ジョージ・ブラウン・カレッジ 「Culinary City of the World」ニューヨークから真保裕子シェフを招いて日本食調理実演イベント

ジョージ・ブラウン・カレッジ 「Culinary City of the World」ニューヨークから真保裕子シェフを招いて日本食調理実演イベント

トロントにキャンパスを構えるジョージ・ブラウン・カレッジは数多くの専門コースを備えており、その中でもホスピタリティーのコースは有名で学生からも人気がある。同カレッジでは、年に1度「Culinary City of the World」と題して世界各国の食文化・伝統を多様なバックグラウンドを持つ学生や講師、同窓生、メディア等に紹介するイベントを行っており、今年は日本をテーマとして和食が紹介された。6月14日はニューヨークから真保裕子シェフが講師として招かれ、日本食・懐石料理について講義を行ったほか、佐々山拓也・在トロント日本国総領事が招かれ挨拶をした。

真保シェフは、日本文化とともに懐石料理の特徴から茶懐石の歴史を紹介し、その背景にある陰陽五行の思想について料理の実演とともに講演を行なった。

日本国政府としても協力してきた佐々山総領事はイベント後、「日本食文化の発信や理解には、単に日本の食材を使うといったことや技術だけでなく、その背景にある考え方などを通してどのように生活の中に定着させていくかということが大切です。それには人材育成が非常に重要で、今回のようなイベントや取り組みは貴重であり、今後も継続できるよう協力していきたいと思います」と今後もこのような取り組みの継続と連携の大事さについて述べた。

真保シェフはイベント後に日本食そして日本食文化が海外において正しい伝わり方をしていくために必要なことをを聞いたところ、「海外の日本食は他の文化に融合されたものも多々あります。例えば雲丹の上にフォワグラを乗せて提供するなど、これでもか、これでもかと高価格帯を実現するためにやらなくて良いことまでやってしまうケースも見受けられます。そのような形があったとしても日本食の清純さやバランスとといった本当の価値はどのようなものであるか、ということも伝えていかなければいけません」と語ってくれた。

▲実演後に皆さんで集合写真を(左から鈴木副領事、鈴木領事館
公邸シェフ、真保シェフ、佐々山総領事、Jon Klipシェフ

数多くの著書もある真保シェフは、世界各地での調理実習や講演会のほか、日本食や日本文化に興味をもつ人たちと日本を訪問する企画も行っており、今年は九州を訪れる予定だという。日本文化の発信・浸透に日本食・和食といった食コンテンツが多々活用されているが、今回のような取り組みが今後も多くの機会に必要になっていくだろう。