People. 10 [前編] アートディレクター/ グラフィックデザイナー 岩本光平さん|カナダワーホリを超えて30代になった今

People. 10 [前編] アートディレクター/ グラフィックデザイナー 岩本光平さん|カナダワーホリを超えて30代になった今

 “Jane×Finch”ここが渡航後初めの1ヶ月間ホームステイした土地。トロントで有名な治安の悪いエリアでした。海外経験の少なかった僕は「これがカナダかぁ」と思いながら学校行きのバスに乗っていたことが懐かしい。

 約2年間の学生ビザとワーホリビザを使いトロントでアートディレクター、グラフィックデザイナーとして活動し、帰国から5年経った現在も、「防衛省」や「東京都」などの官公庁、内外資大手企業の制作物を担当し、企業+個人のパラレルワーカーとして活動しています。 

 大学の4年間、グラフィックデザインを学びデザイナーとして働いていた経緯があったため「ビジュアル表現が出来れば、言葉が下手でも海外で活動できるのでは?」という思いで、海外でクリエイティブな仕事をすることを目的に大学卒業後にカナダへ(しかしそれは安易な考えだったようで…笑)。

現状からより良い方向に導くプロセス

 渡航してからの1年は、新しい環境に慣れようと英語の語学学校に通いました。現地生活の中で、日本で雑誌やWebで見ていた欧米デザインがあふれる街並みを散策する度に、新鮮で楽しかったことを覚えています。当時の僕は本当に英語力が低かったのですが、デザインやクリエイティブに関係のある人とつながりを作ろうと、学校の友達や周りの人に、なぜ僕が「トロントに来たのか」を伝えるようにしていました。目的を主張していると周囲から様々な情報が集まり、救いの手を差し伸べてくれました。

 しかし良い事だけではなく、言葉の壁で詐欺や契約の失敗など何度も心が折れそうに…それでもめげずに行動をしていると次第に輪が広がり、3ヶ月目にはイベントやトロントファッションショーの舞台裏に招いてもらえるようになりました。英語が下手でも自身が「何をしたいか」をしっかり意思表示することで、カナダ生活が充実することを学びました。

 次回は、日本とトロントのデザイン表現の違いなどをお伝えします。後編へ続く。

アートディレクター/グラフィックデザイナー 岩本光平さん
ki design 代表.
Twitter: KOHEI_Designer
instagram: @kohei_iwamoto188