【第24回】国際離婚: 離婚弁護士に相談するには|カナダの国際結婚・エキスパート弁護士に聞く弁護士の選び方

 弁護士のアドバイスは、法的に有効なアグリーメントを作成するために欠かせません。親権やペアレンティングに関する取り決めも、財産分与や養育費などのお金の問題も、当事者だけではなかなか解決できません。ご自身のみならず、お子さんの法的権利を最大限に守るために、弁護士への相談をお勧めします。

 そこで今回は、カナダで弁護士に依頼する方法を日本の場合と比較しながらご紹介しましょう。

初回相談

  弁護士のアドバイスを受けたいとき、必ず面談が必要です。現在は、zoom(オンラインツール)を利用していますので、遠方の方にもご相談いただけます。電話やメールで相談を受けることは法律協会の規定で禁じられています。

 他にも法律協会の規定がいくつかあります。

1.匿名で相談することはできません。運転免許証など写真付きのIDのコピーを添えて、住所、氏名、電話番号を伝えます。
2.相手方が過去のクライアントでないことを確認するため相手方のフルネームが必要です。

 初回相談の目的は、相談者の置かれている状況を伝え、その状況下での相談者の法的権利とそれを守る方法について説明を受けることにあります。
 ネイソンズ・シーゲル法律事務所では、割引価格で初回相談を提供しています。

リテイナー
(依頼同意書)

 初回相談の後代理人を依頼する場合、相談者はリテイナーと呼ばれる依頼書に署名します。この署名をもって、はじめて依頼が成立します。

 リテイナーへの署名と同時にデポジットが必要になります。デポジットは、依頼内容により1000ドルから3000ドル程度で、ここから弁護士費用やその他の経費が賄われます。解約しても戻ってこない日本の着手金とは異なり、デポジットは、契約が解約された場合や早期解決した場合、差額が返却されます。

弁護士費用の内訳
(日本vs.カナダ)

 日本の弁護士費用は、依頼前の相談時の「相談料」、依頼に伴う「着手金」、調停や審判、裁判など出廷ごとに支払う「日当」や「交通費」、調停が審判や裁判に移行する場合に請求される「一時金」、裁判所に支払う費用などの「経費(実費)」があります。解決の後には「解決金」が、さらにの経済的利益(「財産分与」「年金分割」「養育費、婚姻費用」「慰謝料(カナダにはありません)」など)があった場合は、受け取る金額の11~16%が「報酬金」として加算されます。

 カナダの場合、解決のために費やした時間のみが請求されます。

 弁護士やパラリーガルらの有資格者は、その経験値により1時間あたりの費用が定められています。トロントでは、司法試験に合格したばかりの新人弁護士は250ドル~300ドル、経験豊かな弁護士の500ドル~800ドルが一般的な費用です。

 ちなみにネイソンズ・シーゲル法律事務所に在籍する新人弁護士は、法律協会から「エキスパート認定」を与えられた経験25年以上の弁護士から助言を受けられます。

 担当弁護士やアシスタントの1時間当たりの費用は3分刻み(1時あたりの費用の20分の1)で加算されます。その内訳は明細書で依頼人に報告され、依頼時に預けたデポジットから支払われ、デポジットが不足した時点で新たなデポジットを入金することで依頼が保たれます。

 日本人がカナダで離婚する国際離婚の場合、弁護士を介さずに離婚協議を進めることは、大きなリスクを伴います。離婚に関するご相談は、日本語でのサポートが一貫して受けられるネイソンズ・シーゲル法律事務所にお問い合わせください。

 次の手順でリモート相談を行っております。

hnoguchi@nathenssiegel.com (野口)宛に日本語でメール
 ↓ 
おふたりのフルネームと相談内容を明記
 ↓ 
顧客名簿を検索し、お相手が過去に当事務所の顧客でなかったことを確認後、オンライン(zoom)面談の日時決定
 ↓ 
面談の後は、メールなどで日本語での打ち合わせ

ケン・ネイソンズ: B.C.L, LL.B, LL.M(Family Law)

 日本人の国際離婚を多く手掛ける。ていねいに話を聞く姿勢は 移住者女性に好評。ネイソンズ・シーガルLLP設立パートナー。趣味はモデルカー収集。

野口洋美: B.A. M.A.

 ヨーク大学で国際離婚とハーグ条約に関する研究に携わる。国際結婚に関する執筆多数。ネイソンズ・シーガルLLP所属。趣味は日本語ドラマ鑑賞。