トロント国際映画祭との出会い(その2)|トロントと日本を繋ぐ映画倶楽部【第24回】

トロント国際映画祭との出会い(その2)|トロントと日本を繋ぐ映画倶楽部【第24回】

 コロナ禍が続く今年、トロント国際映画祭(TIFF)のために日本から渡航できるのかさっぱりわからないから昔話をしてみようか、ということで、2009年に私が初めてTIFFへ行くことを決めた話の続きです。

 2009年当時、TIFF公式サイトでチケットの販売システムや購入方法を調べて分かったのは、現在と同様にチケットを10枚単位で購入するパッケージ販売や、パッケージで購入した後に各上映回のチケットを選択する仕組みがあることでした。しかし、当時は現在のようにウェブで上映回を選択するのではなく、希望する上映回を記入した用紙をボックスオフィスに持ってこい、という仕組み。郵送も可となっていたものの、上映スケジュールの発表から希望上映回の選択期限まで1週間程度しかなく、日本から国際郵便で送っていたら、たぶん間に合いません。そこでパッケージでの購入は諦め、上映回ごとの個別チケットを購入することにしました。

2009年のTIFFリーフレット。TIFF Bell Lightbox開館の前年のため、今とは住所が異なります。
2009年のTIFFリーフレット。TIFF Bell Lightbox開館の前年のため、今とは住所が異なります。

 上映回ごとに個別に購入するチケットは、パッケージ購入者の希望上映回選択が終わってから販売開始となる日程で、これは現在と変わりません。個別チケットの発売初日にTIFFの販売サイトにアクセスしたところ、ネットワーク回線がビジー状態でまったくつながりませんでした。しばらくたっても一向につながらないので、仕方なくボックスオフィスに国際電話をかけました。つたない英語で希望の上映回を告げると、めぼしいところは売り切れだらけ。かろうじて2つか3つだけ空いていた上映回のチケットを購入しました。しかし、これは後から知ることになるのですが、監督や俳優が舞台挨拶に来るような初回上映は完売しており、登壇者が誰も来ないであろう上映回だったから、チケットが残っていて購入できました。

2009年のTIFFリーフレットより。当時からパッケージ販売のチケットがありました。
2009年のTIFFリーフレットより。当時からパッケージ販売のチケットがありました。

 結局、観たい上映回のチケットが十分に確保できないまま渡航することになったのですが、逆にこれが現地での得難い体験につながることになります。そのお話は、また誌面がなくなったので、「次回に続く」としておきます。
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