「採用担当者の本音」カナダの採用担当者はココを見る!海外就職レジュメ 作成講座|教えてPASONAさん!

「採用担当者の本音」カナダの採用担当者はココを見る!海外就職レジュメ 作成講座|教えてPASONAさん!

 先月号では、レジュメ作成のコツについてお話しましたが、具体的にどんな言葉やフレーズを使ってアピールしたら良いか、悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?実は、毎日のように大量のレジュメに目を通している採用担当者には、あまり印象が良くない言葉や聞き飽きているフレーズがあります。

 また、短期間で複数回の転職経験があることで、評価が下がるのではないかと心配される方がいらっしゃいますが、実際に採用担当者はどう感じているのでしょうか?今回は、なかなか直接聞くことができない採用担当者の本音についてご紹介します。

注意すべき言葉とフレーズ

 レジュメの決まり文句や流行りの言葉は、採用担当者を辟易させる可能性があります。少しでも魅力的にみせようと、レジュメに難しい言葉や熱意のこもったフレーズを並べても、逆にネガティブな印象を持たれてしまうかもしれません。では、採用担当者は、具体的にどのような言葉に注意して書類選考をしているのでしょうか?

 カナダの人事コンサルティング会社が、「採用担当者をうんざりさせる言葉」として次の単語やフレーズを発表しました。

‘Familiar with’

 専門分野ではないが経験がある業務や、短期間のみ担当した分野について説明するときに“Familiar with”を使う人が多いと思いますが、近い意味を持つ“Knowledge of”や“Experience with”も含めて、これらのフレーズは漠然とした印象を与えます。こうした曖昧なフレーズは、特定の業務・分野における知識レベルの説明になっていません。採用担当者によっては、“Familiar with”を目にした瞬間にレジュメの山の一番下へ隠してしまう人もいるでしょう。

‘Leverage’ と ‘Utilize’

 求人に応募する人の多くが、ビジネス用語や流行語をレジュメに取り入れることで、より成熟した印象や洗練した印象を与えようとします。しかし、このようなビジネスバズワードを用いると、ビジネスに明るい人だと思われるよりも、むしろ、率直なコミュニケーションが取りづらい人だと思われる可能性があります。“Leverage”も“Utilize”も、意味は”Use”と同じです。

‘Responsibilities include’

 就職活動中の人がやりがちな最も大きなミスの一つは、現在または過去の業務内容を、“Responsibilities include”の後に延々と書き綴ることです。採用担当者は、職務内容を読めば、これまでどのような業務を行ってきたかだいたい把握することができるので、詳細な内訳まで記載する必要はありません。

‘Unique’

 各企業において、それぞれ他社や他の職場にはない特色が少なからずあります。自身を“Unique”と表現することは、自分にニックネームをつけたに過ぎず、採用するに相応しい資質を持った唯一無二の存在だと思われることはないでしょう。

‘Proactive’ と ‘Hardworking’

 これらの言葉は、具体的なエピソードによって証明できない限り、レジュメやカバーレターに書かれていても特別な意味を持ちません。もし、“Proactive”や“Hardworking”であることをアピールしたいのであれば、会社や部署に大きな影響を与えた事例を具体的に記載しましょう。

転職回数が多い人への印象

 一社あたりの在籍期間が短く、転職を繰り返すことを「ジョブホッピング(Job Hopping)」と言いますが、ジョブホッピングは採用担当者にどう捉えられているのでしょうか?

 カナダの大手求人情報サイトが発表した最新の調査によると、カナダの雇用主の73%が、短期間で転職回数が多い人は面接に呼ばないと回答しました。さらに、27%の雇用主は、短期勤務の職歴を持つ人に対して否定的な見方をしていると答えています。

 また、同調査では求職者にもアンケートを実施しており、就職活動中の人のうち20%が、レジュメに記載された転職歴のせいで採用の機会を失っていると感じていることも分かりました。一方で、24%の人がジョブホッピングにネガティブな印象を持つどころか、新しいスキルを学べるチャンスであると回答しています。

 このように、雇用主と求職者の間に意識の違いがありますが、現在の労働市場において、ジョブホッピングは新しい常識となっています。キャリアの中で、ポジションや企業、業界までをも何度も変えることは珍しいことではありません。そのため、雇用者は、求職者が過去に勤めた各社での在籍期間に基づいて採用の合否を判断することが益々難しくなっていくでしょう。一社での在籍期間の長さよりも、個人の持つスキルや適性、文化的な要因等が、実際の仕事における成功の指標になるからです。

 就職活動中の方の中には、転職回数の多さや一社あたりの在籍期間の短さをネックに思っている方もいらっしゃるでしょう。だからと言って、少しでも良い印象を与えようと、レジュメに記載する職歴や在籍期間をごまかしたり、誇張したりしてはいけません。何かを隠そうとしているレジュメは、違和感があるのですぐに見破られます。たとえ運良く書類選考を通過することができたとしても、面接でごまかすのは非常に難しく、良い印象どころか逆に不誠実な印象を与えることになってしまいます。転職回数や在籍期間については事実を正直に記載し、これまでの転職によって培ったスキルと経験をアピールポイントとして自信を持って伝えることが大事です。