サンダンス映画祭とトロント国際映画祭|トロントと日本を繋ぐ映画倶楽部

サンダンス映画祭とトロント国際映画祭|トロントと日本を繋ぐ映画倶楽部

 「Festival of Festivals」として始まったトロント国際映画祭(TIFF)では、世界中の映画祭で上映された話題作がたくさん上映されることを前回ご紹介しました。今回は、その中からサンダンス映画祭を取り上げます。

 サンダンス映画祭は、米国ユタ州で毎年1月に開催される映画祭です。ロバート・レッドフォードが主宰するSundance Instituteが、インディペンデント映画から新たな才能を発掘し続けていて、クエンティン・タランティーノ監督やロバート・ロドリゲス監督もサンダンス映画祭から有名になっています。最近では『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督も、『セッション』がサンダンス映画祭で最初に注目されて有名になりました。

2019年のサンダンス映画祭でグランプリを受賞した『Clemency
2019年のサンダンス映画祭でグランプリを受賞した『Clemency

 そんなサンダンス映画祭の上映作品が、TIFFでも上映されています。特に、サンダンス映画祭でグランプリや監督賞を受賞したような話題作が、TIFFではGALA部門やSpecial Presentations部門(SP部門)で上映されています。例えば、デイミアン・チャゼル監督の『セッション』は、2014年のTIFFではSP部門で上映されました。最近では、2018年のサンダンス映画祭で監督賞を受賞した『The Kindergarten Teacher』や、2019年にグランプリを受賞した『Clemency』が、それぞれTIFFのGALA部門で上映されています。

 サンダンス映画祭で大きな賞を受賞するような作品は、もちろんとても良い映画なのですが、日本で知名度の高い俳優が出演していないからなのか、良作であるにもかかわらず日本未公開だったり、公開されても一部大都市の映画館での上映のみだったりします。『セッション』は都市部のみでの公開でしたし、『The Kindergarten Teacher』や『Clemency』は、まだ日本で公開されていません。このためTIFFでは、日本では見られないかもしれないサンダンス映画祭の話題作を、1月の極寒のユタ州を訪れることなく秋口のさわやかなトロントで観賞できる、という点でも最高です。