国際結婚 池内友紀さん カナダ在住3年|特集「カナダライフのヒント6人のストーリー」

京都の大学を卒業後、公立中学の理科の先生をされていた池内さん。教諭時代にずっと英語の先生にワーキングホリデーに絶対に行きなさいと背中を押され続け、1年生から3年生の担任を務めたあと退職し、2018年にカナダへ。同年に今の旦那さんに出会い、翌年プロポーズそして結婚に至った中で感じた国際結婚観、そしてカナダらしいカップル・結婚生活の在り方を語ってもらった。

POINT 1.「プロポーズと婚約指輪」

 まず、(国際)結婚といえばプロポーズ!日本のように流れで結婚に…は旦那さん周りではあまり聞いたことがありません!しっかり婚約指輪を用意してプロポーズします。私の場合は、コテージにいったときに夜いきなりプロポーズされました。私はこのまま遠距離恋愛になるのかなと思っていた矢先のことだったので、すぐに“YES!!!”と応えました。

 日本と違って10年近く付き合っているカップルもよくいるカナダでは、将来について計画的であり、住む家のことや子供のこと、お金のことなども考えてから二人のタイミングでプロポーズとなるようです。ちなみに婚約指輪は結婚後もみんなずっとつけています。

POINT 2.「貴重な婚約期間」

 プロポーズを受けて“Yes”と言った日から、二人はフィアンセ(婚約者)の関係です。私もフィアンセと紹介されるようになり、日本では聞き慣れない響きに照れたのを覚えています。ですが、この期間は不思議な感じで、この間に結婚の準備を進めますが、なかには2・3年婚約したままのカップルもいるそうです。

POINT 3.「家族の時間を大切にしている」

 日本と違い、大きな祝日や誕生日、クリスマスなどのイベントの日は家族で過ごします。付き合っていると結婚する前から招待されますし、離れている家族がみんな集って定期的に話をするいい機会です。おかげで相手の家族と話す機会が多いので、自然と仲も深まります。集まった時のディナーはお母さんの手作りなので、家庭の味を知ったりといつも楽しみにしています。

POINT 4.「意思表示はストレートに」

 日本人に限らないと思いますが、日本には「気をつかって」や「我慢して」 自分の意見をはっきりと言わない人が少なからずいると思います。私もそういうが経験があります。しかしカナダの人たちは自分の意見をストレートに話す環境で育っているので、自分の意見は相手にはっきり言わないと伝わりません。嫌なものは嫌、欲しいなら欲しい、迷っているなら本気で迷っていると。そうすると相手もその意見に素直に反応してくれます。

 私の場合も永住権の申請について英語の書類など気を利かして手伝ってくれるかなと思っていたら、全く動いてくれず、最終的にやってほしいことはすべて指示して伝えたくらいです(笑)。カナダ人に対しては友達であったとしても、はっきり言った方が相手も楽なんだということを学び、逆にこの経験から私も成長し、おかげさまで今では気をつかうストレスも減りました。

POINT 5.「愛情表現の多さ!」

 「いってきます」「いってらっしゃい」の代わりに“I love you”、「おやすみ」の 代わりに“I love you”、何かあるたびに“I love you”が止まらないので、いまだに日本の親をみて育った私には多すぎると感じるほど、常に愛情表現をしてくれます。また、友達と遊びに行くときも飲みに行くときもカップルで行動する事が多いので、友達の彼女や奥さんがすぐに自分の友達のように仲良くなります。そしてそんな友人たちの前でも子供の前でも、カップルの仲良さをオープンに見せるのがカナダ人!

 初めは、「わーイチャイチャするな~(笑)」とか思っていましたが、今では人前でもLOVEを表現しあえると自分たちの関係に自信がもてるような、 愛が冷めないような気がしています。

POINT 6.「旦那料理が充実」

 BBQが大好きなカナダ人は、旦那さんが料理してくれることも多いです!早く帰ってきた日は料理をしてくれたり、週末も腕をふるって料理してくれたりと、とっても感謝しています!週末は行きつけのお肉屋さんに男性が並んでいるのをよく見かけます。ただ友人も集まってBBQするときは、どの家庭も高確率でバーガーです。平日までこんなに旦那さんが料理してくれると思っていなかったので、本当にありがたいなと思っています。

POINT 7.「旦那さんのお家時間が長い」

 日本のように、仕事終わりに同僚と飲みに行こう!とはならないのがカナダ。シングルの人はわかりませんが、多くの旦那さんは仕事が終わると直帰。飲みに行くのは帰ってから地元の友達や私を誘ってくれたりもします。

 私が日本から来たせいか、どこに行くにも誘ってくれ、あまり家で旦那さんの帰りを待っているという経験はありません。子供がいるとこうはいかないと思いますが、基本的には家に帰って家族とゆっくり過ごしています。そんなカナダの人たちは時間があるので映画や読書の時間も十分にあって、私の旦那さんもまわりも結構知的だなという印象を受けます。

POINT 8.「二人の価値観」

 全く違う国で育った二人が結婚したにもかかわらず、私たちは全くと言っていいほど喧嘩したことがありません。もちろん2人の性格や相性もあると思います。生活の中でたくさん違った部分があってもお互いやっていけているのは、良い意味で「価値観が違うのは育った環境が違うからあたりまえ」と考えているからだと思います。違ってあたりまえ、むしろ違いを学んで2人の生活を創っていく、ということを素直にゼロからできているように思います。

 また、多文化なトロントでは、さまざまなバックグラウンドをもつ元カレ・元カノがいる人も少なくありません。その経験もあって、旦那さんはむしろ何の違和感もなく違う文化で育った私を受け入れてくれているのだと思います。

 日本人な私は何かあると少し溜め込もうとするのですが、旦那さんはすぐに話そうと機会をつくってくれます。日頃から愛情表現も絶えず、気にしがち、溜め込みがちな日本人の私の心へ踏み込んでくれるからこそ、生活のなかでズレが生まれることなく、価値観の違いも相手の個性としてとらえることで、暮らしを楽しめているように思います。ベースとなる人間性は、国関係なく個人で違うということも今はよくわかりました。お互いに生活の違いを合わせるステップを踏めば、文化や国の違いは二人でなんとでもなると思います。カナダでは特に!

池内 友紀さん
出身地: 姫路

カナダのここが評価できる!

 本当に住みやすい国だと思います。はっきり言って、ストレスを感じることがありません。カントリーサイドはわかりませんが、都市では多文化が共存し、お互いに他の文化を尊重しあっている世界でも有数の国だと思います。子供たちは肌の色もバックグラウンドも関係なく成長しているのも素晴らしいことです。友人の子どもがパーティーをしたときに集まった近所の子供たちは、カナダを思わせる国際色豊かな子供たちが集まっていました。誰しもが「自分」を見せて、周囲もそれを受け入れる、素敵な国です。

お気に入りの場所:

Woodbine Beach
家から歩いて行ける気晴らしの場です。

死ぬまでカナダに住みたい?

Yes。I love this country!

いまのハッピー度


難しいですね、笑(コロナの影響も含めて!)

好きな言葉

天才とは1%のひらめきと99%の努力である(トーマスエジソン)

私の人生こんな風になれば良いな

  しいて言うのであれば、「家」がほしいですね!後はコテージかな笑。カナダは人気がゆえに家賃は高騰するばかりなので、親の助けなど借りずに家を買うのが夢です。