新型コロナウイルス感染症(COVID-19)街の声と私たちにできること|特集「カナダの光と闇」

今回の新型コロナウイルス拡大により多大な影響を受けているのがレストランや美容院、個人商店などと言ったスモールビジネスだ。前例がないこのような状況の中で、小規模事業者はこの状況をどう見ているのか。トロントを中心に、現地メディアが報じた街の声をいくつか集めてみた。

楽しみにしていたはずの新店舗オープンが…

 ウォータールーでクッキー専門店を経営しているオーナーは、感染拡大前に比べて注文数が大幅に減少したという。つい最近新店舗をオープンしたが、大きな打撃になったに違いない。また、同じようにウォータールーに最近新店舗を構えたアイスクリーム専門店のオーナーによると、開店からわずか二週間後に一時的な閉店を余儀なくされ、自分以外の従業員を全員解雇せざるを得なかったという。

大量買いをしないで、地元の店で買って

 「スーパーで買わずに地元の店で買って」と声を上げているのがパークデールでコンビニエンスストアを営むオーナー。予想とは裏腹に、トイレットペーパーやキッチンペーパーなど、多くの紙製品の在庫がまだあるという。「パニックになる必要はない」とした上で、この状況を利用して値段を上げている業者に対し「価値はどれも同じ、値段を上げるのは間違っている」と警鐘を鳴らした。

中華街の人気店にも大きな打撃

 トロントでも多くの人気店が集結する中華街。ここでも新型コロナウイルス拡大の影響が見られる。人気の点心専門店では、収益が5割から6割も減少。人件費の問題もあり、従業員のおよそ3割が交代で2週間の休みを余儀なくされている。まだレストランが通常営業を許可されていた頃から既に影響は及んでいたそうだ。中でもアジア系以外の客が特に減少したという。

消費者として我々はどのように役に立つことができるのか。

近くの飲食店からデリバリーやテイクアウトを頼む

 自宅で料理するよりは少し高くつくものの、個人営業の飲食店は今とても苦しい時を迎えている。普段外食に行くような飲食店がテイクアウトやデリバリーを提供している場合、最大限に活用して美味しい食事を楽しみつつローカルな事業経営者をサポートしたい。

買い物をする時は大手よりも小さな個人店で

 食料品を買う場所によって地元の小規模事業をサポートすることにもつながる。例えば野菜や果物を買う時は、大手スーパーで買うよりも近所の八百屋で買うことをおすすめする。厳しい状況に置かれた事業者を少しでも助けることになるので、いつもとは少し違う場所で食料品を購入するのはいかが?

配達サービスを活用しよう

 本や服など、様々な店が配送料無料で配達を実施している。街で見る限り閉店しているような店も、オンラインでチェックすると製品を購入することが可能かもしれない。お気に入りの店がある場合、製品を配達してもらえることが可能かチェックしよう。自粛ムードが漂う今こそ、買い物によって個人事業主を支えてあげよう。