被災地の復興の発信|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第111回】

被災地の復興の発信|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第111回】

 この夏開催された東京オリンピック2020。招致をした当時、政府は「東北の復興した姿を世界に発信する」が目的の1つとなっていました。

 しかし、新型コロナウィルスの蔓延により1年延期。東北の復興の発信はその理念を削がれ、新型コロナウィルスに人類が勝った証に、という新たな目的が追加されました。当初は被災地でも多くの競技が行われる予定でした。これも新型コロナウィルスの影響で、基本的には全国的に無観客開催となってしまいました。宮城県だけはサッカーの試合を有観客で開催しましたが、知事には厳しい批判も出ました。

 何が正解かわからないそんな時代。少なくとも東北の被災地は東京オリンピックが決定してから開催までの長い時間、どうすれば被災地の復興を世界に見せることが出来るか、を真剣に考えていました。残念ながら被災地の復興の現状を世界に発信する機会はほとんどなくなってしまいましたが、これは誰が悪い、というわけでは無いと思っています。

 被災地の復興の発信は東京オリンピックでは十分に出来なかったかもしれませんが、やってきた準備は無に帰すことはありません。

 オリンピック、パラリンピックは終わっても、別の機会で準備してきた発信をしていけばいいのですし、新型コロナが収束して、またインバウンドが戻ってきたら、そのタイミングで蓄えてきた発信の力を開放すればいいと思っています。

 世界が東北の復興に目を向ける日が必ず来ます。その時のために、東日本大震災で受けたご恩をお返しし、いただいたご縁やご寄付などでここまで東北は復興したんだ、という姿を是非見せたいと思っています。そして、出来る事なら私たちが経験した悲惨な出来事を、しっかりと検証して、後の世に伝えてくことで、同じような被害を受けないように、日本中、そして世界中の人に震災から学ぶ防災教育を伝えていきたいと思います。

 防災教育はとても大事で、津波だけではなく、今後世界で様々な災害がおこっても、防災教育を受けていれば、当事者となっても生きる力を発揮し、辛い結果になる確率を減らすことが出来ます。「大変だったね」「復興して良かったね」という感想も大事ですが、それ以上にそこから学ぶことを大切にしていきたいと思います。

 また数年先には大阪の万博もあります。その頃には世界からまたたくさんの人が日本に来るでしょう。大阪と仙台、花巻、青森などは空路で結ばれています。また新しいチャンスを待って、東北の復興を発信していきたいと思います。

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