取材を受けて改めて感じたこと|カナダで永住権! トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報

取材を受けて改めて感じたこと|カナダで永住権! トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報
 先日、日本にある新聞社の記者の方から取材のご依頼を頂きました。人口について調べていらっしゃる方で、カナダの人口について調べられているうちに、私が移民政策についてTORJAで記事を書いていることを知って、連絡して下さったとのことでした。

 とても興味深いのでお話を是非聞かせて下さい、とおっしゃって頂き、私は恐れ多い気持ちで「光栄です」とお答えし、Zoomにてお話をさせて頂きました。

 この貴重な経験を通して、カナダの移民について改めて感じたことについてお話します。

一体どのようにして?

 最初にお尋ね頂いたことが、「このCOVID-19 パンデミックの最中に、カナダはどのような方法で40万人の移民を受け入れたのでしょうか?」ということでした。世界中の人々が感染を恐れて旅行や移動を慎む中、2020年度においてカナダは合計40万1千人の移民者を受け入れました。この内訳は:

  • 個人移民 …………………… 23万2,500人
  • 家族移民 …………………… 10万3,500人
  • 難民 …………………… 5万9,500人
  • 人道的理由 …………………… 5,500人

 でした。カナダが2021年度にこれだけの移民者を確保できたことの大きな理由は、カナダ国外からの移民ではなく、国内に既に居住している人たちを対象にした新しい移民プログラムを多数導入したことが関係していますとお話しました。

 そもそも渡航規制が発令されている中での国を跨ぐ移動は無理があるため、国外在住の方が大多数であるプログラム(Federal Skilled Workerカテゴリーなど)を対象としたInvitation to Apply(PR申請用の招待状)を発行することは一時停止し、カナダにおいて教育を受けた後、現在就労している方や、カナダの会社からジョブオファーをもらって渡航し、就労している方を優先的に受け入れていくとカナダ政府は発表しました。

 その後次々と色々なことが起こりましたが、印象的なものはExpress EntryにおけるCanadian Experience Class対象者のInvitation to Apply最低点数が460点程度から75点まで落ちたことや、TR to PR Pathway Programの発表などが挙げられるかと思います。

 この圧倒的な政府の行動力、というものはカナダならではないか、ということで私も記者も意見が一致しました。日本は(たとえ短期間であったとしても)何らかのルールを変更するということに時間があまりにも掛かり過ぎて、往々にして大切なタイミングを逃しているという印象を受けます。

なぜカナダは移民を受け入れるのか

 記者の方が私に次に尋ねて下さったことは、「カナダはなぜパンデミックの最中でさえ今以上に移民を受け入れるのですか?」ということでした。
 これについてはトルドー首相がスピーチで幾度も述べていますが、パンデミック終息と共にカナダの経済を回復する必要があるためです。商業を発展させ、再度経済を建て直すということは、これからカナダという国に長い間貢献してくれる、若くてスキルを要するWork Permit保持者や移民者が必要となりますと申し上げました。

 すると「これ以上移民者を受け入れると、カナダ人の雇用が危ぶまれるという世論に繋がりませんか」と尋ねられました。もちろんそのような世論も既にあるということを伝えた上で、反対の例として私のお客様について説明しました。

 そのお客様はスペイン人なのですが、カナダに来る前にスペインで造園家(Landscaper)として働いており、カナダに来てからCollegeを卒業した後に自分の会社を立ち上げ、今ではカナダ人を10名以上雇ってクライアントの家の庭園やプールを改装して成功している人がいます。

 このように移民者や必ずしもカナダ人の雇用を奪っているという訳ではなく、逆にカナダ人の雇用を生み出していることもあるということをお話しました。カナダ政府としてはスキルを要する人たちがカナダに来ることで、カナダにおける雇用率を高め、移民者のスキルをカナダ人に伝承し、そのスキルを更に発展することでカナダを更により良い国にしていくことができる、というメリットを考慮し次々と受け入れているのです、とお話しました。

感じたこと

 最後に記者の方が、「川喜多さんとお話して、カナダが思ったよりも格段に良い国であるという印象を受けました。私が家族を連れて移民したくなりました」というお言葉を頂きました。嬉しく思うと同時に、今後もカナダという国の素晴らしさを皆さんに伝えていく役目も(通常業務と併せて)果たしていきたい、と強く思うようになりました。

 私事ですが、今年でカナダに移住してから23年が経ちます。日本とは違った良さがこの国はあり、それらに感謝して過ごさなければと思いました。