「FUJIFILM X-T3」
富士フイルムが独自の色再現技術で卓越した写真画質を可能にしたXシリーズ。新開発の裏面照射型「X-Trans™ CMOS 4」センサーと現行比約3倍の処理速度の高速画像処理エンジン「X-Processor 4」を搭載し、小型軽量ボディでシリーズ史上最高の画質とAF精度を実現したミラーレスデジタルカメラとして人気を誇る。
今回は9月に開催されていたトロント国際映画祭で賑わう街中で写真好きの記者に、スマホでは味わえない「撮る楽しさ」や「性能の豊かさ」を体感してもらった。
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「X-T3」を使って撮った最初の1枚で、絞りやホワイトバランス等をオートモードで撮影した。カメラの起動が早く、大勢の人が会場に集まり映画を待っている様子を素早くファインダーに収めることができた。
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TIFF会場に設置されたブラックボード。来場者の今後の希望や夢がたくさん書き込まれており、読んでいてとても暖かい気持ちになる。斜めから撮影したが、なるべく多くの書き込まれたメッセージにピントを合わせたい。そのためこの写真ではなるべく絞りを絞り、ピントの合う範囲を大きくして撮影してみた。
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「X-T3」の特徴である「フィルムシミュレーション」を活用して撮影をした。色調を変える機能は他のカメラにも存在するが、「X-T3」は15種類も存在しており表現意図などに合わせて豊かな色再現と階調再現を気軽に変更できて撮影を楽しむことができる。モノクロで撮ることによりTIFFが歴史あるものだと表現することができた。
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TIFFのエントランスでは来場者・映画関係者・ボランティアスタッフが絶えず出入りしてとても賑わっていた。何十年もここにたくさんの人が訪れ映画を楽しんできたことが想像できた。
人の往来の激しさを表現するため、シャッタースピードを遅くし人の残像のみを写した。また色調をセピア調にすることで、TIFFが過去から今日まで変わらず賑わっていることを表現してみた。
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トロントのシンボルであるCNタワーとTIFFを関連付けた写真を撮りたい、そう思い撮影した1枚。暗くなってきたため夜景を撮る要領でシャッタースピードを遅め、ISOをやや大きめに設定し撮影を行った。
一般的にISOを大きくすると画質が悪くなる傾向があるが、「X-T3」はISOを大きくしてもあまり画質の劣化が顕著に見られず、夜景も手軽に撮ることができると感じた。
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日が完全に落ち、小雨が降るなかで撮影した一枚。夜景と人々の動きを狙い、シャッタースピードを遅くし、ややISOを高く設定し撮影した。やや強めに雨が降ってきてレンズ表面に水滴がついてしまったが、その時の雰囲気を強調したいと思い、あえて拭かずに撮影を続けた。多少の雨でも撮影にほぼ支障なく撮影を楽しむことができる。
撮影を終えて・・・
「X-T3」はメインカメラとしても問題ないくらい画質や機能面に優れていると感じた。やや慣れは必要だが、シンプルな操作で撮影できるためカメラ初心者でも容易に慣れるだろう。
デザインはレトロで、古いカメラのデザインを好む人には好かれるデザインだと思う。設定ダイアルが視覚的に分かり易く慣れるととても使いやすい。ほかの一眼レフカメラと比べて軽く、小型なこともあり持ち運びも便利だ。
画質は「フィルムシミュレーション」を変えることで様々な色調を気軽に楽しむことができる。
写真・文=嶋ノ内凌
「FUJIFILM X-T3」製品情報
https://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/x/fujifilm_x_t3/