カナダ公衆衛生局トップのテレサ・タム局長、警戒を怠ればパンデミック第2波の可能性があると警告。政府は新型コロナ拡大予測モデルをアップデート。

カナダ公衆衛生局トップのテレサ・タム局長、警戒を怠ればパンデミック第2波の可能性があると警告。政府は新型コロナ拡大予測モデルをアップデート。

カナダ政府は4月28日に国内のウイルス拡大予測モデルのアップデートを発表した。全国で州ごとに経済活動や学校の規制緩和をいつからどのように開始していくかなどの議論が活発だが、新モデルによると以前は新しいウイルス感染件数が3日ごとに倍増していたのに対し現在は16日ごとへと変わっている。

感染レベルでは、2.19人に感染していた速度が、現在1人を若干上回るレベルまで下がっており、目標の1人以下に近づいている。感染数や死者数からこれらの変化・結果は物理的距離の維持や感染接触者追跡など公共衛生対策がウイルスの拡大スピードを遅くするために効果が出たということであるとされる。

国内の死者数のおよそ79%が長期介護施設や老人ホームで起きている

また政府は、改正されたモデルはウイルスが最も影響を受けやすい“Vulnerable”な人口に大きな打撃・被害を与えたことを反映していると述べた。国内の死者数のおよそ79%が長期介護施設や老人ホームで起きているほか、ホームレス用シェルターや刑務所、グループホームといった特に集団で生活を送る環境においてウイルスの拡大阻止が難しいことが証明された。

カナダの公衆衛生局トップであるテレサ・タム局長は第2波に対する警告

政府は、ウイルスに対する高い免疫力が構成されるかワクチンの発明がされ新しいウイルス伝染ウェーブを防ぐことができるようになるまではある程度の衛生対策は保たれなければならないと述べた。

長期的な予測は最初に発表されたモデルと変わらず、感染のコントロールのための規制が急に緩まれば第2波も十分にあり得ることが明らかになっているためである。カナダの公衆衛生局トップであるテレサ・タム局長は国民一人一人が警戒を怠った場合、パンデミックの第2の波が存在する可能性があると警告している。

またCOVID-19に対して十分な免疫力を備えるまで、カナダ国民は1月以前の生活に戻ることはないとも会見で述べている。

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経済活動の開始や規制緩和のカナダ共通フレームワーク

経済活動の開始や規制緩和のガイド・フレームワークは連邦、各州、各自治区が多方面から考慮し共同で決定されていくことが重要だ。そのために政府が発表した前提条件には以下のような内容が含まれている。

  • 医療施設の稼働可能な範囲内で治療を行えることや入院数の安定化など、医療システムが管理できるレベルでの新感染者数の減少
  • 影響を受けやすいグループやコミュニティーへのサポートの明確化と実行
  • 仕事場において新型コロナウイルスのパンデミックを防ぐ対策や規制の策定
  • 不要不急の国内旅行に対する規制や緩和の際にウイルスの伝染の危険性を制限するための計画
  • 国境のオープンは後期段階の検討

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