カナダ5月のCOVID-19 ニュースハイライト

カナダ5月のCOVID-19 ニュースハイライト

在宅命令が5月20日まで再延長

 4月16日、オンタリオ州はすでに発令していた在宅命令(Stay–at-Home Order)を2週間延長、期限が5月20日までとなった。あらたに州境での検問強化やゴルフ場などの屋外施設が閉鎖されたほか、屋外での集まりも同世帯メンバーに限られるなど規制が強化された。波紋をよんだ警察官の権限拡大や屋外のプレイグランドの閉鎖などは撤回され、ダグ・フォード州知事は会見で混乱を招いたことを謝罪した。

ブランプトンで13歳の少女が死亡。オンタリオ州に軍が出動。

 検査の陽性率が10%以上続く感染拡大がひどいオンタリオ州に、軍の医療チームが派遣されることになった。ワクチンの供給が増強が予定されているが、ブリティッシュコロンビア州では入院患者数が最多記録、アルバータ州も急増、ノバスコシア州ではロックダウン措置がとられている。4月26日には、トロントの州議会とオタワの連邦議会で、13歳の少女に黙祷が捧げられた。

ようやくインドとパキスタンからのフライトを入国禁止

 カナダの連邦政府が4月22日に一日あたりの感染者数が世界で最もひどいインドとパキスタンからのフライトに対し、30日間の入国禁止を発表した。インドでは2種変異株、3種変異株によって連日一日あたり30万人から35万人程度の感染者が確認され、深刻な事態となっている。インド型変異ウィルスは、すでにカナダでも確認されており、感染拡大が懸念されている。

ワクチン供給が増強

 4月最終週にファイザーとモデルナ、そして初めてジョンソンアンドジョンソンのワクチンがおよそ200万回分が入荷する。トロントのホットスポットでは18歳以上の人はワクチン接種が可能となっており、オンタリオ州では40歳以上の人がアストラゼネカのワクチン接種が開始された。5月の最終週には18歳以上の成人全ての人が接種の予約が可能になる計画だ。

アストラゼネカ製ワクチン、年齢制限を緩和

 稀な血栓の報告により、3月末の時点で55歳未満への接種を中断していたが、その後オンタリオ州で40歳以上への接種が始まり、4月下旬にはカナダの保健当局は30歳以上への接種を許可した。4月の時点で血栓症の事例が数件報告され、ケベック州では初の死亡者もでた。

米国との国境封鎖が延長

 13ヶ月続いている旅行者等に対する国境封鎖が5月21日まで延長された。不要不急の場合を除いては出入国は可能で、空路による入国は政府指定のホテルでの隔離等があるため、厳しい規制を避けるため、自主隔離場所を自分で決めることができる陸路からの入国を目指す抜け道を利用している人が増加しているとのこと。オンタリオ州とケベック州は陸路での国境越えに厳しい措置を講じるように要請している。

CafeTO 準備がはじまる

 トロント街中の歩道などにパティオスペースを設置してアウトドア・ダイニングの活性化を狙ったCafeTOプログラム。昨年のパンデミックから開始され、未だ緊急事態宣言下であるものの、その準備が始まった。在宅命令の期限は5月20日までとなっており、そのタイミングまでに解除されることを多くの人が待ち望んでいる。

日本政府 オンタリオ州を「新型コロナウイルス変異株流行国・地域」に指定

 「新型コロナウイルス変異株流行国・地域」に指定された国からの入国者及び帰国者(日本人を含む)については、検疫所長の指定する場所(検疫所が確保する宿泊施設に限る)で待機、入国後3日目に改めて検査を受けることになる。その上で、陰性と判定された人については、検疫所が確保する宿泊施設を退所し、入国後14日間の残りの期間を、自宅等で待機することになる。日本国外務省は、カナダに対して感染症危険情報レベル3対象国に指定しており、渡航中止勧告を出しているとのこと。

パンデミックに適応した法改正が進む

 医療機関やICU入院患者も増加傾向にあり、病床数が危機的レベルに達してきていることを受け、オンタリオ州は法改正を行い、コロナ以外の入院患者を長期介護施設に移送できるようにした。また、トロント市とピール地区はパブリックヘルスに関連する法令を改定し、全ての職場に対し、直近14日間において5人以上のコロナ感染者が出た場合、少なくとも10日間の職場閉鎖を命じ、そこで働く全員を自主隔離とすることを発表している。