People. 2 月刊誌SAVVY編集室エディター清水さやかさん|カナダワーホリを超えて30代になった今|特集「若者のすべて」

 2011年12月11日、トロント到着。CITYホールを見上げながら、見るものすべてが新鮮なこの町に、馴染んでいく1年後の自分を想像しながら、ワーホリ生活をスタートさせたのを懐かしく思います。帰国して約7年が経ちました。ワーホリ前は高卒契約社員でストリートダンサーだった私が、ワーホリを経て、今では外資系貿易会社の役員をさせていただいております。

この会社の社員は全員ダンサー時代の仲間で、事業の一環として「タソガレコーヒースタンド」というコーヒースタンドを経営しており、コーヒースタンドとして「フジロック」やタイの「Wonder Fruits」というフェスに参加したり、その他にもフェスの企画、運営、またはYouTuberとタイアップの企画でカナダの事を紹介したり、元々遊びに行っていたフェスや海外に、仲間と仕事として行けていることは、ワーホリの経験なしでは想像もできないことでした。

当時を振り返り、一番重要だと感じていることは
「一つだけ誰にも負けない経験をつくる」

 当たり前のことなのですが、これが意外と難しい。私の場合は、英語環境での仕事探しでした。100件を超えるお店に履歴書を配り、面接は2件、採用されたのは1件でした。3日ほどで回ったのですが、体力的にも厳しかったですし、言葉がわからなくて恥ずかしい思いを沢山して何度も心が折れそうになりました。それでも諦めずに努力した結果、採用されたお店は、パズルの最後のピースがはまるぐらい理想の条件のお店というラッキーがついてきました。

 さらにこういった経験をFacebookで投稿していると、カナダで頑張っていることに興味を持った旧友から、帰国したら会おうと声がかかり、結果的にこの友人から今の会社のスタートアップのタイミングで紹介いただきました。

 「一つだけ誰にも負けない経験をつくる」ことは単なるきっかけに過ぎないのかもしれませんが、必死に努力すれば運をも味方にして人生を大きく変えることができると本気で思います。

 カナダでのワーホリは一生に一度です。一つだけでいいと思います。誰にも負けない経験を作ってみてください。その経験があなたの生涯の財産となり、理想の未来へのきっかけになると確信しています。ご縁がありまたこの様な形でカナダに、トロントに関われることを心から嬉しく思います。