【第3回】カナダで結婚するということ|私、国際結婚します!! でもちょっとその前に知っておきたいお話

【第3回】カナダで結婚するということ|私、国際結婚します!! でもちょっとその前に知っておきたいお話

カナダ人男性との国際結婚を夢見る女子大生、出会いを求めるワーキングホリデー、帰国直前に彼氏からプロポーズ…国際結婚を考える女性のために、今回は、トロントでの結婚についてお話することにしましょう。

まず、オンタリオで結婚するには、マリッジ・ライセンスが必要です。これは、免許証、パスポートなどの身分証明書二通と申請書を地方自治体(市役所など)の担当窓口に提出することで簡単に入手できます。申請料は自治体によって異なりますが、トロント市の場合、140ドルです。

離婚経験者は、マリッジ・ライセンスの申請の際、離婚証明書を提出する必要があります。もし離婚が日本で成立したものなら、離婚(除籍)が明記された戸籍謄本を公式英訳し、マリッジ・ライセンスと共にサービスオンタリオに提出しましょう。カナダと日本の結婚の最大の類似点は、重婚が許されないことかもしれませんね。マリッジ・ライセンスの取得から90日以内に結婚しなければ、この結婚許可証は無効となります。

さて、オンタリオで結婚する方法は、二種類あります。まず、マリッジ・オフィシエントと呼ばれる有資格者の前で、婚姻書類に署名する方法です。教会でのウェディングがその一例ですが、マリッジ・オフィシエントには、宗教色のないセレモニーを行う人もたくさんいます。

もう一つ、市役所のオフィシエントの前で署名するというシンプルな方法もあります。この、一般にシティホール挙式と称されるセレモニーの費用は 117・10ドル(HST込)です。婚姻書類には、証人二人の署名も必要になりますが、これは日本の婚姻届と同じですね。署名した書類がオフィシエントによってオンタリオ政府に登録されることで、婚姻が成立します。

婚姻書類が登録されたら、マリッジ・サティフィケート(婚姻証明書)を申請しましょう。婚姻証明書は、相続や離婚などに必要になってくる場合がありますので、忘れないうちに申請して大切に保管しておきましょう。また、カナダでの結婚を日本の戸籍に反映させたければ、このマリッジ・サティフィケートを日本語に翻訳し、総領事館に婚姻届を出しておきましょう。届け出は、婚姻後6ヶ月以内に限ります。

以上が、カナダの法的な「結婚」についての説明ですが、かなりめんどくさいですよね。コモンローと呼ばれる同居カップルが多いのは、このせいかもしれません。しかし、実は、正式な結婚をしないことは「男性にとって都合がよい」ことが多いのです。法的に結婚していない妻が、離別することになった時の待遇は、法的な妻のそれに比べたいへん不利なのです。

もし、法的に結婚していない夫婦が、同居開始から三年未満で別れることになった場合、収入のない(内縁の)妻は、金銭面でたいへん厳しい立場に立たされてしまうことになりかねません。

日本でも「入籍だけ済ませておく」というカップルはたくさんいますよね。同居するのであれば、マリッジ・サティフィケートを手に入れておきましょう。本当に結婚したくないのであれば、話は別ですが…。

一方、恋人と一緒にいたいので、在住資格を取るため結婚を急ぐことにも問題があります。相手を見極める時間も心理的な余裕もなく、「とにかく結婚してしまえば、とりあえず一緒にいられる」という短絡を後悔する例を私はいくつも見てきました。ワーキングホリデー中に見つけた彼氏と国際結婚を考えるなら、しばらく遠距離恋愛をしてみるというオプションも検討する価値が十分ありますね。

もう一つ、カナダで結婚することを決めたら、是非検討してもらいたいものにマリッジ・コントラクトがあります。 マリッジ・コントラクトとは、「二人が別れることになった場合の金額問題の解決法を決める契約書」です。結婚前に離婚対策をするなんて、まして契約だなんて、「興醒め」以外の何ものでもない!とお思いでしょう。同感です。しかし、マリッジ・コントラクトの重要性は、離婚を経験した人なら皆肝に銘じているはずです。そこで次回は、このマリッジ・コントラクトについてお話しすることにしましょうね。

出典: オンタリオ政府、トロント市、在トロント総領事館