カナダ滞在中、南米やカリブ海を旅行される方必見!旅行先で気をつけたい病気・症状<基礎知識>

カナダ滞在中、南米やカリブ海を旅行される方必見!旅行先で気をつけたい病気・症状<基礎知識>

南米・カリブ海旅行、予防接種は必要?

カナダ滞在中、日本からではなかなか渡航することのない南米やカリブ海を旅行される方が多くいます。旅行の行程を考えたり、その土地について調べたり、どんな旅になるかとワクワクしますね。しかし、旅行中に病気やケガに見舞われる人もおり、行程の半分をホテルで寝ていたという人も少なくありません。旅行を楽しい思い出にする為にも、十分な準備が必要です。

南米やカリブ海へ渡航される方に推奨されているワクチン

● 破傷風:

子どもの頃に受けている人がほどんどだか、30歳以上の人は免疫が消失している場合が多い為、追加接種が必要。破傷風菌は世界中の土壌中に分布し傷口から感染する為、舗装道路のない森林地帯などを訪れる場合には強く推奨される。

● A型肝炎:

汚染された水により経口にて感染する。若い人は特に抗体保有率が低い為、接種が推奨される。

● 狂犬病:

感染した動物に咬まれたり、唾液のついた爪で引っ掻かれることで、感染の危険がある。狂犬病を発症すると現在の医学では治療法がなく、ほぼ100%が死亡する。

● 黄熱病:

アフリカや南アメリカの一部に生息するある種の蚊によって伝染する急性のウイルス疾患。 一般的にカナダから日本人観光客が訪れるラパス、サンタクルスなどの都市部及びウユニ塩湖周辺は危険地域には指定されていない(2017年3月現在)。2017年2月20日以降の入国者に関して、黄熱病予防接種は「推奨」とされている。詳細はボリビア大使館ホームページを確認。

現地で気をつけたい症状

● 高山病:南米ペルー・ボリビア(クスコ、ウユニ塩湖、ラパスなど)で標高2500メートルを超える土地を訪れる場合

高山病とは、低地から高地に上がった時、低気圧・低酸素に体が順応できないと起こる可能性のある“低酸素症状”(山酔い)のこと。頭痛・食欲がない・吐き気・疲労・脱力・めまい・ふらつき・睡眠障害などの症状が現れる。さらに症状が進むと鎮痛剤で治まらない頭痛・嘔吐・運動失調・無気力・傾眠傾向などの症状を引き起こす。

高山病になるかどうかは、行ってみないと分からない。一番良い解決策は、低い標高に降りてくること。友達と一緒だったり、ツアー旅行で周りの人に迷惑をかけたくないなどの理由から、無理をするのは危険。

● 旅行者下痢:南米、カリブ海各国で衛生状態があまり良くない場所を訪れる場合

生水や飲食物に含まれている細菌やウイルスによる感染症だけでなく、慣れない香辛料や食材の摂取により胃腸障害が出る場合もある。基本的に生ものや水道水は口にしないのが無難。水分補給をこまめにし、ひどい腹痛や高熱、血便などの症状がある場合は、医療機関を受診すべき。

上記の病気・症状以外にも、交通事故や盗難などにも気をつける必要がある。過剰に恐れていては旅行は楽しめないが、羽目を外さないように心を引き締めておこう。

安全な旅行にするために

  • 手洗いはこまめにし、食事の前には必ず石けんと水で手を洗うこと。きれいな水が使えない場合には、手洗い後にアルコールハンドジェルを使用すると良い。
  • 加熱した水もしくはミネラルウォーターを飲む。水道水は飲まないこと。また、水道水から氷が作られることが多いので、飲み物をオーダーするときは氷を入れないようにお願いすると良い。
  • サラダは水道水で洗ってあることが多いので避ける。果物は自分で皮をむいて食べるものを選ぶ。
  • 歯磨きの際もミネラルウォーターでのうがいが理想。またシャワーのしぶきが口に入らないように注意すること。
  • 生ものは避け、加熱されたものを熱いうちに食べる。寿司や刺身などの生ものは、ホテルやレストランでも避ける方が無難。
  • 衛生的に管理の悪い屋台での食事は控える。
  • 蚊に刺されないように虫除けスプレーなどを使う。
  • 野良犬や猫に近づかない。動物をなでたり、舐められたりしないように気をつける。
  • 日焼け止めをしっかり塗る。
  • シートベルトは必ず着用する。過剰に人が乗っているバスには乗らない。夜間の移動は控える。
  • 予防接種を受けた、予防薬を飲んだと過信しないこと。

海外旅行保険について

カナダ滞在中は日本の海外旅行保険に加入している人が多いが、地域限定の特別な保険でない限り、カナダ以外の旅行先でのケガや病気でも保険が適用される場合がほとんど。心配な人は、保険会社・販売代理店などに確認しておこう。海外旅行保険は、ケガや病気だけでなく携帯品の紛失や故障などについてもカバーされるものもあるので安心。

WELLNESS KIZUNAではカナダに滞在する日本人の皆さまが安心して生活できるよう、日本語医療サポートを提供しております。提携先病院Health One Medical Centre (5292 Yonge St, North York)にて、旅行前のカウンセリング、お薬の処方を日本語で行っています(海外旅行保険適用外)。また、体調が優れない、医師を受診したいがどこに行けばよいか分からない、英語が不安という方など、気軽にお問い合わせください。海外旅行保険にご加入の方は保険適用の治療はすべてキャッシュレス。治療費・検査費・薬代・通訳費など一切お金はかかりません。まずはお問合せください。

鶴 慶子さん(RN-日本、RPN-オンタリオ州)

日本で9年看護師経験を積んだ後、渡加。ジョージブラウンカレッジナーシングコースを卒業後、オンタリオ州看護師免許を取得。現在はトロント市内の医療機関で看護師として勤務する傍ら、日系コミュニティー向けの医療サポート会社WELLNESS KIZUNAのクリニカルディレクターとして活躍中。