カナダ7月のCOVID-19 ニュースハイライト

カナダ7月のCOVID-19 ニュースハイライト

トロント・ワクチンデー目標の25000人接種を達成

 トロント市は6月27日、 スコシアバンク・アリーナを大規模接種会場にして25,000人のワクチン接種を目標としたワクチンデーを開催した。当日は目標を超える26,711人の接種を完了し、北米における1箇所の会場での一日辺りの接種数の最高記録を樹立した。

米国との国境封鎖は7月21日まで延長

 2020年3月から制限されているカナダと米国間の不要不急の陸路入国における制限措置について少なくとも7月21日まで延長されることになった。

オンタリオ州ついに美容室などの営業が再開。
6月30日から経済再開・STEP2に移行

■規制緩和内

– 美容室やネイルサロンなどのパーソナルケアサービスの営業が収容人数25%まで可能。
– 屋外でのコンサート会場、劇場、映画館、エキシビジョン、フェスティバルなど収容人数25%まで可能。
– 屋内での集まりが最大5名まで可能。
– 屋外でのチームスポーツが観戦者を含めて最大収容人数の25%まで可能。
– 屋外飲食は各テーブル最大6名まで拡大。
– 屋外での集まりは最大25名まで拡大 。
– 生活必需品を販売する小売店の営業が最大収容人数50%まで拡大。
– 非生活必需品を販売する小売店の営業が最大収容人数の25%まで拡大。
– 屋外フィットネスクラスが3メートルの距離を保ち25名まで拡大。
– 屋内の礼拝施設が最大収容人数25%まで拡大。

■STEP3に進むためには

 6月30日から21日後の時点で、成人の70%~80%が1回目のワクチン接種を受け、なおかつ成人の25%が2回目のワクチン接種を受けた状態であることが挙げられている。

カナダ 7月6日より入国時の隔離義務など規制解除へ

 カナダが認可しているファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、ジョンソン&ジョンソン製のいずれかのワクチンを2回接種した人を対象に、入国時における政府指定ホテルでの隔離と14日間の隔離もしくは8日目のPCR検査の免除などの規制が解除・緩和される。

■必要事項と条件

– 入国の14日前までに2回のワクチン接種を済ませていること。
– 接種証明書の提示。英語もしくはフランス語、または公式の翻訳証明書。
– 72時間前と入国時にPCR検査を受け陰性であること。
– ArriveCANにワクチン情報を登録しておくこと。
– 隔離計画を提出すること。

2回目の接種ワクチンはファイザーもしくはモデルナを推奨

 カナダの国家予防接種諮問委員会は、ワクチン接種の1回目にアストラゼネカ製ワクチンを接種した人は、2回目の接種に関してファイザー製もしくはモデルナ製ワクチンを接種することを推奨している。カナダではオンタリオ州を含めた多くの州でアストゼネカ製ワクチンの使用が停止されている。

モデルナ 12~17歳への使用承認をカナダ当局に申請

 現在モデルナ製ワクチンは18歳以上に使用されているが、12~17歳を対象とした臨床試験でその有効性が確認された。カナダの他にEUでも申請された他、今後、米国FDAなどにも緊急使用許可を申請するとのこと。

懸念されるインド型コロナ変異株「デルタ」の感染拡大によって引き起こされる第4波の脅威

 1回目のワクチン接種も70%以上に達し、現在COVID-19の症例は急激に減少しているものの、新たに懸念されているのがインド型コロナ変異株「デルタ」の感染拡大によって引き起こされる第4波の脅威だ。

 最新のモデリングでは、今後「デルタ」の影響がなければ、緩やかに減少に向かうと予測されているものの、「デルタ」の影響があれば、来年1月頃に第4波がくると予測されている。

 一方で保健当局は、第4波を避けるためにはリスクの高いホットスポットやコミュニティーでの完全な予防接種、つまりワクチンの接種を2回することを確実にする必要があるとしている。当局は1回のワクチン接種だけでは、インド型コロナ変異株「デルタ」に対する効果が低いとしており、2回接種することで有効性が増すとしている。そして、80%以上の人が2回のワクチン接種を完了すれば、第4波を抑えることができる見込みだ。

 現時点では、感染拡大がうまく制御できることが示されており、集中治療室などへの入院も減少し続ける見通しだという。ちなみに、いま新型コロナウイルスに感染している人の大多数は、1回目のワクチンを接種していない人だそうだ。