トロントの本屋さん2024年4月『准教授・高槻彰良の推察』『フェイクを見抜く「危険」情報の読み解き方』『ライアー×ライアー』|特集「芸術に触れる春。嘘も楽しむ四月。」

トロントの本屋さん2024年4月『准教授・高槻彰良の推察』『フェイクを見抜く「危険」情報の読み解き方』『ライアー×ライアー』|特集「芸術に触れる春。嘘も楽しむ四月。」

こんにちは。本誌4月号は「嘘」がテーマとのこと。エイプリルフールの4月1日というと、漫画家集団CLAMPの『XXXHOLiC』のキャラクター、4月1日生まれの四月一日君尋(わたぬき きみひろ)が浮かんできます。CLAMP作品では、普段見ないような名前を持つキャラクターが登場し魅力的なので、何年経っても忘れられません。北米では『カードキャプターさくら』がダントツで人気なので、それ以外のCLAMP作品愛好家に中々お会いできないのが寂しい所です。

澤村御影著『准教授・高槻彰良の推察』シリーズ(既刊10巻、KADOKAWA)

10歳の時に「青い提灯の祭り」に迷い込んでから、人が嘘をつくとその声が歪んで聞こえるようになってしまった深町尚哉は、入学した大学の講義「民俗学」で高槻彰良准教授と出会います。 しかも、彼の声は歪むことなく、スッと耳に入ってくるようです。民俗学が専門の高槻彰良准教授は怪異が大好きで34歳にも関わらず20代前半に見えるイケメンです。そんな彼は、「隣のハナシ」というサイトで都市伝説の例話などを掲載しており、また投稿も受け付けています。そこに奇妙な出来事に遭遇した人から謎を解き明かして欲しいと依頼がくるようです。その調査の助手を務めることになった深町と、12歳のときに神隠しに遭って以来一度見たものは忘れない記憶力を持った高槻コンビが解決する民俗学ミステリとなっています。二人が体験した怪異の謎が解き明かされるのかも気になりますね。

スマホでSNSを開くと出てくる情報、画像や映像をスクロールしていると、衝撃的なもの本当か分からないものも出てきて、真偽を確かめようとネット検索で出てきた結果の信憑性も怪しいような…。AIの技術向上と共に簡単に画像・動画が出来てしまう時代になり、フェイクニュースも複雑化が進んでいるそうです。唐木英明、小島正美著『フェイクを見抜く「危険」情報の読み解き方』(ウェッジ)は、具体的な実例をあげながらフェイク情報への対処法を解説してくれるそうです。 特に専門的で化学知識を必要とする真偽が分かりづらいニュースに重点が置かれているようです。食やワクチン等身近なことに関する所も網羅されているのが嬉しいですね。

金田一蓮十郎著『ライアー×ライアー』(全10巻、講談社)は2021年に実写映画化もされたマンガです。

20歳の高槻湊は、ひょんなことから友達の高校の制服を着て渋谷に遊びに来ると義理の弟・透と遭遇します。とっさに別人の振りをしたけれど、ナンパされ連絡先を渡されてしまいます。親の再婚で義姉弟となった同い年の湊と透ですが、透の女癖の悪さから中学高校と女子と揉め湊は苦労しました。そのため、女子高校生の「みな」の振りをして頃合いを見計いネタ晴らしをして仕返しをしてやろうと思いつきます。ところが、親が厳しくて携帯を持っていないと告げると連絡用に携帯を用意してしまう程に透はみなに本気で好きになってしまったようです。嘘からはじまった二人の関係はどうなるのでしょうか(2010年から連載が開始されたので、出てくる携帯はガラケーです。その当時の高校生の携帯所有率は100%ではないようなので、不可能な嘘ではなさそうです)。

それでは次回また、お会いしましょう。