【入門編】カナダが人工知能と機械学習の世界的リーダーAIのイノベーションが起こったカナダに世界が注目。そのポイントはこれだ!|特集「AI新天地カナダ 」

【入門編】カナダが人工知能と機械学習の世界的リーダーAIのイノベーションが起こったカナダに世界が注目。そのポイントはこれだ!|特集「AI新天地カナダ 」

覚えておきたいカナディアンAIマフィア

ゴッドファーザー
ジェフリー・ヒントン氏

トロント大学教授でディープラーニングの神とも称される。ヒントン氏率いるのベクター研究所は主にニューラルネットワークとディープラーニングに焦点を当てており、カナダにおけるAI研究の高い地位を確固たるものにし、カナダを世界のAIイノベーションの中心地へと押し上げた。

生みの親
ヨシュア・ベンジオ氏

モントリオール大学で教鞭をとり、モントリオールに本拠を置くAI研究所ミラ(Mila)の創設者。ディープラーニング、人工ニューラルネットワーク、そしてAIの学習アルゴリズムの専門家として世界的に知られている。また、ベンジオ氏はElement.aiというスタートアップ企業を立ち上げ、モントリオールのAI研究者層の強化に貢献している。

強化学習の父
リチャード・サットン氏

アルバータ大学で教鞭をとり、「Temporal Difference Learning」という理論は、機械学習とAIの分野において革新的なアイデアとされ、そのアプローチはゲームプレイや自動運転車など、AIの応用分野で広く利用されている。また、「DeepMind」のアドバイザーでもあり、その業績と貢献により、AIの発展に大きく貢献している。

ヤン・ルカン氏

ニューヨーク大学教授であるとともに、Facebook AI Research(FAIR)の創設者としても知られている。トロント大学の博士課程でヒントン氏の研究室で学んでいた経歴を持つ。現代の深層学習のパイオニアで、特に畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Nueral Network, CNN)についての重要な貢献で広く認知されている。画像認識、音声認識、自然言語処理といったAIアプリケーションの進歩に不可欠であり、現在のAIブームの土台を築いた一人と言える。

ヒントン氏、ベンジオ氏、サットン氏が拠点とするトロント、モントリオール、エドモントンの三都市でスタートアップ企業が多く生まれており、AI 産業クラスターが形成されている

ヒントン氏率いる
ベクター研究所

トロント大学をベースとした非営利組織。ヒントン氏の門下生は、グーグルやマイクロソフト、エヌビディアなどで主要な役職に就いておりカナダ政府のみならず、大企業とのつながりや連携も大きい。ベクター研究所と協業するためには、トロントに研究拠点があることなどが条件となっていることがトロントがスタートアップ都市になっている背景でもある。

ベンジオ氏率いるMILA
モントリオール学習アルゴリズム研究所

世界で最もディープラーニングの学術研究者が集まっている機関として知られフェイスブックなどがパートナーとなっている。

サットン氏率いるAMii
アルバータ・マシン・インテリジェンス研究所

エドモントンを拠点とした「強化学習」分野の研究所。ロボット等への応用が期待される強化学習において注目を集めている。

米国・英国・イスラエルと並びカナダは、スタートアップ・エコシステムの世界のビッグ4

カナダのAIスタートアップ数は1200以上で、2018年から2倍
世界のAI indexランキングでカナダ5位(スタンフォード大学報告)
AI雇用 世界2位
AIスキルの普及率世界4位
AI人材集中 世界10位
AIが学べる教育機関 30以上
AI関連職 1万以上増える見込み

カナダ政府によるイノベーションの奨励と責任あるAI開発支援を行うための取り組み

  • カナダ先端研究機構による学術研究の優秀人材の誘致。
  • 「グローバル・イノベーション・クラスター」事業における国内の中小企業を支援。
  • カナダ発のAIソリューションの開発と商業化の加速。
  • 国立AI研究所におけるAI研究の実用化とその技術を採用する企業をバックアップ
  • 2017年以降、AI研究者のカナダ先端研究機構での採用は100人以上
  • 国立AI研究所では1,500人以上の大学院生やポスドクの育成が進む。

AIを中心に他の理系分野でも優秀な人材が多く、カナダ全土では毎年280万人の理系大学出身者が生まれている

  • 過去10年以内に設立されたテックダートアップに関するランキングで、トロント・ウォータールーは世界17位(5000社以上のテックスタートアップ、30万人の労働者など)
  • オンタリオ州では2020年から2021年でのAI雇用が2倍、平均年収は8万ドルから12万3300ドルを超える。
  • カナダのスタートアップビザ発行数が2021年より2022年は3倍かつ過去最高(BC州1位)
  • カナダ企業37%がAI(チャットGPT)を事業改善に使いたいと検討、35%がAIを使用
  • カナダ全体で90万ほどの企業がある中、9万5000件近い新しい会社が1年に起業されている(従業員ゼロが53%、1~9人が40%。カナダ政府によると、女性が起業したのはうち17%)
  • AIをツールとして信頼できるカナダ人は約40%、社会にとって良いものと考えるのは36%、AIを学校やプライベートで使ったことある人25%