カナダ6月のCOVID-19 ニュースハイライト

カナダ6月のCOVID-19 ニュースハイライト

オンタリオ州 ワクチン接種2回目を前倒し。夏の終わりまでに完了予定

 オンタリオ州は、65%の成人が一回目の接種を完了するという目標が達成され、ワクチン供給が順調に行われているため、当初の4ヶ月の接種間隔を短縮、12歳以上のオンタリオ州のすべての人が8月末までに2回目の接種を受けることができる見通しを立てた。

 現在は、80歳以上の居住者、リスクの高い医療従事者、介護・リタイヤメントホーム従事者、健康状態のリスクが高い人々、先住民コミュニティーなどですでに2回目の接種が開始されており、6月14日の週から70~79歳の居住者の接種予約が開始され、その後、一回目の接種の時期に基づいて、資格が拡大される。

 5月31日以降に1回目の接種を受けた12歳以上の人たちは、8月9日の週に2回目の接種予約が開始される見通しだ。一方でアストラゼネカ製ワクチンの2回目の接種は、「first-in and first-out」法に基づいて12週間の間隔で進行し、5月31日に期限が切れる場合に関して10週間の間隔で進行するという。

オンタリオ州 経済再開に向けた「ROADMAP TO REOPEN」を発表

 州政府は、ワクチン供給の急増と順調な接種率をもとに公衆衛生対策の緩和と経済再開のプランを発表。第一段階に移行するのは6月14日の週とされており、現在は、ゴルフ場やテニスコートなどのスポーツフィールドと最大5人までの屋外での集まりが認められている。スケジュール通りに進めば、8月にはパンデミック前の元の生活にだいぶ戻っていく見通しだ。

■第1段階:「成人の60%が1回目のワクチン接種済み」

・屋外での集まり – 最大10人
・屋外での飲食 – 最大4人
・非生活必需品を販売する小売店 – 最大収容人数の15%

■第2段階:「成人の70%が1回目のワクチン接種済み・成人の20%が2回目のワクチンの接種済み」

・屋外での集まりや屋外スポーツ – 最大25人
・美容室などのパーソナルケアサービスや屋内でのイベント – 最大収容人数の15%

■第3段階:「成人の70~80%が1回目のワクチン接種済み・成人の25%が2回目のワクチンの接種済み」

・飲食店の屋内営業、フィットネスジム、博物館、美術館、図書館、カジノ等の営業許可
・それぞれの収容人数の拡大
・フェイスカバーを外すことも一定の条件のもとで可能

トロント市、夏のイベントを全てキャンセル

 トロント市はイベントを全てキャンセルすることを発表した。代表的なものとして、ジャズフェスティバルやカリビアンパレード、そして夏の終わりを告げる風物詩として知られ多くの人が訪れるCNEなどが含まれている。

ウエスタン大学、キャンパスに居住する学生は少なくとも1回目のワクチン接種義務を要求

 ウエスタン大学は、ワクチンを少なくとも1回は接種していない限り、キャンパスに居住することは認めないと発表した。キャンパス外に住んでいる人は、クラスに出席するためにワクチン接種の証拠を提示することを義務付けられないが、大学側はキャンパスに関係するすべての人ができるだけ早く接種を受けることを強く奨励しているという。キャンパス内のクリニックでは、この夏にもスタッフ、学生、および教職員全員が1回目と2回目の接種にアクセスできるように計画している。

米国との国境封鎖を6月21日まで延長

 昨年3月21日からカナダと米国の国境を封鎖し、必須の往来を除いて旅行者などによる行き来が停止されているが、トルドー首相は、カナダの接種可能な人口の75%が少なくとも1回目のワクチンを接種したことを確認できた時点で国境再開を検討すると述べている。

カナダメディアもオリンピック開催に???

 「GLOBAL NEWS」は東京五輪の開催に関する特集を組み、各識者の声を紹介した。トロント大学で疫学を専門とするコリン・ファーネス教授は、東京五輪は感染を爆発させる可能性があるイベントだと指摘。また、1984年ロサンゼルス五輪のボート競技で銀メダルに輝いたアンジェラ・シュナイダー氏は「何千人もの外国人アスリートが参加するためリスクが高く、日本国民にとってもとてつもない健康リスクだ」と警笛を鳴らした。

カナダ ワクチンを少なくとも1回接種した人の割合は米国を抜く見通し

 当初ワクチン供給の遅れが問題となっていたが、米国での順調なワクチン接種により、カナダへのワクチンの出荷が急増し、カナダでのワクチン接種のスピードが大幅に上がった。これを受け、カナダが1日に接種する回数は、人口100人当たりの7日間平均で米国を上回っており、このまま順当に進めば1回以上接種した人の割合は、米国を超えると見込まれている。