【第14回】国際結婚&離婚:弁護士に相談する理由|カナダの国際結婚・エキスパート弁護士に聞く弁護士の選び方

【第14回】国際結婚&離婚:弁護士に相談する理由|カナダの国際結婚・エキスパート弁護士に聞く弁護士の選び方

 結婚や離婚に関する約束事を同意書にする時、夫と妻が別々の弁護士を雇い、それぞれの法的権利について説明を受けることが大切です。弁護士のアドバイスを受けずに同意書に署名することは、自身の権利を放棄することになるばかりか、後に同意書そのものの有効性が問われることになりかねません。

 今回は、同意書を作成する際、弁護士に相談する理由についてお答えします。

当事者だけで同意書を作るのは危険ですか?

 弁護士を介することなく同意書に署名することは、たいへん危険です。

 とはいえ、カナダにおいての同意書の作成は、カナダ生まれの配偶者の主導で進められることもあるでしょう。そんな時には、署名する前に必ず弁護士に相談しましょう。

 弁護士に相談することは、前もって配偶者に伝える必要はありませんし、代理人契約を交わした後は、すべての交渉を代理人に任せることができます。

 依頼人の法的権利を最大限に守ることが代理人の使命です。

夫に弁護士を雇えと言われましたが、ひとりの弁護士ではダメなのですか?

 同意書を作成する時には、それぞれが別の弁護士にアドバイスを求めてください。そうすることで、双方の法的権利が守られたことの証明となるのです。これがインディペンデント・リーガル・アドバイス(ILA)と呼ばれるものです。

 配偶者に弁護士がいる場合、その弁護士は、あなたにも弁護士を雇うよう促すでしょう。後に「同意書の内容をよく理解していなかった」「署名を強制された」などという理由で同意書の合法性を問題視されることを防ぐためです。

では、自分たちで作った同意書をそれぞれが弁護士に見てもらえばよいのですね。

 自分たちが作成した同意書に署名する際、弁護士に立会人になってもらいILAを受けたという証明書を入手する目的で、事務所のドアを叩く人も少なくありません。ILAの重要性が広く知られるようになったからでしょう。

 しかしこのような依頼を受けたとしても、弁護士は依頼人の権利が守られていない同意書の立会人を引き受けることはありません。さらに、ILAを受けたという証明書(ILAサーティフィケート)を発行することもないでしょう。つまりそのような同意書は、やはり法的執行力を欠くことになるのです。

「法的執行力を欠く」とは、具体的にどのようなことなのでしょう。

 例えば、決められた通りに養育費が支払われなくとも、支払いを強制することができません。一方、経済的に自立することに同意されていたとしても、どちらかが経済的困難に陥った場合、法的措置を講じれば、同意した内容は覆されてしまうかもしれません。

 つまり「法的執行力を欠く」同意書では、将来その約束事が守られなかった時、法的な手段に訴えてその内容を実行させる可能性が極めて低いとご理解ください。

弁護士を雇う金銭的余裕がありません。どうしたらよいのでしょう?

 リーガルエイド・オンタリオは、オンタリオ州で法的支援を必要とする低収入の人々の強い味方です。しかし、経験豊富な弁護士は、リーガルエイド案件を引き受けないのが現実です。また日本語での一貫したサポートも期待できません。

 しかし、エキスパート弁護士、ケン・ネイソンズは、条件を満たせば、お支払方法の相談に応じることもあります。

 スペシャリスト認定のエキスパート弁護士とオンタリオ州公認パラリーガルの日本語によるサポートで、後悔しない同意書の作成が可能になるのです。

 国際結婚を始めとする家族の問題は、家族法を専門とする2名のエキスパート認定弁護士と日本人有資格者(オンタリオ州公認パラリーガル)が在籍するネイソンズ・シーゲル弁護士事務所にお任せください。

ケン・ネイソンズ: B.C.L, LL.B, LL.M(Family Law)

 日本人の国際離婚を多く手掛ける。ていねいに話を聞く姿勢は 移住者女性に好評。ネイソンズ・シーガルLLP設立パートナー。趣味はモデルカー収集。

野口洋美: B.A. M.A.

 ヨーク大学で国際離婚とハーグ条約に関する研究に携わる。国際結婚に関する執筆多数。ネイソンズ・シーガルLLP所属。趣味は日本語ドラマ鑑賞。