賢く貯める・増やす・使う カナダとお金の知恵|特集「お金のこと、ちゃんと考えてる?」

賢く貯める・増やす・使う カナダとお金の知恵|特集「お金のこと、ちゃんと考えてる?」

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「本当に必要なのは何か」を問う

 毎月の支払いで積み重なるのが「携帯」や「クレジットカード」などの料金だ。このように、今まで何も考えずに支払っていた料金が「本当に必要なのか」を見直すことも結果として節約につながるという。「今まで契約していた携帯のデータ量のうち、実際にはどれほど使用しているのか」「家の固定電話はそもそも必要なのか」「自分が必要としているネットの速度は」など、自分の日常生活に関わる様々な「費用」について立ち止まって考えることで、毎月かかっている料金の「無駄」を減らすことにつながるという。また、電気代を節約する一つの手として挙げられるのが、電球をLEDに変更するということ。これだけでも電気代を大幅に安くすることが可能だそうだ。

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アプリでお金を「賢く」使おう

 この時代、ありとあらゆることに関する「アプリ」が生まれている。「予算」を作るためのアプリもその一つだ。「アプリ」を活用することの利点は多い。自身で出費を記録することはもちろんだが、それらをカテゴリ別に分けることで今までの自分の出費の傾向や「癖」も明らかになることもある。また、こうして「可視化」することで今まで見えていなかった部分が見えてくるのも事実だ。

 しかし、アプリの種類も様々。「どこのアプリがいいかわからない」という方におすすめしたいのが、カナダを代表する銀行の数々が提供しているアプリだ。BMO、CIBC、RBC、TDなど、それぞれ提供しているアプリ。有料なのもあれば無料なのもあるため、最初は無料のから試すことをおすすめしたい。

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「プリペイドカード」という新たな選択肢

 「クレジットカード」の怖いことといえば、いくら使用しているかがすぐわからないということだ。請求書が来て初めて「使い過ぎた!」とショックを受ける人も多いのではないか。コロナによって収入が減ったり不安定になりつつある今、思わぬ「使い過ぎ」はどうしても避けたい。そんな時におすすめなのが「プリペイドカード」だ。普段はあまり使い慣れない支払い方法かもしれないが、金銭的な不安が拭えない今だからこそ、おすすめしたい。

 日本の電子マネーのように事前にお金を「チャージ」(プリペイ)して使用するプリペイドカード。そのため、使用する前に自分自身で上限を設定することが可能。毎月や毎週の予算を決め、チャージすることで支払いを滞納する心配もなくなる。

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高利息の「Savings Account」でお金を貯める

 通常の「Savings Account」でも十分低い「利息」。貯金するからには、利息は高いに越したことはない。そこでおすすめしたいのが、「High-Interest Savings Account(HISA)」だ。

 カナダのネット銀行でも提供されているこの口座の種類は日本でいう「定期預金」のようなもので、しばらく使う予定がない預金はHISAのような口座に入れておくことが勧められている。

 また、似たように利息が高いことで知られているのが「Guaranteed Investment Certificate(GIC)」。訳して「保証つき投資証明書」と呼ばれるものだ。カナダならではの投資方法らしく、通常の投資よりリターンは低いものの、その分リスクも低い。そのため、確実に、着実にお金を蓄えることが可能だ。

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銀行による「繰上げ」

 何もせずとも「貯金」が出来る方法として、「ラウンドアップ(Roundup)」が注目されている。方法としては、デビットカードで支払いをした際に、銀行が決済額を「繰上げ」する。そして、「繰上げ」された部分が貯金と化すというシステムだ。

 例えば、$3.60のコーヒーをデビットカードで購入したとする。決済の際、口座には「$4.00」の引き落としと表示され、実際の金額との差額の$0.40が貯蓄に加えられるということだ。

 一回あたりの決済につき貯まる金額は1ドルに満たないが、「塵も積もれば山となる」で、やがて大きな貯蓄額になるに違いない。今までよりも多く払う感覚になるため、自分の消費を見直すチャンスにもなるのではないか。

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課税控除の対象にもなる「RRSP」とは?

 確定申告(Tax Return)をする際に出てくる「Registered Retirement Savings Plan(RRSP)」。名前は聞いたことあるものの、実際は何かよくわからない人も多いのではないか。

 RRSPとは、日本で言う年金積立のようなもので、老後のために早くから自身で貯金を蓄えるシステムのことだ。そのため、課税控除の対象となるRRSP。RRSPに自分の貯金を回すことで、支払う税金も減る。また、退職後の「貯金」も増えるということでいいことだらけだ。

 しかし、このRRSPに毎年回せる金額の上限は決まっているため、カナダ政府のサイトで情報をチェックすることをおすすめする。また、口座を事前に開設する必要もあるので、準備も必要だ。そうした上でRRSPを最大限に活用し、賢く老後に備えたい。

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「ネット銀行」を活用しよう

 多くの銀行では口座を維持するだけで「手数料」が取られる。小額の手数料でもやがて大きな負担になりかねないので、そこでおすすめしたいのが「オンライン銀行」だ。手数料がかからない場合が多いという、カナダのオンライン銀行。普通預金のみの場合、手軽で安価になる。手数料がかからない上、多くのオンライン銀行では預金額に応じて利子も上乗せされるので、少額ではあるが「小遣い稼ぎ」まで出来てしまうかもしれない。

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「詐欺」にご用心!

 コロナによる「お金」の事情が変わりつつある今、それを利用した詐欺も増えているという注意喚起がされている。特に税金や確定申告を語る詐欺が頻発しているのだとか。

 CRAは公式サイトにて「税金や確定申告に関する連絡をショートメールやSNSですることはない」と述べた上で、これらの手段で来る税金などに関する連絡に対しては細心の注意を払うよう呼びかけている。

 また、こうした連絡手段を通して個人情報や口座情報、さらには運転免許や健康保険証などの情報を聞き出すこともないと加えて注意喚起をしている。

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自分の債務に関する権利について知ろう

 多くの人にとって収入が激減した2020年。今まで問題なく支払っていた光熱費の出費でさえ痛いと思う人は少なくない。

 そんな中、多くの銀行や電気及び水道会社などはコロナの影響で経済的に苦しんでいる人たちのために支払いの「猶予」などを設けている。支払いが間に合わなくても、利子や過料を請求しないなどの融通を利かせてくれる企業も多々あるのだそうだ。

 ただ、恩恵をしっかりと受けるためには事前に申告・申請する必要があるため、事前に確認及び申告することは必須。電話すれば対応してくれる場合が多いという。

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税の控除を受けるためには

 コロナの感染拡大を受け、在宅勤務を強いられている人も多いのではないか。そんな中、最大400ドルの控除を受けられる可能性がある。コロナの影響で、少なくとも4週間のうち半分以上が在宅勤務だった場合、この控除の対象になるのだとか。

 Statistics Canadaの調査によると、240万人ものカナダ人がこうした状況に置かれているという。多くの人にとって勤務環境が激変した2020年。必要以上の税金を支払わないためにも、自分が対象となる控除などはしっかりと調べておくことをおすすめしたい。

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