読者旅行記 バンクーバー

今月のレポーター Kentoさん

1 5色のセイルが海を彩るカナダプレイス
1 5色のセイルが海を彩るカナダプレイス

バンクーバー。カナダ連邦ブリティッシュコロンビア州南西部に位置し、その都市圏人口は210万人を誇る。国内ではトロント、モントリオールに次ぐ第3の都市として栄え毎年多くの観光客で賑わいを見せている。

子どもの頃に旅行好きな両親に連れられ、1週間程この地を訪れたことがあった。当時まだ10歳にも満たなかった私であったが、その時に見た美しい光景は今もなお脳裏に焼きついている — そして10年が過ぎた今、自らの意思で踏み出す1歩の重さを踏みしめながら、私は日本を旅立った。

10月5日、バンクーバーに到着した私がまず向かったのはダウンタウン最大の分岐点に位置するウォーターフロント駅である。その名の通り港に面したこの駅からは電車、バスに加え、北と南を繋ぐ水上バスが往き来し、バンクーバーに暮らす人々の生活に一役買っている。海なし県の岐阜から出てきた私にとっては非常に羨ましい環境である。もちろん私はすぐに切符を購入し列に並んだ。扉が開くと同時に特等席を必死に探す大人気ない私の姿を見て、現地の子供達がケラケラ笑いながら席を譲ってくれた。これではどちらが大人か分かったものではない。またこの駅が面するウォーターストリートにはオシャレな店が多く軒を連ね、毎夜多くの人々で賑わっている。私もバンクーバーを去る前日の夜にこの通りを一通り歩いたが、さすが世界有数の観光地と名高いだけあって、その海にそびえる街並みは思わず言葉を失う美しさをごく自然に漂わせていた。

2 都会の喧騒と潮風が漂うバラード St 3 曇天でも絵になるガスタウンの夜景  4 メッセージ性のクセがすごいっ! 5 今もなおバンクーバーを照らすバンクーバー五輪聖火台   6 コールハーバーから覗く夕暮れ
2 都会の喧騒と潮風が漂うバラード St 3 曇天でも絵になるガスタウンの夜景 4 メッセージ性のクセがすごいっ! 5 今もなおバンクーバーを照らすバンクーバー五輪聖火台 6 コールハーバーから覗く夕暮れ

水上バスを存分に堪能した私が次に向かったのはダウンタウンの中心部であるバンクーバーシティセンター駅だ。この駅の周辺には多くの高層ビルが建ち並び、その迫力ある画力は多くの映画やドラマの撮影現場として重宝されている。自称映画好きの私としては是非とも時間をかけて観光したかったのだが、いかんせんその日に終わらせなければならない手続き等に追われ、十分に堪能できなかったのが今でも心残りである。もし訪れる際には是非私の分もゆっくりと楽しんで欲しい。また、この周辺にはパシフィックセンターという巨大なショッピングモールがあり、衣食住全ての要望をここで賄うことができてしまう程品揃えが豊富である。余談ではあるが、私はこのモール内で目的の店を探すのに1時間以上かかってしまい泣きべそをかいた。

計5日程バンクーバーに滞在したが、その移動手段のほとんどがバスであった。これは現在でも感じることだが、この国の市バスの走行スピードはさながら高速を走っているかのような錯覚に陥るほど速い。もし、この国に来て1番のカルチャーショックは何?と問われたなら私の答えは間違いなくこれに尽きる。まず急停車、急発進は当たり前、それに加え、土地勘もなく、まだ耳の慣れない私にとっては車内アナウンスの英語など何の助けにもならない。結局目的地を過ぎた事に気付かず終点までたどり着いた私は1人棒立ちになり、名も知らぬ道路の上でカナダ2度目となる泣きべそをかく事となった。

様々な事が怒涛のように押し寄せたバンクーバーでの5日間。そのどれもが私にとっては新しく、そして刺激的であった。現在トロントにいる私であるが、帰国の際にはもう1度バンクーバーに立ち寄って今度こそロケ地巡りを心ゆくまで敢行したいものである。

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