「外国人観光客などに向けた災害緊急時における発信の仕方」|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第130回】

日本も5月8日からコロナが今までの2類から、普通の病気と同じような扱いになる5類へ移行になりました。海外からの旅行客への水際対策はそれよりも早く、4月末になくなり、ゴールデンウィークは多くの日本人が海外へ旅行に行き、また多くの外国人も日本に旅行に来てくれています。

いよいよ日本も海外の状況からは遅れてはいますが、やっとコロナ前の日常に戻ったと感じる日々です。マスクも自由になりましたが、まだ日本の場合、マスクは同調圧力もあり完全になくなることはないと思っています。

この数か月は、本当に外国人の観光客が増えたように感じます。私の住む岩手でも、盛岡市がニューヨークタイムスで今年訪問するべき都市の第2位に選ばれたこともあり、コロナ前など比較にならないような外国人のお客さんを盛岡市内では見かけます。

しかし、こういった外国人の観光客の皆さんに来ていただくことはとてもありがたいのですが、盛岡市で止まってしまい、東日本大震災を感じることが出来る沿岸にはまだ足が伸びていないようです。せっかく東日本大震災を学べる、感じることができるのに、距離が遠いこともあり現地に行けないのは本当に残念です。多くの外国人観光客の皆さんにも東日本大震災を知ってもらいたいですし、そこから感じてもらいたいことがたくさんあります。

岩手県は四国と同じくらい広い県ですので、日本人でもなかなか県都・盛岡市から沿岸に足を伸ばすのは難しいのに、外国人となるとさらにハードルがあがるのだと実感する日々です。

日本ではここ数年、こういった外国人観光客の方や日本に住む外国人で日本語がそこまで得意ではない方向けに、震災などの大きな災害が起きた場合、避難する方法や話し方を検討してきました。英語で放送できればいいのでしょうが、いざという時に英語放送まで出来るとは思えません。

しかし、日本語の言い方はとても難しい言葉もあります。例えば「火災が発生しました。避難してください」という日本語。日本人なら何となく当たり前にわかりますが、外国人にしてみれば言い回しが難しく、理解できないと思います。これを「火事です。逃げて」と言い換えれば、日本語が苦手な外国人でもわかりやすいです。

こういった努力は被災地でもどんどんしていくべきだと思います。緊急時には絶対に多言語での避難誘導は出来ない事を前提に、どうするかを真剣に考えていく事が大事だと思います。