トロント発!?盛り上がる音声配信|カナダのしがないラーメン屋のアタマの中 第49回

トロント発!?盛り上がる音声配信|カナダのしがないラーメン屋のアタマの中 第49回

 先日、音声プラットフォーム「Voicy」を開発・運営する株式会社Voicyが27・3億円の資金調達をおこないました。「Voicy」とは、音声コンテンツの配信や聴取ができるプラットフォームで、チャンネル数はじつに1600件に上り、会員数も前年比2倍の約150万人と右肩上がりの成長をつづけている会社で、僕も2年ほど前に冷凍ラーメンのデリバリーを初めて以降、ヘビーユーザーになりました。というわけで本日は音声配信についてです。

「目」から入ってくる情報は飽和状態注目は「ながら聞き」の耳マーケット

 広い意味での音声配信は、ここ5、6年でじわじわと盛り上がりを見せ、スマホのアプリなどで聞けるインターネットラジオの「radiko」や、書籍の読み上げサービス「Audible」などのオーディオブック、アップルや音楽のストリーミングサービス「Spotify」などで聞けるポッドキャストなどなど、さまざまなサービスが存在します。こういった音声配信サービスが台頭してきた背景としては、ワイヤレスイヤホンやスマートスピーカーの普及に加えて、音声ならではの「ながら聞き」が出来るという強みがあります。

 長らくテレビの時代が続いてきましたが、近年、YouTubeやNetflixなどの動画配信サービス、さらにはインスタやTikTokなどのSNSなど、「目」から入ってくる情報は飽和状態をむかえています。

 Voicyの緒方CEOによると、日本国民全体の「目」のメディアが競合している時間は、1週間に約2.5億時間ある一方、「ながら聞き」が可能な時間は、1週間で約8.9億時間にもなるそうです。つまり、「耳」の市場は「目」と比べて、3倍以上の可処分時間の在庫が存在するブルーオーシャンだと言うのです。ここにスマホ一台で簡単に録音、配信が出来るようになったことも後押しして、大量の音声コンテンツが流入してきています。

 今後、文字をおぼえる前に音声入力を利用してスマホやタブレットをあつかう「ボイスネイティブ」の子供たちも増えてきて、音声配信はさらなる盛り上がりを見せてくることでしょう。

トロント発おすすめポッドキャスト

 音声配信のハードルが下がったことで、実は、ここトロントでも音声配信者が続々と現れているのをご存知でしょうか?最後にいくつかおススメのポッドキャストを紹介いたします。

「カナダの空」
「カナダの空」

 TORJAでもおなじみのイケメン・イクメン・フレンチシェフでYouTubeなどでも精力的に活動されているYoshiさんの番組。カナダと日本の生活の違いや、カナダでの出来事を日本語で配信されています。現在は、「Hanma Japanese Foods」というレストランを開けられたばかりで多忙のため配信は止まっておりますが、再開が待たれます。


「So Japanese」
「So Japanese」

 イギリス・ロンドンのNOBUやトロントのMomofukuで勤務経験があり、最近までGodspeed Breweryでヘッドシェフを務められていた山中隆佑さんが、相方のジョンさんと英語で発信されている番組。日本文化や日本語についてなど、インスタやツイッターなどでも精力的に発信をされています。


「ヒロシとタックのいい声レディオ」
「ヒロシとタックのいい声レディオ」

 カナダに住む弟ヒロシと東京に住む兄タックが、リスナーの皆さんにいい声を届けようという番組。毎回テーマを決めて、いい声の兄弟がだらだらと話しています。素性は明かしておりませんが、どうやら弟ヒロシはトロントのラーメン屋だそうです(笑)



 これらの番組は、Spotifyやアップルポッドキャストなどで配信されているので、よろしければぜひ聞いてみてください。