生成系AI元年、カギは 『ぬくもり』|カナダのしがないラーメン屋のアタマの中 第59回

生成系AI元年、カギは 『ぬくもり』|カナダのしがないラーメン屋のアタマの中 第59回

生成系のAIが世間をにぎわせています。昨年の暮れにリリースされて、今年になって早々に、大幅なアップデートを遂げたChatGPTをはじめとする生成系AIによって、文章や画像、動画や音楽、そしてコードに至るまで、日々あらゆる創作物がAIによって生成されており、ビッグテックカンパニーから新興のスタートアップまで、各社が新たな市場の可能性にベットしている状況です。

ラーメン屋にはあまり関係のない話かな、と思いきや!!

ホワイトカラーの仕事が奪われる、とメディアでは盛んに言われているので、ラーメン屋にはあまり関係のない話かな、と思いきや。試しにChatGPTに聞いてみたところ、メニューやレシピ、新商品のポスター、SNSの文章など、更には、売り上げ予測や在庫管理、店内の雰囲気に合わせたBGMの生成、新店のインテリアデザインまで、AIに頼れる部分はかなり大きくなりそうです。そこに到達するにはもう少し時間がかかるのかな、と思う反面、日々テクノロジーが加速度的に進化する昨今、遠くない未来にこういった技術が一般化するのかもしれません。

ChatGPTとやり取りをする中で関心してしまったのが、AIの導入や自動化によるネガティブな影響として、「人間のぬくもりの喪失」という危険性を指摘し、顧客満足度が下がってしまう可能性を注意喚起したことです。曰く、「ぬくもりの喪失」とは、人間の直接的な関与や接触がなくなることで、そのサービスが持っていた「人間らしさ」が失われるという概念で、これはAIや自動化が進む中で、特にサービス業や飲食業で大きな問題となり得ます。

ラーメン屋で言うと、シェフが丁寧に一杯ずつ手作りする姿や、オーダーを取る際のスタッフとの会話が顧客体験を豊かにしており、これらは人間の存在感、感情、そして対人スキルが生み出す計り知れない価値です。これらの作業が自動化されることで、人間の関与がなくなり、その結果、「ぬくもり」が失われます。システムがどれだけ高度であっても真似ることができない、人間特有の温かさや親しみやすさがあり、人間が作るラーメンには、機械が作るラーメンとは違った魅力があるということです。

キーワードは「人間のぬくもり」

と、このようにChatGPTは様々なことを教えてくれるわけで、こういったコラムなんかは、まさにAIが得意とするところです。しかし、僕のコラムはAIに代替されないと断言できる確固たる理由があります。それは、僕自身がコラムを書くことに、興奮をおぼえたり、楽しいと感じながら書いているからです。もちろんお店の宣伝という理由があることには違いありませんが、そもそも文章を書くことが好きでやっているので、この楽しみを機械に奪われてなるものか、という気概を持ってこれからも書くことでしょう。

とするならば、ホワイトカラーだろうがブルーカラーだろうが、雇われでは難しいかもしれませんが、その仕事をすること自体が喜びであり、ライフワークとして仕事をしていれば、案外、AIに仕事を奪われるという心配はいらないのかもしれません。逆に、生活のためのライスワークとしての仕事は、やはりAIに代替される危険性が高い、ということになってしまいますが、その時にいかに仕事を自分のものに出来るかは、「人間のぬくもり」にかかっているわけです。

最後に、これはなかなか恐ろしい想像なのですが、それはAIが「人間のぬくもり」自体を再現してしまう可能性です。AIを相手に「ぬくもり」を感じてしまう事は、なかなかのディストピアだと感じますが、どういうことかと言うと、あなたは本当にこの文章がAIではなく、生身の僕が書いた文章だと信じることが出来ますか?

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