「いつまでも安全な時は続かない」|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第131回】

日本は梅雨の季節に入りました。梅雨はジメジメして不快な時期ですが、それ以上に最近は大雨で大変な災害につながることも増えました。台風の時期と梅雨が重なることもあり、梅雨の台風は大変大きな水害をもたらします。

今年も、和歌山県、愛知県、静岡県を中心とした地域で、台風の前線の影響で、線状降水帯が発生し、大雨被害が出ました。死亡者、行方不明者も出ており、大きな被害です。車が浸水したり川に流されたり、大雨の被害はいつどこで起きるか予想もつかず、本当に気を付けなければいけません。

和歌山の私の仲間の酒蔵も、今回の大雨で大きな被害を受けました。酒蔵自体は何とか無事だったのですが、ゆず酒をつくるゆず畑が浸水しました。畑や田んぼなど、このような水害にあうと、復旧にはかなりの時間を要し本当に大変なことになっています。

もともと台風などが通過する和歌山県ですから、水害に対する対策もしっかりとしているはずなのですが、それを超えてしまう水害になる事が近年多いようで、今までの想定を一度リセットしないといけないような事態だと思います。私の蔵のある岩手県は台風の直撃などはほぼありませんので、水害に対してもあまり免疫がないように感じています。

しかし、今回のように、台風の直撃ではなく、台風による前線の活発化での大雨はどの地域でもあることで、洪水被害の少ない地域も気を付けなければいけません。岩手県は洪水被害以上に、津波被害の多い場所なので、どうしても津波対策などに力を入れていますが、令和の今の時代はもっと別の形でも気を付けて行かなければいけません。

浸水の被害も大変ですが、雨などでさらに大きな被害が出るのが土砂崩れです。今回も静岡県浜松市で大きな土砂崩れ被害が出ました。土砂崩れに巻き込まれると、ほぼ生存が難しいと言われておりとても悲しいです。東日本大震災の際の津波も、水だけが迫ってくるのではなく、引き波の際に、陸上の土砂などを大量に含んだ泥水にのまれた人も多かったそうです。
水だけでも大変なのに、そこに土砂がはいるともう動けないでしょうし、重量も重く窒息してしまう確率もあがると思います。

今回の大雨被害も大変な状況です。日本各地どこでもこのような被害がこれから梅雨の間、そして秋の台風の時期まで続きますので、最新の注意をはらいそして少しでも危険を感じたらすぐに避難する、が鉄則だと思います。いつまでも安全な時は続きません。くれぐれも災害を意識した生活をしていきましょう。