ニュースの魅力はジャーナリストにあり!

 コロナ禍でテレビやラジオ、新聞、ポッドキャストなどパンデミックを機にニュースに触れることが多くなったのでは!?北米で触れるニュースの魅力は何と言ってもジャーナリストのキャラクターや経歴、パーソナリティーそのものだ。ジャーナリストの横顔を知ることで同じニュースでも今までと違った捉え方ができるかも!?

Rosemary Barton

Photo by CBC
Photo by CBC

CBCの政治記者であり、政治部のトップも務めるローズマリー・バートン氏。最近のニュースで彼女を見る人も多いのではないか。女性として政治部のトップのポジションを獲得するのは彼女が初めてだそう。トルドー首相をはじめ、数多くの政治家にインタビューをした経歴を持つバートン氏。かつて、CBCの番組で司会を務めていた際には賞を受賞した経験もある実力の持ち主だ。

 今回のパンデミックにおいては、毎日行われているトルドー首相の会見を中継の映像と共にスタジオよりレポート。専門家や他の記者とともに、トルドー首相の発言内容やこれからの動向などについて詳しく国民に伝えている。カナダの最高公衆衛生責任者であるテレサ・タン医師との独自インタビューも敢行。カナダの国民的アナウンサーとして「ニューノーマル」がどのような形になるのか、政治と医療の方面から発信し続けている。

Vassy Kapelos

Photo by CBC
Photo by CBC

CBCの記者であり、Power & Politicsの司会を務めるバシー・カペロス氏。彼女の美貌はもちろんだが、政治記者として活躍した経歴もあり、トルドー首相を取材した経験も持つ。カナダ全土において数多くの選挙を取材した経歴もあり、政治系の記者としてはトップクラスだ。

 また、カペロス氏にとって取材の舞台はカナダのみではない。日本を含め、世界各地で取材したこともある敏腕記者でもある。そんな彼女はトロント出身で、母校はウェスタン大学。CBCに勤める以前は、Global Newsの政治記者として活躍した経歴も持つ。

 また、インスタグラムも積極的に活用し、家族と共に過ごす休日などの写真を投稿。最近では、料理をする様子を「料理番組もどき」という名前をつけ毎週日曜日に動画をライブ配信。「ステイホーム」の中でも自身の生活を楽しむ様子を発信し続けている。

Lisa LaFlamme

写真: CTV Newsウェブサイトより
写真: CTV Newsウェブサイトより

 CTVニュースのニュースキャスターであり、「カナダのニュースの顔」としても知られるリサ・ラフラム氏。今回の新型コロナ関連のニュースも多くレポートし、自身の冠番組でもある「CTV National News with Lisa LaFlamme」では、新型コロナの治療に携わる医師や専門家などに独自でインタビューを敢行。過去にはファーウェイの創業者やビル・ゲイツ氏、さらにカナダの首相においてはブライアン・ムルローニー元首相以降全ての首相を取材するなど、彼女の記者としての経歴はとても濃い。

 1989年よりCTVの記者として活躍するリサ・ラフラム氏は、カナダの報道業界において活躍している女性の先駆者としても過言ではない。

 現在は、「COVID-19に関する20の質問」という番組にも出演。同じく出演している医師にコロナウイルス、そして「ニューノーマル」に関する質問を投げかける。「自主隔離とは?」「若い人が両親や親戚を守るためにできることとは?」など、多くの視聴者も持っているだろう質問を投げかけているのが印象的だ。

Sean Rameswaram

Photo by Internet Week New York
Photo by Internet Week New York

Voxにて毎日配信されているポッドキャスト「Today, Explained」のパーソナリティを務める、ショーン・ラメスワラム氏。日々のニュースにて扱われている議題を、専門家を交え、わかりやすく解説・議論するのが特徴のポッドキャストだ。

 以前、CBCにてラジオ・パーソナリティを務めていたこともあるラメスワラム氏は、トロントで生まれ育つ。現在はワシントンDCに在住。NY Timesのインタビューでは、窮屈ながらも自宅のクローゼットの中に作られた簡易スタジオの中で録音している様子の写真が掲載されている。

 「コロナウイルスの感染が拡大して以来、リスナーの皆さんから毎日、質問が送られてきている。ポッドキャストに対する反響もこれまでにはないほど大きいもので、リスナーのために存在しなければいけないという責任感を感じている」と述べていた。

Daniel Dale

写真: CNNウェブサイトより
写真: CNNウェブサイトより

 CNNで記者を務めるダニエル・デール氏。トランプ大統領の言動に対するファクトチェック(事実確認)を行う記者だ。そんなデール氏は、CNNで勤務する以前はトロント・スターのワシントン支局でトランプ大統領のファクトチェックを行なっていた。

