お金を払って代理申請すること|カナダで永住権! トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報

お金を払って代理申請すること|カナダで永住権! トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報
 政府公認移民コンサルタント、という名称を聞くと、残念ながら良い印象を持たない方もいるという事実を耳にしました。そう思われている理由について聞いた時、分からなくもないな、と思いました。それらは主に「ビザや移民申請は自分で移民局のウェブサイトを読んでできるでしょ」、「人にお金を払ってまでやってもらうことではない」、「どうせ書類集めは私がするのだから」、「申請が承認されると保証もできないのに、どうしてお金を払うの」などでした。

 今までこのことは記事では触れていませんでしたが、今月は思いきって、私自身の職についてお話しようと思います。

きっかけ

 この記事を書こうと思った「きっかけ」がありました。先日若い日本人とカナダ人のカップルからご連絡をいただき、「自分たちで移民申請をしたが、パッケージが一式戻ってきてしまった。また戻されたりしたら困るので、アドバイスを下さい」とのご相談でした。コンサルテーション前にパッケージが戻された理由が書かれた移民局のレターを読ませていただいたのですが、「こんな理由で返却されたのでは、恐らく他にも沢山穴のあるパッケージを送付したのではないか」と瞬時に理解しました。いざお話を伺ってみると、私の予想通り二人のパッケージは不足書類だらけでした。全く自分たちが申請したカテゴリーの申請条件を理解しておらず、政府の書類リストも確認せずに送付したことが明らかに分かる内容でした。

 またパッケージが移民局より差し戻されたことで、日本人の方はカナダでの法的ステータスを失ってしまい、既に違法滞在となっていました。その時点でRestoration申請ができる90日間もとっくに過ぎており、更にパッケージが返却されたことでパニックに陥り、慌てて全く関係のないビザ(過去に罪を犯した方や、難民申請中の方が申請するビザ)を誤って申請していたことも判明しました。

利用する理由

 代理申請をご希望される方の理由は「自分で申請したが失敗した」「仕事が忙しく、自分で調べる時間がない」「調べよう調べようと思って気付いたら既に何年も経っていた。ビザは失効間際」「自分で申請するのは不安。プロに引っ張っていってもらいたい」など様々です。要はお客様自身の知識が曖昧であるためにやはり代行申請を依頼しよう、と考えられてのことではないかと思います。

伝えたいこと

 会計士や移民弁護士に対しては「特定の専門分野において頼れる存在」と世間一般では思われているのに対して、「コンサルタント」に対しては悪い印象を持つ、という方がいるのはなぜかと考えました。恐らくそれは長年資格を持たないゴーストコンサルタントがクライントを騙し、現金収入を得るという悪徳商法が成立してしまい、政府が大々的に「コンサルタントを雇ったからといって、ビザや移民が承認されるわけではない」とウェブサイト等に記述し始めたことが一番の理由ではないかと思います。仕方の無いこととはいえ、とても残念なことです。

 人間ですから、皆さん感じられることや、意見が異なることは当たり前です。ただ政府公認移民コンサルタントを利用することに対するカナダ政府の「忠告」を見ている限り、あまりにも私たち全員が悪者のように書かれているのでは、と感じることがあります。

 TORJAの読者の皆さんに私から、(背筋を伸ばし)声を大にしてお伝えしたいことがあります。必ずしも(資格を有する者が)お客様に誤ったアドバイスをする方々ばかりではなく、難しいケースであればあるほど絡まった糸を少しずつほどき、情熱を持って取り組み、お客様の人生を背負っていることをしっかりと認識し、法律用語ばかりを多用して「あたかも私は知識豊富である」であるということをお客様にをひけらかすのではなく、移民法を知らない方でも理解できる言葉でアドバイスをし、そしてお客様との長い関係を経て遂にケースが成功した時の感動を共に分かち合うなど、まさにこの仕事が「天職」いう言葉がピッタリと当てはまる、そんな政府公認移民コンサルタントもカナダには沢山いる、ということを知って下さい。

 私の周りにも沢山そのような先輩がおり、日々その方々の背中を見て仕事をしています。この事実を一人でも多くの方に知っていただける機会が増えていってくれることを心から願って止みません。