人生の大事な節目である卒業式、入学式|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第114回】

人生の大事な節目である卒業式、入学式|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第114回】

 2022年もスタートし1ヶ月が過ぎました。東日本大震災から11年目。新型コロナウイルスもオミクロン株の蔓延が世界で広がり、まだ終息には時間がかかりそうな感じです。東日本大震災から11年も経過すると、その当時子供だった人は立派な青年になっています。私の息子も2022年、20歳になります。東日本大震災の時は小学校低学年でした。

 しかし、失った命、時計が止まったままの人、家族も大勢います。東日本大震災が発災した3月11日、岩手県では多くの中学校が卒業式のタイミングでした。3月中旬以降は小学校の卒業式もありましたが、ほとんどが中止になりました。高校の卒業式は3月はじめだったため、高校生は卒業式をほとんど出来ました。大学生も3月20日前後の卒業式のため、卒業式は出来ないところが多かったです。さらに、そこから約一か月後の入学式に関しては小学校から大学まで被災地は出来ないところが多かったです。人生の大事な節目である卒業式、入学式。これが出来なかった時代を今の被災地の若者は持っています。

 そして、約10年後、重ねて新型コロナウイルスの蔓延で、卒業式、入学式、そして成人式が出来ない若者が日本中に溢れました。人生の中で、当たり前にやれることが、当たり前に出来ない経験をしてしまった今の若者。当たり前ほど尊いものは無いということをよく知っている世代なのだと思います。

 今年の岩手県内の大卒の希望就職先は岩手県内が多いようです。地元回帰という現象が今の若者には強く表れているのでしょう。特に岩手の沿岸部の被災地では、地元に戻って貢献したい、という若者が多く、その中でもプロ野球のロッテにドラフト1位でおととし入団した岩手県大船渡出身の佐々木投手は、お父様を震災で亡くしています。彼の活躍は被災地の子供たちに大きな夢と希望を与えています。

 東日本大震災で親を亡くした子供たちの中で、大きな成功を得た一人でもあります。これから10年、おそらく被災地の学生たちは地元貢献の意識を高め、震災の経験を活かした生き方をしていくのでしょう。それは地元に生きる私たちのような世代にとってもすごくうれしい事ですし、その心意気を是非尊重して生かしてあげたいと思います。

 そのためにはコロナを早く人類が克服し、経済活動が活発にならない限り、働く場が東北の被災地には広がりません。一刻も早いコロナの終息を心から願います。それこそが被災地で生きてきた若者のためなのだと思います。

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