Express Entry 歴代最低点|カナダで永住権! トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報

Express Entry 歴代最低点|カナダで永住権! トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報

 2021年2 月13日に「まさか」と目を疑うことが起きました。IRCCがExpress Entryの選考において、歴代最低点の75点という点数で27,332人にInvitation to Apply(ITA)を発行したのです。2015年1月にExpress Entryが導入されて以来このような点数は見たことがなく、一瞬私でも目を疑いました。「政府が475点と打ち間違えたのではないか」と思ったほどです。今月はこの大きな出来事についてお話します。

75点という点がどれ程珍しいことであるか

 近年、Express Entryの選考点は約460点から475点の間を行ったり来たりしていました。年に1回から2回の割合で約450点から435点まで下がることはあるものの、確実にITAを受領するためには460点以上であることが理想でした。ITA発行数においては、各選考において3,000人から5,000人程度でした。いかに2021年2月13日の選考で最低点が75点、ITA発行数が27,332人であったことが珍しいことであるかということがお分かりになると思います。

2月13日の選考で注意すべき点

 Express EntryにおいてProfileを登録しITAをIRCCより受領するためには、下記3つのプログラムのうち、いずれかの申請条件を満たしている必要があります。

  • Federal Skilled Worker Program
  • Federal Skilled Trades Program
  • Canadian Experience Class

 2021年2月13日の選考は、Canadian Experience Class(CEC)対象者のみ、ITAが発行されました。従ってその他2つのカテゴリーのうちいずれかを満たしており、Express Entryの点数が75点だとしても、CECの申請条件を満たしていなければ残念ながらITAは受領できなかったということになります。

なぜこのような点でIRCCが選考を行ったのか

 COVID-19の影響により、移民申請の審査状況にも多大なる影響を及ぼしたことで、2020年にカナダ政府が受け入れた移民者総数は大幅に減少したと言われています。カナダという国はご存知の通り移民の国であり、移民者がカナダの経済を支えています。トルドー首相は度々「Pandemic収束後にカナダの経済を回復させるためには、スキルを要する移民者がどれ程必要であるか」ということを公に強調してきました。Pandemicはまだまだ収束したと言うには程遠い状況であれど、2020年において減少した移民者総数を取り返し、早期経済回復に努めるべく、2021年はSlow downせずにAggressiveに受け入れていくとも語っていました。

 IRCCは2021年から2023年までの移民者受け入れプランを既に発表済みです。その中でも、2021年においては合計401,000人の移民を受け入れると発表しています。そのうち232,500人は個人移民申請枠を通して移民を受け入れ、特にその中でもExpress Entryを通して108,00人は受け入れる予定であると発表していましたので、具体的にどのような政策をもって受け入れ人数を増加していくのかということが注目されていました。今回IRCCが75点という点数で選考を行ったということについては、カナダ政府が「移民者を必要としており、今後もカナダ経済回復のために移民者の受け入れ人数を積極的に増やしていく」ことを明白に示した形となります。

今後の推測

 今後Express Entryの選考点数がどのように推移していくか、ということはIRCCで就労する内部の者以外、誰にも知る術がありません。ただ昨年よりIRCCの大臣は繰り返し「カナダにて就学・就労し貢献している者に対しては、移民申請までスムーズに行えるような道筋を作るよう努力している」と述べています。そして今回の75点という選考についても、インタビューにおいて「これらの人々は既にカナダでの基盤を築いており、カナダが必要としているスキルを持ち合わせており、更にそれをカナダに貢献する準備ができている。彼らのように一生懸命カナダで日々就労している人々は、我が国の経済における重要な役割を担っており、カナダという国を発展させるために不可欠な人たちである」とも述べています。

 これらの発言を分析すると、カナダにおいて就労・就学をした人たちが対象となるCECカテゴリーでの選考の緩和が続くものと見られます。従って「CECの申請条件を満たしている方」で、「今まではExpress Entryの点数が低くてITA受領が難しい」と考えられていた方は、この機会にProfileを登録することをお勧め致します。尚、Express EntryはProfile登録内容における本当に小さな間違いなどでも最終的にPRが却下されてしまうシステムですので、移民弁護士や政府公認移民コンサルタントの助けを仰ぐことも強くお勧め致します。