速報: カナダ移民局、現Post-graduation Work Permit (“PGWP”) 保持者・過去にPGWPを保持していた人に対し、新たにOpen Work Permitを18ヶ月間分の申請を認める

速報: カナダ移民局、現Post-graduation Work Permit (“PGWP”) 保持者・過去にPGWPを保持していた人に対し、新たにOpen Work Permitを18ヶ月間分の申請を認める

【重要ニュース】2021年1月8日、IRCCがカナダに留学している方々にとって重要な発表を行いました。COVID-19の影響を考慮し、(一定の条件を満たしている)現Post-graduation Work Permit (“PGWP”) 保持者、或いは過去にPGWPを保持していた方は新たにOpen Work Permitを18ヶ月間分申請できることとなりました。カナダにおいて移民申請をしたいと夢見て留学している・していた方にとって、このニュースは2021年という新しい年を始めるにふさわしい、明るいニュースなのではないかと思います。

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特別措置の背景

 2020年3月中旬に世界がPandemicに陥ったと同時に、カナダ人と同じく留学生の多くは職を失い、ロックダウンのため就職活動もままならずPGWPが失効間近となったので祖国へ帰国する決断をする、或いは就労できないためカナダ滞在中の生活費を支払うことができない、先行きが全く分からないので不安なため帰国する、という不運な状態が続いています。移民局によると、2020年1月から12月の間で、PGWPが失効した人数は61,000人にも及ぶとのことです。

そして何よりもカナダで就労できない、就労時間数が大幅に削減された、等が理由で後のPR申請において必須となる「スキルを要する職種における、カナダでの一定の就労時間数」を満たせなくなるという現象にも繋がっているということをIRCCは問題視し、本来1年間、或いは3年間で失効し、延長をする権利のないPGWPについて、「新たに18ヶ月間のOpen Work Permitを申請できる」申請特別措置を設けることで、今後のカナダ経済の復旧、未来のカナダを担うPR申請者減少の抑制等の目的があると言われています。

 カナダにおいて、留学生がカナダに就学中に経済に貢献している額は年間210億ドルとの統計が出ており、2019年度は58,000人がカナダの学校を卒業して個人移民申請枠にてPRを取得しています。カナダで就学してスキルを得た後PGWPを取得して就労し、最終的にPRを取得してカナダ経済に継続的に貢献する人材を育て上げることがカナダ国としての狙いです。

特別措置申請条件

以下全ての申請条件を満たしている必要があります。

  • 2020年1月30日以降に失効したPGWPを保持していた、或いは特別措置申請日より4ヶ月以内に失効するPGWPを保持している
  • 現在カナダに滞在していること
  • 現在カナダにて、合法的なステータスで滞在していること、もしくはRestoration申請中であること

特別措置申請の受付期間は、2021年1月27日から7月27日ですのでご注意下さい。

所見

 TORJAに毎月移民法に関する記事を書かせて頂いておりますが、12月号において、『今月は移民・ビザに関する様々なアップデートがありました。その中でも個人的に特に興味深いと感じたものは、COVID-19の影響により個人移民者数が減少している事実を受けて、移民局の大臣が「現在カナダに既に滞在中のWork PermitやStudy Permit保持者が最終的にPR取得、そしてCitizenship取得まで行き着くよう、様々なデータを見ながら新たな道を検討している」とインタビューで述べたことです。』 と書かせて頂きました。

 今回この特別措置発表があったことで、あの時大臣がインタビューで述べた事はこの事を指していたんだ、と思われた方もいるのではないでしょうか。留学生にとっては、まだまだPandemicの終息は見えないものの、この特別措置があることでカナダに滞在することについてはひとまず安心と感じているかもしれません。

 個人的にはこの発表を耳にした時、これからカナダに留学される人達に向けて、政府が(210億ドルもの経済影響を考えると)、ここでしっかりと「カナダは引き続き留学生をPandemic中もサポートしていく」という政治的アピールを全世界にする必要があったのではないかと感じています。何れにせよとても良いニュースですので、申請条件を満たしている方は申請されることをお勧め致します。