金持ちになる!|バンクーバー在住の人気ブロガー岡本裕明

金持ちになる!|バンクーバー在住の人気ブロガー岡本裕明

 金持ちになりたいと思うのは煩悩なのか、成長の一過程なのか、奥深い議論があるところだ。金持ちになるには自分自身の気持ちの中にある高低差のギャップを埋めようとする努力が結果につながるものだ。一方で最近は金持ちなんて興味ないという人もいる。なぜだろう?そしてお金持ちになる方法も考えてみよう。

バブル経済につながる戦後のモチベーション

 事業者で成功した人には若い頃に苦労したという方も多い。貧乏だったという話や逆境を乗り越えたという話もよく聞く。日本が1980年代にバブルで踊り狂ったその理由の一つは終戦後のゼロからのスタートにある。戦後直後、ほぼ全ての国民は衣食住に困っていた。皆、腹いっぱい食べてよい暮らしをしたいと夢にも出てきた。だから必死で努力し、明日への希望を持って生きていた。

 1960年、時の首相、池田勇人は10年間で国民所得を2倍にすると宣言した。そして10年後の1970年には実に2.3倍にもなったのだ。エコノミックアニマルと言われ、70年代には一億総中流という言葉が生まれたのは多くの国民が極貧生活からわずか25年で「中流」と言われる水準まで上昇した奇跡でもある。全ての人が「努力するものは報われる」と信じ、事実そうなったことで更に強気のムードが醸成され、80年代後半のバブル経済につながっていく。

経済成長のバトンが日本→韓国→中国へ

 バブルに踊るころ、韓国にその経済成長のバトンはとってかわる。同国は朝鮮戦争を経験しており、戦後の疲弊ぶりは日本の比ではなかったが1965年の日韓基本条約で5億ドルの供与を受け、民間分も合わせれば11億ドルにも及ぶ資金援助で同国も二けた成長をする。「日本に追いつけ」を合言葉に中進国の地位を得つつある中、97年の韓国通貨危機で国の存亡にかかわる状態となり、バトンは中国に渡る。

 ご承知の通り、中国も08年のオリンピック、10年の万博を通じて世界の工場として強大な生産力を武器に大躍進を遂げる。この国も国家レベルでの嵩上げが起きたのだ。

今の日本

 経済的に成長し、成功者になるには上によじ登るという上昇志向が絶対不可欠なエキスである。例えば今の日本の若者に金持ちになりたいか、と聞けば「どっちでもいい」と答える人も多いのは金持ちにならなくても今の生活で満足できるからなのだ。スマホゲームが幸せのツールだと勘違いしている。

 日本の小中高生に何になりたいかと聞けばユーチューバーになりたいという。理由は労せずして好きなことをして金持ちになれるからという。しかし現実は甘くない。これで金持ちになるのはほぼ無理だと断言しよう。努力し、お金が勝手に後からついてくるという状態になってこそ本物の金持ちになれるのであって初めから金勘定をしている人にお金は落ちてこない。

戦後最大の金儲けができるチャンス

 ところで冒頭、「ギャップを埋めようとする力」と申し上げた。実は我々には戦後最大の金儲けできるチャンスがあったのだ。それもわずか3カ月ほど前に。一部の人はこのチャンスを利用し、最短であり得ぬほどの富を築いた。それは株式市場である。

 3月20日付の私のブログで株式市場は「こつんときた、マーケットの底は近い」と書いた。コロナ真っ只中で異論続出。しかし、世界的にみてこの日前後を境に株価は本当に急上昇をしたのである。その後、私が何度かまだまだ上に向かうと申し上げたが、異議を唱える声が後を絶たなかった。4割以上の急上昇をしたのは下がり過ぎた株価のギャップを埋める濁流が押し寄せたからである。下がり過ぎたものは上がるし、上がり過ぎたものは下がるという自然の法則を見ていればあとは経験からくる肌感覚はAIをしのぐ判断力すら持つこともある。

 今の日本が国際比較で一目置かれなくなった理由の一つは日本人に上昇志向が欠けてしまったからだろう。挙句の果てに「金持ちは悪だ」「カネなんてなくても幸せだ」という声がまかり通るようになる。

苦境から飛び出す方法は!?

 カナダの人は成功者を見習いたいと思い、インフルエンサーの講演に高いお金をかけて参加する。それは自分をいかに高みに持ち上げるかと期待して講演に行くのだが、自分の能力がいかに低いレベルであったかを知ることにもなるのだ。そのような講演に行くと「勇気づけられた」と前向きの意見をよく聞くがそれは自分自身とのギャップを認識したからに他ならない。

 ではもう一つ、どうやったら今の苦境から飛び出せるだろうか?一つには自己への投資である。せっかく貯めたお金を使うのはもったいないと思うのか、今このお金を使って将来、2倍3倍にするのかである。二つ目にリスクと共存する癖をつけることだろう。日本人はコンサバで完璧主義の人も多い。だが、一定の年齢ならばともかく、若い皆さんはやり直しが利く。とすれば自分に賭けてみるのも一理あるだろう。

 カナダに住む我々はいろいろな人種の中で揉まれているが日本人が経済的に優越だったのはもう30年も前の話であり、世界の中で日本が特別優れていると考えるカナダ人も少なくなった。事実、知っている日本企業の名前を挙げてみて、と言えば5つも出ないかもしれない。それ位普通になり下がったのだ。

 金持ちは金勘定をしない。しかし、他人から見るとその表情や行動ににじみ出るものだ。何かに没頭し、信じ、突き進み、他人を寄せ付けない圧倒的な能力や才能を引き出した時、高みに上がることができる。2020年代は皆さんが主役の時代だ。コロナで世界観が変わったのなら自分も変わってみるチャンスではないだろうか?