People. 7 Atushi Ishiiさんさん「自分で動いて、人と繋がり、生の情報・経験を得る」|カナダワーホリを超えて30代になった今

 トータル2年弱のトロント生活は、自分の価値観を大きく変え、自らの価値を高めるために大事な時間だったと自信をもって言えます。

 大学で建築を専攻し、新卒で公務員になり、一級建築士を取得して順風満帆な日常を過ごしていた27歳の私は、日本の都市政策(特に外国人との共生)の弱さを感じ、「海外の先進事例を知りたい!」と仕事を辞め、多人種・多民族都市の成功事例と言われるトロントに渡りました。

自分で動いて、人と繋がり、生の情報・経験を得る

 トロントでは本当に様々なことに挑戦しました。今までの経験を総動員し、生きるためにできることはなんでも。語学学校のクラスメイトに日本食のお弁当を販売したり、服作りにテニスコーチ、仲間と事業を作ったりとひたすら手と足を動かし続けていました。

 そんなトロント生活で得た最も大事なことは、間違いなく“人との出会い”です。運もあるかもしれませんが、私が出会った人たちはそれはそれは個性的で、すぐに打ち解け、仲良くなり、仲間を紹介しあいどんどん輪が広がっていきました。繋がれば繋がるだけ価値観が広がり、自分の活動の幅が広がっていくのが心底楽しく、寝る間も惜しんでトロント中を動き回っていました。この“自分で動いて、人と繋がり、生の情報・経験を得る”という行動が、今の仕事に就いて自信と余裕を持って生きている根本にあると思います。

 日本に帰国後、いくつかのボランティア活動を経て、今はグローバルコンサルティングファームのコンサルタントとして、日本の社会インフラ企業を中心にコンサルティングしています。日本を離れると、日本は“いいなぁ”とか“まだまだだなぁ”と思うところが意識できるようになってきます。そして、やっぱり私は日本という国を良くしていきたいと考え、国を支える企業を支援することで、日本で暮らす人の住環境が良くなればいいなと仕事に没頭しています。まだ私の力は小さいものですが、日本でも人との繋がりを大事にして、もっと大きなことができるように動き続けていきたいと思います。