第3回: 銀行との上手な付き合い方②|カナダのお金について「なるほど納得!銀行のいろは」

第3回: 銀行との上手な付き合い方②|カナダのお金について「なるほど納得!銀行のいろは」

 今月は先月に引き続き、銀行との上手な付き合い方についてお話しますが、今月は銀行からのオファーの上手な活用方法に焦点を当てたいと思います。

Pre-approved Offerに注目

 カナダの銀行は、取引内容、規模、与信記録等を総合的に判断したうえで、Pre-approved Offerを個人及び法人のお客様に提供しています。このオファーの最大の特徴は、通常の与信審査を通すことなく、クレジットカードやLine of Credit(極度付短期与信枠)が得られるという点で、通常の審査で求められる様々な書類が省ける他、審査にかかる時間も大幅に削減できます。

よく見られるオファーの種類としては、新規クレジットカード・Line of Creditのオファー、既存クレジットカード・Line of Credit限度額増加オファーがあります。オファーを貰う確率を高めるためには、毎月の支払に延滞がないこと、残高が限度額を超えていないこと、残高が常に限度額に近い値になっていないこと等が大切になってきます。

ほとんどの銀行がオンラインバンキングにオファーの詳細を載せていますので、ご自身のオンラインバンキングにログインして確認してみて下さい。また、銀行からオファーの詳細が郵送で届くこともありますし、電話が来ることもあります。もしくは、支店に行った際に自分に現在どのようなオファーがあるのか行員に聞いてみるのも良いでしょう。

Balance Transferオファーに注目

 クレジットカードのBalance Transferという機能を耳にしたことのある方は少ないかもしれませんが、実はこれは期間限定の非常に良いオファーであり、様々な状況に役に立ちます。Balance Transferの名の通り、当該オファーを貰った銀行以外の銀行が発行したクレジットカードの残高をオファーを貰った銀行で持っているクレジットカードにトランスファーすることがき、この利用目的に限り通常のクレジットカードの金利より遥かに低い優遇金利(0%~3%)が適用され、取引日から通常1年間有効となります。

支出オーバーの月のクレジットカード残高を一括で支払いたくない時に役立ちます。その他の利用方法として、Balance Transferを利用してLine of Creditの既存残高を返済する方法もあります。Line of Creditの金利の仕組みはプライムレート(3.95%)を基準としてその上にプレミアムレートが加算されているので、Balance Transferの金利の方が断然低いということが分かります。

それから、Balance Transferを利用して現金を引き出すこともできます。唯一気を付けるべきことは、Balance Transferと通常決済の併用です。前述の通り、優遇金利はBalance Transfer機能限定のものであって、通常のカード決済の場合は、もちろん規定金利が適用されます。そのため、1つのクレジットカードでBalance Transferと通常決済を併用してしまうと、金利の計算がややこしくなってしまい、お勧めしません。

Mortgage Renewalオファーに注目

 銀行によっては、住宅ローンの金利を更新する際に満期日より最大120日前に更新することができます。住宅ローン金利が頻繁に揺れ動く昨今、事前に低い金利をロックできれば、キャッシュフローの改善も見込めるでしょう。