第2回 ウォータールー大学・大学院生の生活|メープルバレー発。カナダの大学情報・アカデミア事情

 大学生にとって3月は、課題提出、プレゼンやグループワークの発表、来月にある期末テストに向けて準備したりと冬学期で一番忙しい月です。大学院生と聞くと、「研究ばっかりやってるの?」というイメージが強いかと思います。そこで今回は大学院生の生活について、ウォータールー大学大学院に在籍していた私の経験をもとにご紹介したいと思います。

1.授業と研究の両立

 私が在籍していた環境学部修士課程は2年間で、主に1年目は授業中心の生活でした。大学院での授業は少人数のクラスが多く、学部生だった頃の大人数のクラスで教授の話を聞くだけのような授業ではなく、学生が主体的に授業に参加することが基本でした。

 例えば、毎週大量の文献を読み、それについてクラス全員またはグループでディスカッションする、与えられたプロジェクトについてグループでプレゼンするなど、クラスでいかに自分の意見を述べ、皆で議論しクラスに貢献できるか、などが評価の対象とされました。

 当時の私は、英語力の不安から特にクラス全員で議論するのが大の苦手でしたが、よいクラスメイトに恵まれて乗り越えることが出来ました。学期末には必ずプロジェクトレポートやアサイメントの提出があったので、図書館やラボで朝を迎えることが多々ありました。

 2年目になると、授業中心の生活から研究中心の生活になり、修士論文に関する文献探し、フィールドトリップ、データ分析、論文作成など、担当教授とのミーティングが多くなりました。君の業績になるからと学会発表もこの頃から積極的に行うことになりました。

 クラスメイトによってはこの時期から就活をスタートする人もいたりと、個人や在籍しているラボグループなどでの活動が多くなります。私は担当教授のお陰で2年目の終わりに修論の口頭発表(Thesis Defense)をして修論を書き上げましたが、院生によっては修士課程を延長することも出来るので(所定の書類や学費を払う必要あり)、私のクラスでは約3分の2が延長していました。

 その他、Teaching Assistant(TA)とResearch Assistant(RA)の仕事をする機会が与えられます。カナダの大学院のTA/RAの概要と私の経験したことについてはまた別の機会に綴りたいと思います。

2.キャンパスライフ

 皆さんはどこで勉強したら捗りますか?私は断然図書館でした。ウォータールー大学には図書館が4つあり、期末テストの時期になると24時間営業となり、試験準備に追われる生徒でごった返します。キャンパスの真ん中に位置するStudent Life Centre (SLC)にはフードコート、レストラン、コンビニ、スターバックス、Tim Hortons、銀行、薬局、歯医者、ブックストアなど、ちょっとした町のようになっています。

 その中でもTurnkey Deskという学生のためのヘルプデスクがあり、各バスや映画のチケット販売を始め、キャンパス内外のイベント情報やウォータールー周辺の観光名所情報などを提供しています。24時間365日営業しているため、学生にとってはとても便利です。

 キャンパスにはPAC(Physical Activities Complex)とColumbia Icefield Facility(CIF)という2つのスポーツ専用の施設があります。PACにはフルサイズのジム、プール、スカッシュコート、CIFには3つのジムとフィットネススタジオ、ホッケーとスケートリンク、複合体育館などが完備されており、それらを使ったプログラムは約250種類、学生はすべて無料で使用することができます。当時私はWaterloo Warriorsと呼ばれるVarsity Sports(大学代表選手)のテニス選手をしていたので、よくジムに行ってトレーニングしていました。

 The Grad Houseは大学院生にとっては憩いの場です。地ビールをはじめ新鮮なサラダ、美味しいバーガーやスナックなどがあり、勉強から一息したい院生が沢山集まります。私もよくクラスメイトやラボ仲間と行っては色々なビールを覚えました。各種イベントも行われているので、ネットワークを広げたい院生はよく利用しています。

Graduate House

 ウォータールー大学周辺には、緑豊かな広場や池、小さな動物園があるWaterloo Parkがあります。有名なSt. Jacobs Farmers Marketがあり、電車やバスで簡単に行くことが出来ます。

3.ウォータールー大学での生活費

 ウォータールー大学に留学したらどれくらい費用がかかるのか?大学院のウェブサイトに情報が載っています。生活費にかかる相場は個人にもよりますが、1学期(4か月)約4千ドル~1万2千ドルです。注目はGrand River Transit(公共交通機関)がタダ!ウォータールー大学は学費等の中にGRTが含まれているので、学生証がバスチケットになるのでとても便利でした。