今年はこうなる2024年ひろの大予想|バンクーバー在住の人気ブロガー岡本裕明|2024年新年号特集

トルジャの読者にお届けしている「ひろの大予想」は今年で12回目となる。毎年大体6〜7割が結果として当たっているのだが、これは当てる、はずれの予想より大胆に誰もが思わないことを想像する方が面白い。そんな中、元祖「びっくり予想」のバイロン・ウィーン氏が90歳でお亡くなりになった。びっくり予想も大黒柱をなくして乱立状態になるかもしれないが、今回も頑張って踏み込んだ予想をしてみよう。

01. あなたは誰?人とヒトのやり取りが信じられなくなる時代に突入

生成AIが花盛りで各社特徴を持たせたAI機能が一般人の生活にも知らぬ間に浸透する。誰が書いた文章かわからず、誰が読み上げているニュースかもわからない。人間を相手にやり取りしているのか、機械なのか、疑心暗鬼と人間不信が起こる元年となる。従来の人とヒトのコミュニケーションがより一層、重視されるようになるだろう。

02. 世界は戦争がお好き?

ウクライナの戦争は長期戦となる。イスラエルとハマスの戦争は早い時期に一旦終結となるが、極めて敏感な問題だけにかじ取りを誤れば中東は戦禍に見舞われる。一方、ウクライナ戦争の教訓とは欧米の国内世論の分断であろう。そして支援疲れが見えてくるとすれば戦争とは何かを改めて考える年になるだろう。他にも戦争が危ぶまれている地域はあり、人々が抑制できるかその忍耐力が試されようとしている。

03. 欧米の物価高は収まる、日本は周回遅れとなる

なぜ、物価高が起きたか、一言でいうならコロナという非日常事態が引き起こした人間の行動が想定を超えたということに尽きる。そして人々は慌てふためき、過剰な行動に出た。物価高というお灸が座った欧米は既に治癒が進み、回復が近い。一方の日本は長年、企業が値上げを我慢し価格抑制したのがコトを複雑にした。結果として日本の物価高はいましばらく続くであろう。

04. 株式市場は落ち着きを取り戻す一年に

株価を支える理由は様々な要素の組み合わせだ。その中で投資家が「株が買いたい」と思わせる動機が必要なのだが、利下げで「株が上がる」というイメージがじわりと湧いてくるだろう。カナダの株は特に売られ過ぎたのでその反動はありそうだ。為替は23年に円安になり過ぎたので反動で120円台までの円高になる。日本の株価は北米と対照的に上値が重い年になりそうだ。

05. 日本の政治は壊滅的状況になる

岸田首相は辞めるにやめられず、解散はせず、9月の自民党総裁選まで走る。一方、自民党は2つに分裂する可能性があり、その場合、維新など自民党に近い政党との連立を模索する政治的不安定時代に突入する。公明党は池田大作氏の死去がボディブローのように効き、苦戦を強いられる。国民にも保守から改革まで個人の主義主張の色がより色濃く出るだろう。混とんとする日本の政治になる。

06. アメリカの大統領選挙

アメリカの大統領選挙は波乱含みだ。共和党トランプ氏は人気があるが、共和党の支持層が減退する。よってトランプ氏だけの報道を見誤ると全体を見失う。一方、民主党もバイデン氏では支持層が極めて限られる。かといって第三極の動きをアメリカが受け入れるとも思えない。ここはバイデンVSトランプというより我々が全く想定していない名前が浮かび上がるという予想を敢えてしてみたい。順風なら民主党が有利であろう。

07. 中国は行き詰まるか?

そんな質問があれば「行き詰まるわけない」と答える。だが、「習近平氏は窮地に陥るか」と言われればYESと答える。第3期目の習氏の指導力は明らかに落ちた。カリスマ性も落ちた。それは本人というより取り巻きがYESマンであり、思考停止状態にあることが原因だ。よって国内外の様々な難局を乗り越えるチカラが十分に発揮できず、中国政府への期待度は剥離する。ただ、中国人は逞しい。何が起きてもただでは済まないのが中国人だ。

08. 住みやすい日本は老人天国、若者は「外に出よ」

日本の人口バランスがあまりにも悪い。昨年に予想した22年出生者77万人はビンゴ。23年度は74万人台を予想。人口減は毎年47都道府県が1つずつ消えていくペースだ。真綿で首を絞められても生き耐える高齢者はともかく、若者にはあまりにも酷な条件が並びすぎる。若者は日本を再生させるためにも一度外国の空気を吸い、世界の中のニッポンという位置づけを理解すべきだ。

09. 更に上昇するカナダの不動産

私は過去20年、上がると言い続けた。そして嘘ではなかった。だから今年も同じことを言う。不動産は上がる。理由は極めて簡単だ。年間50万戸の潜在需要に対して30万戸程度しか供給能力がないからだ。役所などの監理がより厳しくなった上に建物のデザインも凝ったものとなれば「趣味の住宅」の世界だ。これからは購入よりもリースなど新しい住宅取得の形態が生み出されるだろう。

10. 民主主義と独裁政権のぶつかり合い

世界を色分けすれば民主主義は少数派となった。なぜ、独裁政権が生き残れるのかといえば人々が考え、立ち上がり、権利を主張するのをあきらめ、フォロワーが楽だと考えるからだ。まるで安倍公房の「箱男」の世界だ。人はそれほど強くない。そして大衆の圧力に屈しやすい。とすれば民主主義において立ち上がる者を称えなければ我々は自由を失うだろう。何気ないことだが、民主主義を意識することが大事だろう。

2024年はコロナから本格的に解放され、back to normalがキーワードになりそうだ。