People. 11 阪田尚央さん 前編「僕がワーホリに行った理由」|カナダワーホリを超えて30代になった今

人生のリスタート

 僕がワーホリに行ったのは、23歳の時でした。関西の4年制大学を卒業し、新卒で就職した会社を1年で辞め、その1ヶ月後にトロントへと向かいました。ワーホリに行くことにした理由は、人生をリスタートしたいと思ったから。というのも、僕は大学時代に、自分は結構出来るやつだと思っていた(みなさんもそういう時期ありませんでしたか?笑)のですが、新卒で入った会社で全く通用せず、毎日バチクソに胸ぐらや髪の毛を掴まれて怒られていました。

 当時の自分は「何もできない」事はわかったものの、どうすれば改善できるのか、怒られないようになるのかが全く分からず、一向に巻き返せるイメージが持てなかったため、「一回、自分が何も誰も知らない場所に行って、イチから人生を作り直そう」と考えました。

 そんな中、同僚の一人が「ワーホリという制度があるよ」と教えてくれ、これしかないと思った僕は気づけばワーホリの申請を終え、ビクビクしながらも退職の手続きを済ませ、いつも支えてくれていた大事な人達に見送られながら日本を飛び立ちました。

これだけは心がけていたこと

 「人生をリスタートってそんな大袈裟な」と思うかもしれませんが、当時の自分にとっては一世一代のチャレンジでした。英語は喋れないし、一人暮らしもしたことないし、知り合いも誰一人いない。だからこそこの経験を絶対無駄にしないためにも、これだけは絶対心がけようと思っていたことが一つだけありました。それは「やりたいと思った事は必ずやる」ということ。それまでの自分は口だけの人間で、やりたいことがあっても文頭に必ず「いつかは」がついていて、実際には何も行動できない人間でした。「周りの目・世間体」を気にして、いつもビビってなにも行動ができない人間でした。でもここはトロント、それこそ知り合いもいないので、ここでもし自分がめちゃくちゃヤバイ失敗(もちろん犯罪とかではなく)をして笑われたとしても日本に帰れば関係ないしね、と考え、とにかく何でもやってみる精神で1年を過ごすことに決めました。

 そして、23歳の時(僕がトロントに行く直前)に「いつかは古着屋をやってみたいなあ」と思っていた僕が、その翌年にはちゃっかり古着屋を自分でやることになっていたのです。

 次回は、実際に僕がトロントでやっていた事と、そこから得たことについてお話できればと思います。

阪田 尚央さん

NEW STANDARD株式会社 (旧社名:株式会社TABI LABO)
「BPM」OMO型イベントスペース 事業責任者