 オンタリオ州のソーンヒル出身で、ヨーク大学のシューリック・ビジネススクールを卒業。コロナウイルスの感染拡大後も、Twitterに自身のアカウントから毎週トランプ大統領のファクトチェックを投稿している。5月からは毎週、トランプ大統領の言動に対するファクトチェック・ビデオを自宅より投稿。その傍ら、Twitterにて自身が飼っている犬の様子を毎日投稿するなどほっこりする一面も見られる。

Mercedes Stephenson

Photo by Global News
Photo by Global News

Global Newsのオタワ支局長を務めるメルセデス・スティーブンソン氏。毎週日曜日に放送されているニュース番組、「The West Block」の司会を務める。その週に取り上げられていたニュースについて専門家や政治家などを交えながら解説する番組だ。カルガリー出身のスティーブンソン氏。緊急事態宣言が発令された直後の3月末には、オタワの自宅からリモートでニュースを伝える様子も見られた。番組には自身のiPhoneを使用しながらテレビ電話で参加。途中、映像が途切れながらも「私たちは今までとは違う全く新しい「世界」にいて、その中でどのように暮らし続けるかを模索している最中だ」と、コロナウイルスが拡大し始めた頃に既に「ニューノーマル」について言及していたのが印象的だ。

Ify Chiwetelu

Photo by CBC
Photo by CBC

CBC Radioにて毎週土曜日放送されている「Now or Never」のパーソナリティを務めるイフィ・チウェテル氏。ナイジェリアで生まれ、カルガリーで育つ。

 4月に投稿した記事では、自身の体験を交えながら自粛期間について言及。「私の『やることリスト』は縮んでいくばかり」と述べ、「最初はオンライン授業やランニング、毎日シャワーを浴びることが目標だったけど、今となってはシリアルだけの『食事』を毎回流しの上で食べているような状態」と自虐的なユーモアを用いながら自身の「ニューノーマル」について語った。また、「何もしない日があってもいい」という重要なことを学んだ、と「ニューノーマル」に調整する難しさ、そしてそれに共感する言葉を添えた。自身がパーソナリティを務めるポッドキャストでは、コロナ禍の中で「どのように出会いを探すのか」「パンデミックがもたらす食事の変化」など、身近なテーマを用いながら、このパンデミックが私たちの生活に及ぼしている影響について話している。

Tracy Moore

写真: Citylineウェブサイトより
写真: Citylineウェブサイトより

 トレイシー・ムーア氏は、Citytvのトークショー「Cityline」の司会を務めるテレビ・ジャーナリスト。「Breakfast Television Toronto」にてアナウンサーも務めた経験もある。リッチモンドヒルで育つ。現在、ツイッターとインスタグラムでは共に12万人ずつのフォロワーを持つ、インフルエンサーだ。

 インスタグラムには家族で散歩やピクニックを楽しむ様子、家から番組を撮影している様子、医療従事者への感謝を示す言葉など積極的に投稿。

 また、黒人の著名人として、最近では「Black Lives Matter」や人種差別に関する情報も多く発信。Breakfast Television Torontoでもこの問題に対する呼びかけを行なっている。この呼びかけもまた、家からリモートで行なったムーア氏。フィジカル・ディスタンシングを守りながら、活動を続けている。

Piya Chattopadhyay

Photo by CBC
Photo by CBC

CBCラジオの番組「Out in the Open」をはじめとする複数の番組でパーソナリティを務めるピヤ・チャットパディアイ氏。家族はインドのコルカタからカナダへ移住し、彼女自身はサスカトゥーン出身。

 自身がパーソナリティを務めるラジオ番組では、コロナウイルスの感染拡大がどのように世界のビジネスへ影響を及ぼしているかを紹介。例えば、ある番組ではオランダのチューリップ事業者が「市場は崩壊した」と話し、その厳しい現状を語っていた。

 また、モントリオールの医学生が医療従事者に食事を提供する取り組みに向けて資金を集めた運動を紹介。このように、人気ラジオパーソナリティとしてコロナ禍の影響や、その中で生まれている取り組みなどを紹介し続けている。

Melanie Ng

写真: Citylineウェブサイトより
写真: Citylineウェブサイトより

 「Breakfast Television Toronto」の司会と「CityNews」のアナウンサーを務めるメラニー・ン氏。オンタリオ州オークビル出身。ウィルフレッド・ローリエ大学を卒業している。

 司会を務める「Breakfast Television Toronto」では番組の企画の一環として自身の自粛生活の一部を紹介。自宅の様子を撮影しながら、子育てについて話した。

 また、テレビと同時にラジオでも活躍するン氏。「Moms in the Middle」というポッドキャストの司会の一人も務める。この番組では、「母親」という視点から様々なテーマについて語る。

 5月初旬に始まり、自宅で録音されている第4シーズンでは、コロナ禍の中で考える「お金」や「子供の世話」などを取り上げている。番組の最中に自身の子供が立てている物音が聞こえるなど、「仕事」と「子育て」の両立をまさに体現している。