「東日本大震災の復興予算を防衛費に流用することに反対」|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第132回】

日本は相変わらずの梅雨模様です。しかし、天気予報では、今年も梅雨明けが早そうだとこのこと。日本独特のジメジメした梅雨から早く抜け出したいです。

日本の通常国会も6月末に閉会しました。国会では、防衛費を増やすことが決まったのですが、その財源として東日本大震災の復興予算を流用する案も出ました。被災地からすると、これはとんでもないことで復興のために用意してもらった予算をいきなりカットされたりしたら、長期計画で復興事業を行っている自治体は大変なことになってしまいます。また、沿岸部の被災地はもう完璧に復興したということはなく、心も物もまだまだ復興途上にあります。

さらに、東日本大震災から年月が経過すればするほど、国が被災地につける予算は減額されるのが当たり前で、それをさらに輪をかけて防衛費に回していくとなると、被災地とすれば見捨てられたと感じる人もいます。

今の日本の現状を考えると、私は防衛費の増額は賛成です。中国が絡む台湾有事の可能性やロシアの戦争など、日本は隣国の状況によって戦いに巻き込まれてしまう可能性もあります。そんな中で自分の身はある程度自分で守るは必須で、そこにお金をかけて力を入れることは大事だと思っています。ただ、財源を今は使わないだろうからと復興予算をまわすことに反対なのです。もちろん、被災地はお金があるから復興が進むというわけではありません。

様々な事情も絡みながら復興は進んでいきます。しかし、お金が無いと前に進めないはその通りです。お金が無ければ、復興途上で止まってしまう事業も出るでしょう。そこまで進めてきて地域の合意を取り、たくさん話し合いながら決めていたことがゼロベースになるのはかなり残念です。

お金が全て、ではありませんが大事だと思います。日本は東日本大震災のような大きな被害を生む事前災害はもちろんですが、この数年の中で雨などによる大きな被害も増えました。仮に復興予算を流用するならば、そういった自然災害でこの先の未来に苦しむ人たちに向けるというのなら反対ではありません。

まだ起きぬ未来の災害に予算はつけられないかもしれませんが、確実に50年前、100年前よりも自然災害がおきる確率はあがっていると感じています。備えを万全にするために使うような予算もこれから考えていくべきでしょう。