第32回 カナダ株の配当ETFを選ぶためのいくつかのポイント|みらいのカナダ株式投資大作戦

第32回 カナダ株の配当ETFを選ぶためのいくつかのポイント|みらいのカナダ株式投資大作戦

こんにちは!みらいあせっとです!今回は、カナダ市場に上場するETFのうち、配当をテーマにしたETFを、その選び方とともに見ていきます。

配当をテーマにしたETFの魅力はなんといっても高い分配金利回り。
といっても、カナダ市場ではiShares S&P/TSX 60 Index ETF(XIU)など、「普通の」ETFでも分配金利回りは2%台後半と高め。配当をテーマにしたETFはそれよりも高めになりやすいのが強みです。

もし、分配金目的で投資してみたい時にはぜひお役に立ててみてくださいね!では一緒にみていきましょう!

具体的にはどんなETFがあるの?

 

まずは具体的なETFの例をいくつか見てみましょう(情報は2023年2月時点)。

BMO Canadian Dividend ETF(ZDV)

は分配金利回り4%前半で、毎月分配のETF。Bank of Nova ScotiaやRoyal Bank of Canadaなど、カナダの金融機関を中心に投資します。投資先の4割が金融セクターです。

iShares S&P/TSX Canadian Dividend Aristocrats Index ETF(CDZ)

は分配金利回り3%後半で、やはり毎月分配のETF。Dividend Aristocratsは「配当貴族」と呼ばれ、少なくとも過去5年以上連続して配当を増やし続けたカナダ企業に投資しています。Enbridgeはカナダでも有名な増配企業で、CDZの投資先にも含まれています。

Vanguard Canadian High Dividend Yield ETF(VDY)

は分配金利回り4%前半で、毎月分配のETF。VDYはカナダ市場で配当を出している企業を、時価総額(≒企業の規模)の大きい順番に選んで投資します。資産の約50%がを金融セクターに投資しています。

ETFにもよりますが、だいたい4%前後の分配金利回りで、毎月分配金を受け取れるものが多そうですね。

配当ETFを選ぶポイント

 

さて、では配当ETFを選ぶポイントを見ていきましょう。

一般的には、「分配金利回り」と「1口当たりの価格」が意識されやすいかと思います。言い換えると、たくさん分配金をもらえて、金額的に安くて買いやすい点です。

しかし、これではETFの特徴(クセ)が見えておらず、下落相場で予想外の損失を被ったりするかもしれません。そこで、分配金利回りや価格以外の点も見ていきましょう、というのがここでのお話です。

注目点の1つに「ETFのセクター比率(業種比率)」があります。

先ほど挙げた3つのETFの例では、ZDVの金融セクター比率は40%超、VDYに至っては50%近いと触れました。このことは特にVDYは金融セクターの値動きに影響を受けやすいことを示します。

金融セクターは、例えば中央銀行の政策や金利動向に影響を受けます。これらは景気とも連動しますから、VDYも景気動向に合わせて値動きしやすい可能性が考えられます。

この特徴はメリットでもありデメリットにもなりえます。もし、あなたがどんな時も穏やかに資産を育てたいと思ったら、もう少し金融セクター比率の少ないETFを選んだほうが良いかもしれません。

また、もう1つのポイントとして、「なぜその銘柄が選ばれたか」を見る方法があります。

例えば、CDZは「過去5年以上連続して配当を増やし続けた」企業が選ばれています。配当を増やし続けられる企業はどんな時も成長し続けられる強い企業とも言えます(2020年のような逆境時も乗り越えたのですから)。

と考えると、CDZはZDYやVDYより魅力的に見えてきませんか?

と、こんな感じで配当ETFの特徴を見ていくと、自分に合った配当ETFが見えてきます。

まとめ

今回は、カナダの配当ETFを選ぶポイントを2つ紹介しました。

なお、今回の方法はアメリカの配当ETFを選ぶ際にも使えます。配当ETFを選ぶ時には、分配金利回りや買いやすさだけでなく、業種の比率や、なぜその銘柄が選ばれたのかもチェックしてみてくださいね!