSNSを武器にしたサービスがさらなる市場シェアの拡大につながることだろう。

Eコマースの帝王
プライムデーでは約2億6000万個の商品を販売、売上は2日間で106億ドルに到達
Amazon

 新型コロナ感染拡大に伴いロックダウン等でショッピングモールや小売り店が営業休止・閉店に追い込まれる中で、ネット通販が一般的になり需要が急増した。そんな環境下で圧倒的な強さを見せたのが『Amazon』だ。プラットフォームをサードパーティに開放するEC戦略が功を奏し、4-6月期の増収率は40%を記録した。

 また在宅勤務が広がりつつある中で、利益率が高いクラウド事業のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の需要も高まると見込まれ、高収益が期待されている。

 そのほか無人店舗「Amazon Go」の取り組みや生鮮食品配送サービス「Amazon Fresh」立ち上げなども注目されており、最近では、米国全土の「Whole Foods」で1時間での食料品の店舗受取サービスを開始した。カナダにも間もなく登場するかもしれない。

 コロナ禍における需要に応えるため雇用も拡大し今や北米経済圏を支えているわけだが、従業員用の保護具、施設での洗浄の強化、独自のCOVID-19テスト機能の開発などコロナウイルス対策の取り組みに40億ドル以上を投資するなど安全対策にも力を入れている。

店舗とネットの融合。
オムニチャネルの取り組みが功を奏する
Walmart

 全米に5000店弱を展開する「Walmart」は、コロナ禍において食料品中心のビジネスモデルが巣ごもり消費にマッチし、ECの売り上げは昨年対比74%増加した。

 生鮮を含む食品を主力とし、日用品やパーソナルケア商品、家電まで幅広いカテゴリーを扱う豊富な品揃えがパンデミックにおける人々の買い物心理をうまく掴むことに成功した。

 さらに「Shopify」と提携し、1200もの「Shopify」ストアをマーケットプレイスに誘致する取り組みを発表したほか、「Walmart+メンバーシッププログラム」と呼ばれる即日配達が目玉のサブスクリプションプログラムを米国で開始し、コロナ需要に切り込んでいる。

ステイホームでDIYやヴィンテージ探しをする人が急増
世界最大のハンドメイドマーケットプレイス
Etsy

 ハンドメイド製品や古物などがあふれるグローバルなマーケットプレイスを展開する「Etsy」はアメリカ発祥のEコマースだ。取り扱い商品はハンドメイド商品、ハンドメイド資材、ヴィンテージ品の3カテゴリー。北米圏におけるロックダウンにあたる4~6月にかけての新規購入者が1150万人、1年以上購入歴の無かった720万人もの人が利用を再開している。

 ユニークな取り組みとしては、「Etsy」のアプリに搭載されたAR機能を活用すると、ポスターやオブジェなどを実際に自分の部屋に取り付けた際にどう見えるかイメージすることができる。

 販促活動も盛んでコロナ第二波による行動制限やホリデーシーズンの到来に向けて、今まで「Etsy」を知らなかった人たちが、新たなショッピングの場所として利用するのではないだろうか。

Etsyオフィス
Etsyオフィス

家具ECのコロナ特需
Wayfair

 「Wayfair」は家具や家庭用品を販売するアメリカのEコマースだ。2016年にはカナダにも進出し、海外展開を本格化している。

 パンデミックをきっかけに家の中で過ごす時間が増えたことで人々が自宅をアップグレートしようとする傾向がみられ、インタリアの需要が増え注文数が前年の2倍になるなど顧客数・売上が急増した。

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