People. 9 [後編] 株式会社アタッチメント 販売部 銀座店店長 松永芳真さん|カナダワーホリを超えて30代になった今

People. 9 [後編] 株式会社アタッチメント 販売部 銀座店店長 松永芳真さん|カナダワーホリを超えて30代になった今

 「うちは根性がない⼦はすぐ辞めていっちゃうから」と⾯接で⾔われた⾔葉がずっと頭の中に残っていた。実際私が働き始めてからの1ヶ⽉の間に、3⼈は逃げてしまうアルバイトがいた記憶がある。

 「1度始めたことは、最低3年は諦めずに続ける」という古いモットーを持っていた私は、「絶対にやめてやるか!」と思い、9ヶ⽉ある残りのワーホリ期間はバイトを続けることを誓った。

 トロントに来てまで根性論突き通してアホか。と今では思う。⾟酸を舐めながら必死で働いていたが、どのようにすればこの忙しさに負けず、業務をうまく回せるのかを考えながら働き始めると仕事がみるみる⾯⽩くなったのである。うまくいく様になると、最初は嫌いだった仕事も職場の⼈もどんどん好きになっていった。ついには仕事に⾏きたいと思えるほどになっていたのである。

 ライフワークの軸である仕事が楽しくなれば、プライベートも充実してくる。⽇本にいる時からやっていたDJも現地のクルーと⼀緒にプレイできる様になったり、同じ趣味を持った職場の上司が現地⼈のコミュニティーに⼊れてくれたり。⾃然と英語を使うことも多くなり、こんな私でも⽇常会話は問題なくできるレベルまでには成⻑することが出来た。トロントから帰国後は韓国とスウェーデンでもDJをすることが出来た。

ワーホリのバイトの職場で出会った⼈⽣史上最⾼の⼥性と結婚し、愛する娘も2歳になり幸せ

 現在は訪日観光客が⾮常に多い「GINZA SIX」のアパレルショップで店⻑を務めつつ、新商品の企画や⾳楽イベントとのコラボレーションアイテムの提案などを⾏なっている。プライベートで続けているDJでは、⾃ら主催するイベントの海外アーティストのブッキング業務から国内アテンドまで英語を活⽤して⾏えるようになった。

 思えば昔は、うまくいかない時は他⼈だったり、環境だったり、全て⾃分以外のもののせいにしていた。だけどそうしている間には、物事はポジティブな⽅向に向かっていなかった。

 ⾃分の中に問題を⾒つけるということではなく、⾃分がどうしたら今をもっと楽しめるかを考え⾏動することに気づいた。これは1年間のワーキングホリデーで最も学んだことだ。

 ちなみに私はその職場で出会った⼈⽣史上最⾼の⼥性と結婚し、愛する娘も現在2歳になり、今幸せな⽣活を送っている。結局⽇本にいても、海外にいてもそれを⾃分の中でかけがいのないものにするのは⾃分次第。と⾃分⾔い聞かせ、これからの⽇々も精進していきたい。