カナダのニュース番組でも話題!カップアーティスト Jason Tocewizsさんにインタビュー | カナダでコーヒーを愛しコーヒーと共に生きる人々のストーリー

Jason Tocewizsさん

Instagram: jasontocewicz

昔から絵を描くことが大好きなジェイソンさんは、その才能を活かしてコーヒーのカップにお客さんの似顔絵を描き始め、今では噂が噂を呼びCBCニュースでも取り上げられるほどの有名バリスタである。出来上がったカップを見て喜ぶお客さんたちにはリピーターも多いそう。トロントでおそらく唯一のカップアーティストに直撃インタビュー。

スターバックスに勤め始めてどのくらい経ちますか?

今年で17年になります。いろんなロケーションで勤務してきましたが、現在のロケーション(エグリントンアベニューイースト×ワーデンアベニューイースト)に来てからは約6年ほど経ちます。

お客さんの特徴を一瞬で捉える

どのようにしてカップに絵を描くことを始められたのですか?

昔から絵が好きだったのですが、もともとはお店の中の商品を渡すスペースのあたりに小さく「今日のバリスタ」などと書かれているものが置いてあって、そこに同僚の顔などを風刺画チックに描き始めたのです。カップにお客さんの絵を描き始めたのはその後何年か経ってからだったのですが、お客さんとのコミュニケーションも図れて、何より自分が楽しいと感じています。

ほんのシンプルなスマイリーを描いただけでも、それを受け取ったお客さんは「あなたの絵にとっても励まされたよ」とお礼を言いに戻ってきてくれたりしました。多くのお客さんが僕の絵を気に入ってくれて、ずっと続けていってねと言われるものですから、皆さんの声のおかげでここまで続けてきました。

この似顔絵入りのカップを提供するようになってから、お客さんとの思い出で心に残っているものはありますか?

ある日女性のお客さんがお店にやってきて、僕を見て突然泣き出してしまったことがあったのです。「どうしたんですか?」と話を聞いてみると、実は彼女は1年前にこのお店を訪ねていて、その日は最悪の1日だと落ち込んでいたそうなんです。コーヒーを買ってお店を出た後に、たまたま私がそこに描いていた絵に気が付いたそうで、その時の絵が彼女の1日を全く違うものに変えてくれたんだと、私に泣きながら話してくれました。

私にとって絵を描くことは、自分自身の楽しみでもあり、お客さんに少しでも喜んでもらえたら嬉しいというささやかな気持ちはありましたが、まさかこんな風に言っていただけるとは思ってもみませんでした。

可愛い似顔絵を描いてくれた

インスタグラムには沢山の作品が投稿されていますが、主にどんな絵を描かれていますか?

基本的にはオーダーをとったお客さんの似顔絵をその一瞬で描くのですが、子供が喜ぶアニメのキャラクターを描いたり、カラフルなものを家で作ってここへ持ってくることもありますよ。それを見た人が「そのカップ素敵ですね!」と褒めてくださって、「じゃあプレゼントしますよ」ということもよくあります。

今はそうやって人々の輪がインスタグラムで広がっています。このお店に来たことのある人、そうでない人とも繋がっていますし、ありがたいことに世界中の人からメッセージを受け取っています。日本や中国などいろんな国からの観光客の方など、ブログや人伝いで私の情報を得てここにコーヒーを飲みに来てくれる人もいます。

ジェイソンさんが絵を描き始めたのはいつ頃の話ですか?

子供の頃からずっとですね。5歳で幼稚園にいた頃、先生がみんなを集めてお絵描きの時間を始めたのです。みんな自由に絵を描き始めたのですが、私は何を書けばいいのか全く思いつきませんでした。隣の女の子が何を描いてるのか見ていたら「先生、ジェイソン君が真似してきます」と言われ…子供の世界でよく起こるものですよね(笑)。

そして教室の端っこに行って思いついたのは、ワイリー・コヨーテとロードランナーのアニメのキャラクターでした。描いた絵を見て先生がすごくショックを受けたような顔をしていて、私は怒られているのかと思ったのですが内心では「僕は誰の真似もしていないぞ」という気持ちでいました。家に帰ると母親が先生と電話で話をしていて、どうやら僕はすごく絵が上手だと褒めてくれたようです。

左:昔懐かしの鉄腕アトム 中:お馴染みのキャラクター 右:ポケモンシリーズ

インスタグラムでは日本のアニメのキャラクターの絵もよく投稿されていますが、インスピレーションはどこから得ていますか?

沢山ありますね。私は漫画オタクですし、日本のアニメやスーパーマリオといったゲームも好きです。今は週に二回絵のクラスを取っていて、さらなるスキルアップを目指しています。

今後の目標を教えてください。

最終的には自分の漫画を描いて出版したいですね。既にアイデアは幾つかあるので、生産や販売面をどうするかなど目の前の課題を一つずつクリアしていかなければならないといったところです。もしかしたら1年後には自分の漫画を販売しているかもしれませんね。