大学生が対面授業を選ぶ7つの理由とは?|メープルバレー発。カナダの大学情報・アカデミア事情

大学生が対面授業を選ぶ7つの理由とは?|メープルバレー発。カナダの大学情報・アカデミア事情

 コロナ禍でリモートワークがニューノーマルになりました。University Affairsの記事の一つに、York Universityの大学生と大学院生のグループが、コロナ禍でオンライン授業に切り替わってから対面授業が良かった、と思われる7つの理由を挙げています。

1.Community and Friendship

 ある学生は「昔ながらの対面授業で感じられるクラスメートとの一体感や繋がりが、オンライン授業だとそれを感じることが出来ない」と話しています。例えば、クラスルームで同じような学問的関心を持ったクラスメートと授業前後に会話したりして交流出来るけれど、オンラインだとそういった機会を作ることが難しくなっています。ある大学院生は「クラスルームやグループミーティングなどがクラスメートと交流できる唯一の機会だったので、オンラインだと孤独感が増えます」と話しています。

2.Presence of Social Cues

 オンライン授業では、実際にクラスメートの行動を見て察知したり認識する能力が欠けてしまう傾向があるようです。ある学生は、「オンラインだと誰かに話しているよりも、自分自身と話している感覚になる」また「オンライン授業でのディスカッションの際にカメラがオフになっているクラスメートとの会話は、まるで知らない人と話している感じ」と話しています。

Photo courtesy of York University
Photo courtesy of York University

3.Sense of Motivation

 「図書館で皆が勉強しているのを見るのが好きなのは、モチベーションにつながるし落ち着く」とある学生は話しています。図書館や共同スペースは学生にとって課題やテストへのモチベーションをアップさせることだけではなく、自分だけ勉強が大変ではないんだ、という学生同士の連帯感を生み出すことのできる場所でもあります。ある大学院生は、授業後に教授と交流することで、教授と良好な関係を築いてよいディスカッションが出来る事を目標にモチベーションを上げることが出来る、と述べています。

4.Staying Focused

 学生によっては、教授やクラスメートと直接的な交流がないと、集中力が欠けてしまったり、質問がしづらくなる傾向があるそうです。また、オンライン授業中に携帯の通知で気が散ったり、家庭内環境によっては家族や隣人に勉強の邪魔をされたりすることがあります。ある大学院生は「図書館などの勉強に集中できる場所や、クラスメートとのちょっとしたおしゃべりは、フォーカス維持や勉強を頑張ることに繋がります」と話しています。

5.Privacy

 自宅でありながらプライバシーがない学生もいます。オンラインミーティングは対面や個室と同様なプライバシーを保てない場合があります。例えば、コロナ禍で家族が家にいる、また自室がないためにオンラインミーティングを諦めてしまう学生がいます。また、勉強の相談を家族に聞かれたくない学生もいます。多くの学生は、指導教授やカウンセラーに直接会うことで安心して相談出来る、という傾向があります。

6.Sense of Routine

 授業のオンライン化で学生の自己管理力が低下し、成績や学生生活に影響を及ぼしています。ある学生は「オンライン化で、朝早く起きて大学へ通い授業を受けるという通常のルーティーンが無くなってしまった」と話しています。教授とのアポイントメントやクラスメートとの勉強会などが出来ないので、課題などが先延ばしになり勉強がどんどん分からなくなる、といったケースが出てきています。「学校でしっかり勉強して、家ではリラックス」といった通常の学生の生活習慣は、家族とのステイホームでますます難しくなってきています。自室がないため、家族が寝た後ようやく勉強が出来るという学生もいます。

7.Just Being on Campus

 キャンパスは全ての学生に勉強や学生生活を豊かに出来る場所を提供しています。また、キャンパスには学生同士が出会い、繋がり、課題やテスト勉強を一緒に出来る環境があります。パンデミックにより対面授業からオンライン授業に切り替わったことで、学生生活が一変しました。ある学生は「オンライン授業がいつまで続くのだろうかと考えると、とても怖くなります…。でもこれが大学生の新たな現実になるのかな?」と心配しています。学生の中には、オンライン化で集中力やモチベーション維持に苦しんでいたり、学生同士または教授との交流や親近感が無くなったと感じています。これはオンライン化がマイナスの結果をもたらしただけではなく、学生たちが難しい局面に立たされているということを表しています。

 グローバルパンデミックにより、学生にとって大学での対面授業や、学生同士または教授とのコミュニケーションが勉強そして大学生活においていかに大切であったかを知る機会になりました。