カナダの国産ポテトが余剰在庫問題に直面、合言葉は「Stay home, Eat Potato」

世界規模のパンデミックによる影響は思わぬ場面でも見られている。中でも現在カナダは国産ポテトの多大な余剰在庫問題に直面している。

国産ポテトの消費の4分の3がレストランやファストフード店によるもの

国産ポテトの消費はその4分の3がレストランやファストフード店でのフライドポテトによるもので、新型コロナウイルスの影響からその需要が大幅に減少している。店内での食事が規制され、外食時はテイクアウトかデリバリーのみになったことで出来たてをすぐに食べ始めることができないため、特にフライドポテトを欲しがる消費者が激減しているようだ。

需要が減った結果フライドポテト生産工場はその生産量を減らし、よってポテトが余ってしまうという悪循環が起きている。さらにこれらの中にはフレンチフライを作るためだけ用の特定の種類のポテトがあり、その900トン以上が国内の倉庫で保管されているものの、次の収穫時期の秋まで残っている場合、処分されることになるという。

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同様の問題はベルギーでも

同様の問題がベルギーでも起きており、ポテトの消費のために各家庭で週に2回はフレンチフライを食べるよう勧めているという。カナダの農家はこのような対策はまだ行っていないが、専門家によるともしカナダの各家庭が週2回ポテトを食べたとしてもそれでも十分ではないという。週2回の消費では焼き石に水状態で、ここまで多くの余剰問題を確実に解決するためにはそれ以上の気が遠くなるほどの消費が必要であると述べた。

ポテトチップスにはあまり影響しない

需要の減少と供給の増加によって価格が下がる可能性は見られているが、これはポテトチップスにはあまり影響しないそうだ。というのもポテトチップスの売り上げは去年の今頃と比べ23%上昇した。この背景にはやはり人々の食事スタイルがパンデミックによって変化したことが考えられる。フライドポテトを購入しても出来たてを食べらないのであれば、15分経ってもふやけないポテトチップスの方が現在は需要があるようだ。

本文=TORJA特派員 川田英奈

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