15年ぶりに訪れたハワイで、多くのハネムーンナーに出会いました。挙式もハワイで、というカップルも少なくないようで、滞在中毎日、ウェディングドレス姿や挙式グループをあちこちで見かけたのです。
花嫁姿を見て新婚さんと判断するのは当然としても、ホノルルの街を肩寄せて歩く二人を新婚であると思った理由は、二人が身につけるペアルックのせいでした。
お揃いを身につけているからといって新婚カップルとは限らないのでしょうが、ハワイ、ジューンブライド、ハネムーンという3つのキーワードから、私は、ペアルック=新婚さんだと判断したのです。そこで今回は、ペアルックの心理について考えてみましょう。
ペアルックと女性心理
カップルがお揃いを身につける理由を20代の日本人女性にたずねてみました。まず彼氏が出来たばかりの学生さんです。
「ペアルックなんてまだまだです。でもお揃いのグッズを持ってると、一緒にいられない時も彼のことを思い出して安心できますね」
まだまだ、ってことは、ペアルックに憧れてる?
「もちろんです。ペアルックって彼女として認められるってことなんで…」
ペアルックにたどり着くには二人の関係を深めることが必要だということなのでしょうか。そこで今度は、おつきあい半年という女性にお話を伺いました。
「彼にお揃いのキーチェーンをプレゼントしました。お揃いを持っているカップルは長続きするって言いますしね。半年も続いているのはそのおかげかもしれないって思っています」
ペアルックってどう思いますか?
「洋服はちょっと恥ずかしいですね。でもふたりの愛情を確かめて次のステップにいけるかもしれないですね」
次のステップってなんでしょう?
「コミットメントっていうか。一体感っていうか。例えば婚約してるとかなら、堂々とペアルックするかも…」
次のステップとは、婚約を指すようですね。とすれば、私がお揃いの服を身につけているカップルを新婚さんだと直感したのは、このコミットメント・レベルのせいなのかもしれませんね。
ペアルックと男性心理
ここで男性の意見も紹介しておきましょう。30代の独身者です。
「個人的には絶対嫌ですね。ペアルックって『この女は俺のものだ』って独占欲の現れでしょう?それに可能性を潰しちゃいますよね。『僕この子に決めてます』みたいな」
ということは、決めたい女性が現れたらお揃いもありだと?
「うんと好きな彼女がいれば、ありかもしれません。全身ペアとかでなければむしろ誇らしいかなって男心はわかります。『こんないい女を射止めたんだぞ、他の男の出る幕はないぞ』的な男の気持ちはわかんないでもないですね」
愛情を確かめる、一体感、コミットメント、婚約、独占、射止める、などは、どれもペアルックから新婚旅行を連想した私の思考回路と一致しますね。
どうやら、新婚カップルがお揃い柄のアロハシャッツとムームーでホノルルの街を歩くのは、普段ならちょっと気恥ずかしいペアルックもハワイの新婚旅行でなら思い出になるし、街行く人も皆祝福してくれる寿ルックとして定着しているようです。
ペアルックの心理学:コンフォーミティとマーキング
お揃いを身につけることで一体感が生まれ、他と区別することには、それぞれコンフォーミティ、マーキングという心理学用語が存在します。例えば制服。仲間意識を高め、それぞれが身につけている身なりにふさわしい言動をするよう心がけるという効果もあります。
しかし、カップルのペアルックには、互いに対する愛情を深め、独占欲を満たすというさらに大きな心理的効果が期待されます。だからこそ、そのあまりにも「ベタ」なコンセプトが、気はずかしさ、照れくささにつながるのでしょう。しかしあえてお揃いを身に付ける事で互いに対する責任感(=コミットメント)を確認する行為は、結婚指輪と同様の意味を持つのかもしれませんね。
ちょっとハードルの高いペアルック、挑戦してみる価値はありそうですね。