躍進する上場企業『Eコマース・クラウド・オンラインシフト・デジタル化・キャッシュレス』|特集「キラリと光る北米デジタルトランスフォーメーション」

ステイホーム

自粛規制により娯楽費が動画配信サービスへ
競争激化の中、強みである独自作品はアマゾンの約4倍
Netflix

 世界中でロックダウンや外出自粛に伴い、自宅で過ごす時間が増えたことにより、快進撃を見せたのが動画配信サービス「ネットフリックス」だ。北米でも特にロックダウンの最中だった2020年4~6月期は純利益は前年同期比2.7倍と過去最高、有料会員数もカナダと米国で294万人に達し、全世界では3月末と比べて1009万人(6%)伸ばした。

 直近では経済再開とともに新規会員数の鈍化が指摘されているが、コロナ第二波の影響などにより、自粛規制により映画館や劇場などの閉鎖が続く状況がいつあってもおかしくないことを考えると、引き続き高い需要はありそうだ。

フィットネス界のApple
フィットネスマシンのサブスク
Peloton Interactive

 「Peloton」はパンデミックによって自宅での自粛やジムの閉鎖という状況において、自宅でフィットネス・エクササイズができる巣篭もり需要の代表格として知られる。

 フィットネスマシンのサブスクとストリーミング課金というビジネスモデルで有料会員は109万人に倍増、売り上げは前年同期比でプラス172%アップという驚異の成長を遂げている。

 コロナ禍においてもフィットネスバイクのほかにヨガのクラスやAppleWatchとの連携や機能面のアップグレードに加え、ショールームも拡大しておりカナダでもトロントのヨークデールモールなどに店舗を構えている。

ディズニーブランドの強力コンテンツによるストリーミング・サブスクリプション
Disney+

 コロナ以前からビジネスの競争が激化していたストリーミング・サービス。ディズニーが2019年11月にローンチしたストリーミング・サブスクリプション「Disney+」は自粛生活が続き在宅時間が増える中で確実に成長し、いまでは会員数が6050万に到達した。

 パンデミック中に映画館の再開のめどが立たない中で話題作『ハミルトン』や『ムーラン』などの配信のほか、『スターウォーズ』『マーベル』といった強力コンテンツが多くの人を魅了している。またコロナ禍で自宅にいる子どもを惹きつける豊富なコンテンツはファミリー層にも好評だ。

自宅時間の長期化と高まるDIY需要に好機
The Home Depot

 住宅リフォーム・建設資材・サービスの店舗を展開する「The Home Depot」は、ロックダウンによる自粛規制中であっても店を開けていたことで注目された。同企業はEコマースやデリバリーシステムは発達しなかったが、今四半期では大幅な売り上げの増加となった。

 そのポイントは、パンデミックに中で多くの人が自宅にいる時間が増えたおかげで家のリフォームや、内装を変えることで新しい空間を作り、自分たちでDIYする需要が高まったことと、店舗がいち早く店内の顧客の人数制限を徹底し、早期に安全等に関する徹底した対策をすることを基本としたことが売り上げ増につながった。

世界的な大ヒット「あつまれ どうぶつの森」
Nintendo

 パンデミックによって自己隔離のため自宅にいる世界じゅうの人びとの心を掴んだのが「Nintendo」だ“あつ森”の愛称で知られる人気コンソール「スイッチ」のゲームはカナダでは「Animal Crossing」として知られている。友人と気軽にあうことができなかったコロナ禍においてゲームを通して友人たちと交流できるこのゲームは、ニューヨーク・タイムズは「隔離生活のパーフェクトな過ごし方」、ウォール・ストリート・ジャーナルも「Animal Crossingは“セラピー”」と人々の心を癒していると紹介されるほどの人気で発売後6週間で1300万本以上を売り上げた。

 “あつ森”の大ヒットにより「スイッチ」の需要が予測よりもはるかに多いため、供給が追いつくことが難しい状況で品薄状態が続いている。

×Tech

キャッシュレスで大注目!進化を遂げるフィンテック
Square

 ツイッターの創業者・CEOであるジャック・ドーシー氏が経営するファイナンスとテクノロジーが組み合わさったフィンテック企業「Square」がコロナ禍において常態化したキャッシュレス社会で躍進している。

 外出自粛やネット注文・タッチ決済が当たり前となる中、マーチャントサービスとモバイル決済を1つの使いやすいサービスとして提供している同社は貯蓄や様々な決済に加え、株式投資やビットコインの購入に対応。さらに米国の銀行とパートナーシップを結び、給与振り込みを受けられる仕組みを導入するなどデジタル銀行へと姿を遂げてきている。

リモート教育で追い風をうけるEdTech
Chegg

 アメリカの著名投資家ジム・クレイマーが新型コロナの影響で注目すべき銘柄に挙げている「Chgee」。オンライン学習を提供するEdTechは業界的にもコロナ需要で急速に成長している。

 同社はオンラインでデジタル式教科書のレンタル、宿題のヘルプ、オンラインチューター、インターンシップマッチングなどのサービスを持ち、最近では世界一の数学の問題解決アプリ会社を買収している。北米では87%の学生が「Chegg」のサービスを聞いたことがあるとされ、ポスト・コロナ時代の教育システムのリーディングカンパニーとして加速する見込みだ。

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